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これホントに全年齢対象?

 


 朗報:ウルフちゃんがフェンリルちゃんに進化した件。


 変化といえばツノが生えた事とちょっとでか…くはなってないか。仮になってても元がかなり大きいから分かんねえな。

 あとオーラがすげえ。グランヴァニアほどじゃないが、さっきまでとは別次元の存在感を放ってる。



『流石は我に連なる魂を持つ者よ。しかしまだまだ青い。それはお主の努力次第だ、シンよ』


「え、俺なの?」


『うむ。そこなホーリーフェンリルは主人を得る事で成長する性質を持つ。今は我が仮の主人となっておるが、それは魂の本質が近い部分にあるからこそ。我が主人であっても其奴(そやつ)は成長せん。だがお主の持つ赤き糸ならば、友誼を結び主人となる事ができよう』


「すまん、もう少し簡潔に説明してくれないか?」


「グルゥ?」



 分かりづらいわ。フェンリルちゃんもよく分かってないっぽいし。魂がどうだの主人がどうだのって、結局俺はどうすれば良いんだ?



『その赤き糸をホーリーフェンリルに使うと良い。その糸は使い手と魔物を強き運命で結ぶ特性がある故、良く懐いている其奴ならば万に一つもお主を拒むことは無いだろう』


「そういうことなら分かった。ウルフちゃん、準備はいいか?」


「グルゥ!」


「よし………《運命ノ赤糸(サダメノアカイト)》!!」



 そのスキル名を叫んだ瞬間、俺の手から一本の赤い糸がウルフちゃんに向かって伸びていく。ウルフちゃんもこれが悪い物では無いと理解したのか、じっとしたまま待ち構えている。

 そして糸がウルフちゃんに触れる。ウルフちゃんは激しく光を発し、同時に俺の中で何かが繋がったような感覚を覚える。これがグランヴァニアの言っていた、『強き運命で結ばれる』ということなんだろう。


 辺りを覆っていた光が収まった後、眼前に映っていたのは巨狼ではなく、長く美しい銀髪の幼女だった。



「わー!なにこれすごーい!あるじー!」


「きゃっ!シンくん、見ちゃダメですー!!」


「グランヴァニア、どうにかしてくれ!」


『なんと、これは我も想定外であった。まさかホーリーフェンリルが人の姿を取るなど…。少々待て、直ちに()()を拵えよう』



 ただしすっぽんぽんである。俺がしっかりと視界に捉える前に、イロハがどうやったのか光の速さで俺と幼女の間に割って入ったからほぼ見えてないが。

 これ、R18ゲームじゃないよな…。もしこのことが知られたら、幼女好きの大きなお友達が大挙して押し寄せてきそうだな。絶対黙っておくようイロハにも言い聞かせよう。


 俺が後ろを向いている間にグランヴァニアの用意した服に着替えた幼女。そして状況証拠からしてこの幼女は…。



「シンくん、もう大丈夫ですよ」


「ありがとう、イロハ、グランヴァニア。それで質問なんだがお前、もしやウルフちゃんなのか?」


「うん!そうだよー!あるじは初めて遊んでくれたにんげんさんなのー!」


「おぉうマジか…。それで懐かれたって訳か…。あとその“あるじ”って呼び方やめてくれ。なんか悪いことしてる気持ちになる」



 なぜかウルフちゃんは首を傾げている。いやもうほんと、すごい罪悪感なのよ…。そもそも俺はこの子殺そうとしてた訳だし。助けてグランヴァニア。



『ハハ!!どうやらお主の事を本能的に主人と認識しているようだ!余程構ってもらえた事が嬉しかったと見える。どれ、主人として名でも付けてやったらどうだ?』


「答えになってねえよ。俺としては今まで通りウルフちゃんで良いと思ってるんだが」


「ダメですよシンくん!こんなに可愛い女の子なんですから、お名前も可愛いものを付けてあげないと!」


「ならイロハが付けてくれ。自慢じゃないが、俺には絶望的に名付けのセンスがないんだ」



 昔、実家で犬を飼ってた時に名付けの大役を仰せつかったんだが、それがあまりにも酷すぎて二度と名前を付けさせてもらえなくなった。RPGでもテイムしたモンスターはデフォルトの名前だったし、同キャラは1号2号で区別してたからな。

 まあイロハなら良い名前付けてくれるだろ。



「決めました!けどシンくんの口から伝えてあげてください。そっちの方が喜ぶと思うので!」


「あん?いやいや、決めたのはイロハなんだし美味しいとこだけ持ってくのはな…」


「い・い・ん・で・す!まったく、シンくんは乙女心が分かってませんねぇ。今度お姉さんが教えてあげます!」



 ここぞとばかりに歳上ムーブをしてくるイロハから名前を教えてもらう。もちろん文句なんてないし、イロハに頼んでよかったと思えるくらい俺も気に入った。



「ウルフちゃん…いや。お前の名前は今日から“リルル”だ!よろしくな、リルル」


「リルル…うん!よろしくねっ、あるじ!」


「だからあるじはやめろと…まあいいか。ちなみに元のフェンリルの姿には戻れるのか?」


「できるよー。うー………グルゥ!」


「おお、こいつは便利だな!ありがとな、もう十分だ」


「………ふー、これつかれるー」


「ちょ、服!服ぅ!」



 こうして新たな仲間が増えた。俺はなぜかイロハに殴られました。



Irohaのパンチ!SiNに1ダメージ!SiNは少し悲しい気持ちになった!

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