模擬戦前日
21話目♪
あぁ〜ストックが増えない…
「まさか伝説御二方とお会い出来るなんて」
「あぁ、そういうのめんどくせぇからパス」
とマリーさんの言葉を師匠は面倒くさそうに遮った。
「分かりました…でもアルフレッド様はともかくどうしてグラトニー様までここに?」
「そりゃ俺の弟子がここにきてるって聞いたから迎えに来たんだよ」
そう言って師匠は僕達の方歩きてきた、そしてそれに気づいたマリーさんが急にわなわなと顔を真っ赤にして震えだした。
恐らく師匠の登場により僕が本物の信だと言う事が分かったのだろう。
そして先程まで僕の事を偽物だなんだと、自慢げに証拠まで挙げて言ってたマリーさんは
「す、すいません私急用を思い出したのでこれで失礼します!、御二方に会えてとても光栄でしたわ、ではまた
今度!!!……」
と、こちらをギロっと睨みダッシュで去っていった、因みにマリーさんの取り巻きもマリーさんのあとを追いダッシュで去っていった。
あー、あれは完全に僕の事を敵視してるな…まぁだからってどうこうしようとは思わないけど。
「なんだったんだありゃ?」
「さぁね?」
どうやら俺の師匠達はあまり気にしてないようだ。
それよりも…
「よくここにいるって分かったね」
僕の居場所なんて師匠に行った覚えないし、てか誰かに言える状況ですらなかったからね…
「そりゃお前らがここに向かってるって噂になってるからだよ」
「噂に?」
何でそんなことに…あ、まずい!それ以上は…
「銀髪の美少女が黒髪の美少女にお姫様抱っこされて城の中を走ってるって城の騎士達の噂になってるぞ」
…遅かった。
「信…お前」
「やめて!そんな生暖かい目で僕を見ないで!」
しかも何故かエリカちゃんや黒龍、それにアルフレッドさんまで僕の事を見ている。
「まぁ死ぬ訳じゃねぇしいいじゃねぇかお姫様?w」
「グハッ!!」
「あ、倒れた…」
やばい恥ずかし過ぎて死ぬ……てかなんで黒龍は恥ずかしくないんだよ…。
「まぁこいつをいじるのはこのぐらいにして本題だな」
師匠…僕をいじらず真っ先に本題に行ってほしかったです…おかげで僕のライフはもうゼロよ…
「グラトニーさん本題ってなんですか?」
僕が真っ白に燃え尽きてるので代わりに大吾が師匠に本題は何か聞いてくれた。
「明日から模擬戦だろ?だから今日の夜にパーティをする事に決まったらしいまぁ要するに前夜祭だな、それを伝えに来た」
へぇー前夜祭か…
「それって僕達やクラスのみんなもだよね?」
「それだけじゃねぇぞ?様々な貴族や王国のお偉いさん共もこの国に召喚された勇者達を見るために来るぞ」
「「うげぇ」」
僕と大吾は揃って嫌な顔をした。
だって明らかに貴族って面倒くさそうじゃん、ついさっきまでいい例が居たし。
あれを見たら貴族に良いイメージがわかないましてや国のお偉いさんとか明らかに厄介事のタネじゃん。
その辺大吾とか詳しそうだな、僕と違ってよくここには来てるらしいし。
「大吾、貴族ってやっぱりマリーさんみたいなテンプレ貴族が多かったりする?」
「全員って訳じゃねぇけど、まぁほとんどがそうだな」
と大吾が苦笑いをした。
「それって体験談?」
なんかそれっぽいなと思い大吾に聞いてみると。
「まぁな、金や女で俺を釣ろうとしたりされたぜ、もちろんそんな糞みたいな話し乗るわけないがな」
と大吾は笑った。
「まぁ今回のパーティにもそんなクソ貴族も居るがザールの奴が目を光らせてるから奴らもそう簡単にな動けねぇよ」
よかった、せっかくの楽しいパーティをそんな人達に邪魔されたくないからね。
あとの問題は、僕の姿かな。
「ねぇ師匠、そのパーティーの時は元に戻った方がいいかな?」
一応前の姿には戻れるが正直あまり戻りたくないからなぁ
戻らないで済むなら戻りたくない。
「あぁ、それはザールの奴にちゃんと言ってあるから心配しなくてもいいぞ」
なら大丈夫か。
「それでパーティはいつ始まるの?」
「もう準備は終わってるぞ、あとはお前らだけだ」
「え?じゃ中村も来てるの?」
「ついさっきな、だからあとはお前達だけだよ」
マジか、じゃ急がないとダメじゃん。
「師匠場所は?」
「あの広間だ」
師匠から場所を聞いた途端僕はその広間に向かった、黒龍を抱え。
「あ、おい!……たく、転移結晶ですぐ行けるのに」
「アハハ、信ってたまにせっかちな所が有りますからね」
「みたいだな…じゃ俺たちは先に行くか」
「はい」
そう言ってグラトニー、大吾、アルフレッドは転移結晶で広間に向かった。
その頃アリスはグラトニーに教えてもらったパーティ会場に向かって走っていた、黒龍を抱えながら。
「ちょ、ご主人!なぜ我はお姫様抱っこされている!?」
「え?だって僕だけお姫様抱っこされて恥ずかしい思いするのはなんか癪だから黒龍にも同じ気持ちを味わってもらうかと思って」
「あれは、ご主人が勝手に飛び込んできたのが悪かろう!…それにもう十分恥ずかしい」
黒龍は別にこの状況を他の誰かに見られても嫌だとか恥ずかしいなどの気持ちは感じない、ならなぜ黒龍は恥ずかしがっているかと言うと…
(近い…!顔が近い!それに胸が当たってる! …!)
と、こんな感じで黒龍は恥ずかしがっていた…いやこの場合は恥ずかしがってると言うより悶えていると言った方が正しいのだろう、そして黒龍を悶えさせた張本人は…
(あれ…これお姫様抱っこしてる方も恥ずかしくない?
てかなんか黒龍も顔赤いし…あぁぁぁやっぱり恥ずかしい!)
と、こっちもこっちで悶えていた。
(てか位置的に黒龍が僕を見上げる形になってるけど…
上目遣いめっちゃ可愛いな!?…あ、目逸らした)
そして一方黒龍は。
(なんだ!?なぜ我をそんなに見つめるんだ!?仕返しか!?さっきの仕返しなのか!?あぁぁぁ!もうこれ以上見れん!)
と、先程よりも顔を真っ赤にして悶えていた。
そしてそのまま一言も話す事もなくアリスと黒龍は師匠に教えてもらったパーティ会場に到着した、そこで転移結晶で先に来たと大吾に言われ「その手があった!」と叫んだアリスであった。
アリスが黒龍を抱え到着する10分前。
「さて到着だ」
グラトニーの転移結晶で広場の扉まで来た大吾とアルフレッドが到着した。
「凄い、本当にあの広間だ」
まさか本当にあの結晶で転移を出来るとは思ってなかったのか少し驚いた様子の大吾。
「僕の時空剣よりも凄く使いやすそうじゃないか…そんなに簡単に時空剣と同じ事をされたら流石に僕も凹むよ?」
と自慢の時空剣よりも使いやすそうな物を目の前で使われ少し凹んだ様子のアルフレッド。
「それほどでもあるな、この転移結晶は俺の自信作だからな、マーキングさえしておけばあとはこの転移結晶で行ったり来たり出来る」
「まぁその結晶を作るのに手間がかかるんだが」とつけ加えグラトニーは大吾達に言った。
「なるほど」
「じゃあ俺らはザール所に行ってくるからお前も楽しんでこい」
そう言ってアルフレッドさん達は扉を開け先に言ってしまった。
「…俺も行くか」
恐らくこの扉を開けたらめんどくさい事になるだろうなと思いながら俺は扉を開けた。
中に入るとそこはさっき来た広間とは思えないぐらい豪華な場所に変わっていた、この部屋を照らしていたシャンデリアは金のシャンデリアに変わり、床一面には赤い絨毯が敷かれている。
そして人の数も凄かったクラスのみんなや護衛やメイドなども合わせて数百人は居る。
「想像してたよりもすごいな」
と、驚きの声を漏らしていると
「おやおやこれは偉大なる勇者ダイゴ様ではありませんか」
でたよ…面倒事その1
この人はさっき信に話した俺を勧誘してきた貴族、確か
名前は…あぁそうだ。
「お久しぶりです、ガロットさん」
ガロット・ルーニア、確か隣国の<ガガリア>と言う国の
貴族でなかなか地位の高い家の人らしい。
「ではパーティを楽しんでください、僕はこれで」
少し強引だが僕はこの場から離れようとした、だがもちろんそんな事をさせまいとガロットは
「まぁまぁそんな事言わず1杯どうですか?、それに会ってもらいたい人もいますし」
やっぱり止めてきたか、と内心舌打ちをしながら、でも俺は誘いに乗ることにした、恐らくこのまま断ってもしつこく付きまとってくるし、それにガロットさんの言ってた紹介したい人ってのも気になるしな。
でも1杯だけだ、中村も探さなきゃいけないし。
「分かりましたでも1杯だけですよ」
そう釘を刺して僕はメイドさんから貰ったりジュースを手に持った。
「えぇ1杯でいいですよ、ではご紹介しましょう、アリカ、ダイゴ様を紹介するからこっちに来なさい」
そう言うと1人こちらに近づいてくる女の人がいた。
「初めまして私アリカ・ルーニアと申します」
そう言ってアリカさんは笑いかけた。
それを見た俺は内心ため息をついた、あぁ結局これかと…
「初めまして俺は大吾、この世界に召喚された勇者です」
「お父様からダイゴ様のお話をお聞きになってどんな殿方なのかなと思っていたのですが想像よりもカッコよくて素敵です!」
アリカさんはそう言いながら僕の腕に抱きついてきた。
「フフ、どうですかな私の娘は」
もうここまで露骨にされれば分かるだろう…この人は自分の娘を使ってる俺を篭絡しようとしているのだ。
しかもその娘も父とグルでだ、全く…薄々こうなるんじゃないかと思っていたが、やっぱりこうなったか。
「えぇ、とてもいい子ですね」
と適当に返して俺は手に持ったジュースを一気飲みした。
「では約束の1杯もの見終わりましたので俺はこれで」
「「え?」」
俺は飲み終わったグラスを2人に見せすぐさまその場所を離れた。
もちろんガロットさん達は我に返り俺を止めようとするが
「あれ?…いない」
俺はすぐにその場を離れ人混みに紛れる事によりあの二人の目から逃げる事に成功した。
「ふぅ無駄な時間を過ごした気がする…」
「なら今度は僕と1杯いかがですか?」
そう言われ振り返ると見知った顔があった。
「中村!」
「久しぶりです大吾、元気してましたか?」
「あぁ、そっちこそ元気だったか?」
「えぇ、何度かヤバかったですがそれでもとても充実した毎日でしたよ…ふふ」
そう言ってご自慢のメガネを光らせる中村。
恐らくマロンさんがいるからという事だろう…可哀想に
マロンさん…合掌
「それよりも信の姿が見当たりませんが?」
「あぁその事なんだがな」
そう言って俺は信の事を全て中村に話した。
「なるほど…まさかあの人の百合好きがそこまでだとは…正直馬鹿ですか?としか言いようがありませんね」
などと言ってるが声色を聞くとそこまで怒ってはいない、
まぁそうなった原因が俺らの力になりたいって事だらかな、女になったのはそのついで……だよな?
「でその信は遅れてくると」
「そう言うこと、中村もあいつの姿を見たら驚くぜ」
なんせめちゃくちゃ可愛いかったんだから、この世界の
顔面偏差値は地球比べて高いと思う、エリカやマリーさん、お姫様それに…そう思って俺はあの人ががいるであろうザール王の部屋を見た。
「大吾?」
「あぁ、悪い」
ともかくこの世界は美少女が多い…そのせいか俺は美少女に慣れた…とでも言えばいいのだろうか、だがそんな俺でも信やその隣にいた黒龍さんは俺でもドキリとしたほどだ。
まぁだからって信や黒龍さんを恋愛対象として見るかは別だ、それに……
「大吾さっきからぼーっとしてどうしたんですか?」
「い、いや何でもない」
「そうですか…しかし信遅いですね」
「そうだな…」
と話していると
「よう久しぶりだな大吾、中村」
「お前は…」
そこに居たのは首輪を付けた女を侍らせた面倒事その2
吉村だった…
次回吉村の強さが明らかに…!




