幸運体質とトラブルメーカーは紙一重
シルキード・フオウモス改めグッさんが仲間になったところで、デバイス側からVRの連続使用時間に関しての警告が来たので一旦ログアウトすることにした。
ちなみに連続プレイ推奨時間は8時間、休憩時間は最低でも1時間とされている。これ以上何か動くとなると時間が足りないし、マスターとイロハには悪いけど先に落ちるしかない。
「ということで俺はここいらで。あ、リスポーンポイントって更新出来てます?」
「一応ソファでも出来るけど、起きた時に誰かの尻の下敷きは嫌だろう?2階の端にある客間を使うといいよ。その間にシンくんとイロハちゃんの部屋は作っておくから」
「ありがとうございます。何から何まで助かりました」
「いいのいいの。ちなみに次はいつインするかは決めてるかい?」
「あー…ワンチャン1時間後かもしんないっすね」
「今現実時間は深夜2時だよ…?」
え、マジ?確かに大学終わりに買いに行ったのが昼過ぎ、帰宅して色々設定と準備を済ませたのは夕方、そんでログインしたのが早めの夕飯を食べてから………うわマジじゃん。
そうだな…明日ガッツリやる為にも寝ておくべきか。
「確かにそうっすね。となれば朝一か昼前とかっすかね」
「分かった、それまでに終わらせておくよ。幸い僕は明日も休みだからね」
「俺は仕事だよクソが。はぁ…ゴールデンウィークだってのに休みは今日だけだちくしょう…。まあ…隙間を見て少しならログインできるか…」
「無理しなくていいよサカキくん。忙しいのは知ってるし、他にもメンバーは居るから先に仕事を済ませてきちゃいなよ」
「悪りぃな。キリもいいし俺もここらで落ちるわ。明日は朝から会議が入ってるんでな」
「了解、僕は少し検証したい事もあるからもう少し残っていくよ。マスターにも事情を説明しなきゃいけないし」
それはそうか。帰って来たら知らないおじさんがいるの怖すぎるだろ。何のドッキリだよ。
おっさんが先に落ちたので、俺も……ああ、これだけ渡しておかなきゃな。
「ミキさん、これマスターに渡しておいてください」
「これは………語り部!?こんな物どこで見つけたんだい!?」
「グッさんが居た部屋で崩れる直前に。てかさっき世界の真実には興味無いって…」
「僕はね。一応、ウチもメインストーリーの攻略には関わっていて、ウチで保有する語り部はこれで四つ目だ。レギオン全体で見ても語り部は20も見つかってないはずだよ」
やっぱメインストーリーに関わる重要アイテムだったか。なんか…俺は呪われてるのか?初日から厄介事に巻き込まれすぎだろ。
「最後の最後でとんでもない爆弾を………。君はあれかい?ユニークを惹きつけるフェロモンでも出しているのかい?」
「やめてくださいよ、縁起でもない…。じゃあ俺はこれで」
「うん、これは僕から責任を持って渡しておくよ。また明日」
そうして俺は記念すべきレギオン初日を終えたのだった。
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一方その頃クランハウスにて。
「ただいまー。あれ、ミキだけかい?他の皆んなは?」
「ああ、お帰りなさいマスター。シンくんはログイン時間が。サカキくんも明日会議があるから早めに休むって」
「そうか…イロハちゃんもさっきログアウトしたし、私もそろそろ落ちようかな」
「その前にマスター。ちょーっと胃の痛い思いをしてもらいますよ?」
「………え?」
数分後。
「………彼はトラブルメーカー…いや、ユニークホイホイなのかな…」
「ですけど、咄嗟に語り部を回収した機転は評価すべきですよ。現状、語り部がユニーク関連でしか発見されていない事を踏まえて僕も捜索していたんですけど、どうしてか見つからなかったんですよね」
「む?マスター殿、ミキ殿、それが気になるのですかな?」
「ああ、そうだけど…グッさんはこれが何か知っているのかい?」
「それはそうですとも。儂や天龍、かつてこの地を統べていた覇王ならば所持していなければならぬ代物ですじゃ」
「覇王…確かに奴も持っていたね…。それで、これはどう使うのが正解なのだろうか。まさかただの情報記録媒体とは言わないよね」
「無論それだけにはありませぬ。それの本当の使い途は」
「極星を完全消滅させることですじゃ」




