↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
15/32

鈍感系主人公は運とチートでどうにかなってる

遅くなりましたが、基本は毎日更新です。急ぎ足で書いているので矛盾があったら指摘してもらえると助かります。その内絶対やらかします。

 


 おっさんは断末魔と共に身体がポリゴンになって消えていった。今頃上に戻ってリスポーンしている頃だろう。


 最後の技…いやその前の《乾坤一擲》もそうだ。頭の中にスキル名と効果がスラスラと入ってきた。理解していないのに使い方は分かるような感じで、俺は藁にもすがる思いでスキルを発動した。


 それが最高の結果になって良かったが、まさか咄嗟の思い付きがスキルに化けるとは。俺の考えついた切り札は、糸を幾重にも重ねて矢の形にして放ち、それが当たればそれで良し、当たらなければ結んだ糸を解いて針の如く鋭い硬糸の弾幕で押し切るというもの。

 問題は糸の強度とMPの問題で矢を番える弓が生成できるか怪しかったが、スキルになってくれたお陰でMPの消費量が限りなく下がっていた。ステータスも上げてない中でよくやった方だと思うよ、本当に。


 まさかそんな状態で闘うことになるとは思わなかったが、その甲斐あってかある程度俺が進むべき道が見えてきたような気がする。

 まだまだ考えることは山積みだな、と今の闘いを振り返っていると、途中から居なくなっていたマスターとミキさんがどこからか姿を現す。



「いやー、お疲れ様。まさかサカキを倒しちゃうとはね。私もびっくりだったよ。ああ、心配せずとも結果はもちろん合格。イロハちゃんのテストが終わったらまとめて登録するから待っててね」


「やりましたね、シンくん!!」


「あるじー!」


「うわっ、抱きつくなって。運営にセクハラ判定食らったらどうすんだよ。…ま、応援ありがとな。次はイロハの番だぞ」


「は、はい!…ふぅ〜、緊張しますね…」



 何度も深呼吸と手に人の字を書いて飲み込むことを繰り返しているイロハ。イロハが戦っているところを見たことがないから滅多なことは言えないが、同じユニーク持ちの俺がやれたんだからイロハがやれない道理がない。


 何か励ましの言葉を掛けようとも思ったが、マスターに先を越されてしまった。



「イロハちゃん、白魔導士なんだよね?ヒーラーだと初期の手持ち魔法は《ヒール》と《風魔法》だと思うんだけど、どうやってサカキに勝つつもりだい?」


「えっと、一応私のユニークスキルなら…と考えてたんですけど」


「ならシンくんの時同様聞かない方が面白そうだ。イロハちゃんはシンくんの魔法について詳しく知らなかったみたいだけど、シンくんもイロハちゃんのユニークの詳細は知らないのかい?」


「そうっすね。聞いても良かったんすけど聞きそびれちゃって。ここまできたらどうやって勝つのかは気になるんで俺も聞かないでおきます」



 やがてブチ切れながらサカキのおっさんが戻ってきた。だが文句を言う前にマスターに「イロハちゃんの相手が先」と言われてしまい、訓練場モードだけオンにさせて渋々引き下がっていた。いい気味だ。


 そうして始まったイロハの入団テスト。最初はおっさんも俺の時みたいに舐めてかかったフリをしていたが、途中から徐々に様子がおかしくなっていった。



「待て、お前何をした…?さっきからお前が使っているのは《ヒール》だろう。なのになぜ()()H()P()()()()()()()?」


「これが私のユニークスキル、《聖なる魔女(ホーリーウィッチ)》です。効果は読み上げましょうか?」


「いや、いい。何となく察しはついたが、こりゃあ俺と相性が悪すぎる。降参だ降参」


「おや、白旗を揚げるのが速すぎやしないかい?君ならまだまだやりようはあるはずだけど」


「無理だな。嬢ちゃんのユニークは恐らく()()()()()。俺に回復魔法をかけると逆にHPが減っていくんだよ。この世界で唯一の対象指定攻撃魔法だ」



 対象指定。つまり選んだ対象に向かって必中で飛んでいく能力のことをそう言う。このゲームの攻撃魔法には基本的に範囲指定と方向指定―――糸魔法は方向指定だ―――しか存在していない。術者の照準(エイム)が試されるからゲームとしては中々難しい部類に入るんだが、対象指定はそれを不要とする、まさにチート。

 回復の反転という能力も凄まじいが、何よりゲーム初心者であるイロハにこのチートが与えられたことに、俺は作為的な何かを感じ得ない。


 そのヤバさは先達の3人の方が余程理解しているようで、何やら3人で会議を始めてしまった。



「お疲れさん、まあ疲れてないだろうが」


「イロハおねえちゃんつよーい!」


「ふふっ、ありがとうございます二人とも。正直言うとあまり手応えがなくって。あっ、こういう時に言わなくちゃいけない言葉があるんでしたっけ。確か…『また私何かやっちゃいました?』」


「言わなくてよろしい。そんで余裕で当たってたわ。おっさんもいつの間にか死なないことを優先してたからな」



 そもそも入団テストの合格条件は「サカキに一撃当てること」。イロハの攻撃が対象指定な時点で一発合格が確約されていたのだ。


 ビギナーズラック、恐るべし。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。