メインクエスト18
ロゼちゃんが帰宅し、宿に一人残ったブサメンは、それからすぐに結界のハッキングに取り掛かった。目に魔力を込め、街の中心に聳え立つ王城、その周りに展開されている結界を凝視する。
魔法の三大原則は、観測、干渉、そして支配だ。手が届かなくともこうして視ることはできる。視るとはつまり、観測だ。観測できるということは、干渉できるということだし、干渉することが可能なら支配することも可能だ。
魔力をこね回し、術式を介して干渉し、結界の構造をつまびらかにする。それができればあとは、結界の効果を書き換えるだけだ。
あ、でもこの結界のセキュリティ、結構厳しい……。いや、それでもブサメンならこの程度……ぬお、こんなところにトラップがっ、ここは、ちょっと脆弱な部分があるな。突き崩すならここか。
脳内に広がっている結界の術式にああだこうだと頭を悩ませながら、ハッキングを続けた。
そして次の日。
太陽が傾きかけた頃。
ブサメンは結界のハッキングに成功した。
宮廷魔法使いが、どれだけの労力をかけてこの結界を完成させ、どれだけの年月アップデートを繰り返してきたのかは知らないが、そのすべては今、ブサメンの前にひれ伏した。
あったま痛い。脳みそフル回転だった。
ともあれ、準備は整った。
(ロゼちゃんもそろそろ来る頃だろうし、タイミング的にはドンピシャだね)
だな。
コンコン。
と、扉がノックされる。噂をすれば、だ。扉を開ければ、そこには予想通り、ロゼちゃんが動きやすい恰好でご登場だ。
「ハッキングは成功した。いつでも行けるぞ」
「はい。こちらも大丈夫です」
オッケー、ならばオペレーション『スニーキング・ロイヤルキャッスル』開始だ!
ブサメンとロゼちゃんに透明化の魔法『幽体天幕』を使う。
背景に溶けるように姿を消したブサメンたちは、宿を出発し、街の中を移動した。
向かう先は、国王陛下がおわすこの国の中心、王城ジグラッド。
ここからでも見える巨大な城だ。白亜の壁に施された水色と黄金の装飾が目に眩しい。この地味な赤銅色の砂漠の中に建っているがゆえに、白が際立ち、水色が清潔感を与えている。尖塔の天辺には玉ねぎみたいなオブジェが乗っていて、市民の間ではあれは宇宙人の船なんかじゃないかと囁かれているとかいないとか。
そんな街のどこにいても見えるほどの城だが、一般人が近づくことはまずない。なぜならば、迂闊に近づけば、見張りの兵士に不審者扱いされて捕まりかねないからだ。それだけ警戒心が強い。
ブサメンたちはドキドキしながら、城門が見えるところまでやって来た。この城門を境に結界が張られている。
「さて、第一関門ですね」
「ああ」
結界の効果はしっかり書き換えたつもりだが、それでも本当に結界に阻まれないのか、兵士に見つからないか、身構えてしまう。
「行くぞ」
緊張の瞬間だ。大丈夫、ブサメンたちは透明だ。
自分に言い聞かせながら、兵士が見張っている前を歩く。兵士に気づかれた様子は、ない。跳ね橋の前まで来た。問題はここからだ。跳ね橋を渡り、そして城門に差し掛かった。
「……」
大きな石造りのアーチを潜り――問題なく通り抜けた。
結界に弾かれることも、兵士に警笛を鳴らされることもなかった。
ふぅ。よしよし。うまくいった。
「さすがですね。まさか本当に王城の結界を誤魔化すとは」
「ふん、当然だ。この俺に不可能は、ない」
あんまり、ない。たぶん。
「ここからは貴様が頼りだ」
「任せてください」
ロゼちゃんに先導してもらって、王城の中に入る。
城内に入るまでにかなりの時間がかかった。庭が広すぎるのだ。
色とりどりの花が咲く庭園を抜け、ようやく城内に入る。
ひっっっろ。豪華ぁ。
頭上には巨大なシャンデリア、足元には金の刺繍が入った赤い絨毯、エントランスには弧を描くように設置されている二つの階段があり、扉がいくつもあってどれに入ればいいのか、ブサメンでは皆目見当もつかない。とりあえずエントランスにシャンデリアを吊り下げるのは王侯貴族の共通の趣味だというのは理解した。
「こっちです」
ロゼちゃんが一階部分で一番大きな扉を開け、その先の廊下を進む。
それにしても、かつていた男爵の屋敷が犬小屋に感じるほどの広さだ。廊下だけ見てもスケールが違う。こんな横に何人も人が並べそうな幅の廊下、必要か?
「イケメンさん、使用人の更衣室はこちらです」
「ああ」
これは、大人しくロゼちゃんについて行かないと、迷子になりそうだ。
そうは思いつつも、ついつい色々と見回してしまう。
しかしあれだな、男爵もそうだったが、どうして金持ちは廊下にいろんな物を飾りたがるんだろう。絵画に、壺に、騎士甲冑に。どれもこれも高そうだ。試しにそこの壺を鑑定魔法で視てみると……。
名前:夜鷹の壺
東の皇国の人間国宝が作った壺。友好の証として清から送られた品。一億ゼニーの価値がある。
ブサメンこれ欲しい。
(駄目だからね)
こんだけあるなら一つくらい持ってってもバレないだろう。
(盗みは駄目だよ……いや、今からしようとしているのがまさに盗みなんだけどさ)
その内返すから大丈夫だよ。
(何が大丈夫なのかわからない)
「着きましたよ」
あ、壺をパクるタイミングを逃した。いつの間にか使用人の更衣室の前まで来ていたようだ。
「ここです。中で使用人の服に着替えてください」
よしきた。
ブサメンは男性更衣室に入り、ロッカーの中を漁った。
ええと。着替え着替え……ああ、これか。
ん? これどうやって着るんだ。あ、こうか。王城の使用人ともなれば給仕服もちょっとゴテゴテしていて着にくいったら。
よーしこれで変装完了、と外に出たら、そこで待っていたロゼちゃんに、顔を顰められた。
え、なに? そんなに似合ってない?
「なんですか、そのネクタイの結び方は。ほら、こっちに来てください。結んであげますから」
ぐい、とネクタイを引っ張って顔を寄せてきたロゼちゃんが、ブサメンのネクタイを結び直してくれた。
お、おおう。顔近い。
「まったく、ネクタイの一つくらい自分で結べないんですか?」
「ふん、平民どころか、孤児の俺がネクタイなんて結んだことあるわけないだろう」
「……はい? 孤児?」
「ああ。俺は孤児だ」
「……そんな、えらっそうな喋り方をしておきながら?」
「そうだ」
「マジですか……てっきり貴族か大商会のボンクラ息子で、勘当されたから冒険者なんてやって工房の建築費用を稼いでいるのかと……」
なんかブサメン、ロゼちゃんの中で勝手に設定を付け足されていたようだ。
それにしても、ふふ、貴族か大商会の御曹司、か。
「ふん。俺の隠しきれない品の良さが出てしまっていたか」
「いえ、野良犬のような貴族だなぁと思っていたんですけど」
「……」
「ほら、結べましたよ」
どーもありがとうございます。
「では、ここから別行動です。浴場の場所は事前に教えた通りです」
「よし。何かあったら念話の魔法で連絡する」
念話の魔法。遠いところにいる人とも話せる電話の魔法だが、残念ながら魔法が使える者同士でしか話すことのできない微妙に使い勝手の悪い魔法だ。つまりロゼちゃんと話すときはこちらからの一方的な報告だけとなる。
「わかりました。では、ご武運を」
「そちらもな。くれぐれも見つかるようなヘマはするなよ」
こうしてブサメンとロゼちゃんは別れた。大浴場は三階にあるらしい。ブサメンは東の階段から、ロゼちゃんは西の階段から向かう手はずになっている。
確か、ロゼちゃんに聞いたところによると、東の階段は中庭を通って噴水が見えてきたらその横にある通路を進んでから……ええと。クロロ―。
(はいはい。僕が覚えてるから大丈夫だよ)
ブサメンは使用人らしく廊下の端っこを早足で歩く。いくつかの扉を潜り、内廊下から外廊下へ。すると、ロゼちゃんの言っていた中庭が見えた。
(すっご。さすが王宮)
これが庭かぁ。
まぁ、噴水があるのは、なんかもう金持ちの代名詞みたいなもんだからいいとして、噴水から流れた水がプールのような大きな水路に流れ込み、その水路の周りをたくさんの色とりどりの花が囲っている様は、絶景としかいいようがない。風景に興味ないブサメンがそう思うのだからよっぽどだ。金かかってる。
(って、あれ、シンクゥ! あっち! 奥の方!)
クロロが脳内で騒ぎ立てるので、何事かと中庭の奥の方に視線をやった。
そこには、何やら煌びやかな一団がいて、誰も彼もが仕立てのいい衣服をまとった人ばかりだ。その一団の中には、使用人らしき人物から、帯剣した騎士らしき姿も混ざっている。彼らに囲まれるようにしてまだ誰かいるようだが、この角度からじゃ見えない。
(っていうか、あの騎士、近衛騎士じゃない?)
なに?
一団の中の帯剣した連中に注目する。白い騎士の制服にシェヘラザード王国の紋章が刺繍された赤いマントを羽織った特徴的な出で立ち。
確かに近衛騎士だ。じゃあもしかして、とその一団の中心にいる人物が見える位置に移動する。なるべく自分の姿は見られたくないので、距離を保ったまま、外廊下の柱の陰に身を潜めながら顔だけ出してそちらを見ると……。
(国王陛下だ)
皺の寄った褐色の肌、色は失いつつも艶のある白い髪、そしてその上には、黄金に輝く王冠。
こんなところで何をしてるんだ。
(執務が終わって、息抜きでもしてるんじゃない? ロゼちゃんも言ってたけど、もうすぐ入浴の時間だろうし)
なら、彼らが移動するタイミングで一緒に動けばいいか。ブサメンは柱に身を隠したまま、王様の様子を伺うことにした。
今のうちにロゼちゃんに連絡しておくか。
(銀髪。聞こえるか。ああ、返事はしなくていいぞ。そちらの声は俺には聞こえんからな。国王を見つけた。中庭だ)
そう報告してからしばらくすると、ロゼちゃんがブサメンと同じようにコソコソしながら中庭が見える外廊下までやって来た。
本来なら彼女は隠れる必要はないんだけど……まぁ、ブサメンに王族ってバレたくないだろうし、家族にも冒険者やってるなんて知らせてない可能性もあるし、というか十中八九知らせてないだろうし。
まぁ、かくれんぼの舞台が自分の家っていうんなら、見つかるようなヘマはしないだろう。
(だね。君は自分の心配をしたほうがいい)
クロロの警告が飛んだ瞬間、まるでタイミングを見計らったかのように、近衛騎士の一人がこちらを振り向いた。
あっぶな! 咄嗟に顔を引っ込ませたおかげでバレなかったようだが、やはり近衛騎士というのはとんでもなく勘がいいらしい。
王様が風呂に行くまでこの状態が続くのか。さっさと宝玉を手に入れて帰りたい。
…………。
………。
……。
で、いつになったら、王様は風呂に行くんだ? さっきからずっと中庭のベンチに座って花を眺めている。
(気のせいかな、目が死んでるような……、口も半開きだし。なんかため息ついてるし)
お疲れのようで……そんなに疲れてるならさっさと風呂入って寝りゃいいのに。
(このまま夜になって城の警備が厳しくなったら、脱出するのも難しいかもね)
だな。仕方ない。王様には悪いけど、強引な手段をとらせてもらおう。
(え、何する気? 国王陛下に万が一にでも怪我させたりしちゃ駄目だよ?)
そんなことはしないよ。あるだろう。こういう時に使える魔法が。
(……そんなのあったっけ?)
ブサメンが魔法学校時代に開発したオリジナルスペル――下痢になる魔法だ!
(……は?)
下痢になる、魔法だ。
(え、なに? まさか国王陛下に下痢魔法でお漏らしさせてお風呂に行かせようって話? あんなに人が周りにいて、娘だってこっそり見てる前で? 鬼畜過ぎない?)
そんなことしないよ。お前の発想の方が鬼畜すぎて怖い。
そうじゃなくて、ほら、あそこに鳥がいるだろう。
と、ブサメンは屋根の上にとまっている小鳥に目を向ける。
(う、うん)
いいか、よく見てろよ?
「耐えがたき苦痛、苦悶の坩堝、決壊の時来たりて慟哭せん――」
(下痢魔法の詠唱とは思えないほどに堅苦しいな)
ブサメンが詠唱している間に、小鳥が飛び立ち、王様の真上を通りかかる。
今だ!!
「世界の崩壊!」
ブサメンは小鳥に魔法を使った。
途端、小鳥は苦悶の表情を浮かべ、飛びながら糞を落とした。
当然、真っ逆さまに落ちていった糞は、真下にいた王様の頭の上にベチャッと広がった。
どうだ!!
(どうだじゃないよ何やってんの!!?)
これで王様は風呂に行かざるを得ない。
(そうかもだけど! ほら、ロゼちゃんの顔見てよ! ぽかんとしちゃってるよ!)
バカみてぇな顔だな。それよりほら、風呂に行くみたいだ。行くぞ!
(い、いつか罰当たるぞ、君)
◇◇◇
そしてブサメンはついに脱衣所への潜入を果たした。王様は現在お風呂中。使用人のふりをして脱衣所に紛れ込んだブサメンは、お目当ての王冠へさりげなく近づく。
さて、あとはコソッと宝玉を抜き取るだけだ。
そう思った時。
「そこの君、これを洗ってきてくれるか」
なんか使用人の中でも偉そうな人にポンと王冠を渡された。そこにはべっちょりと鳥の糞が。鳥の糞が落ちた時に、王冠にも飛び散っていたらしい。
ブサメン的には渡りに船だけど、王冠って下っ端使用人に預けていいもんなのか?
そんな意味を込めて目の前の偉そうな使用人を見るが、つい、と視線を逸らされてしまった。
こ、こいつ、鳥の糞を始末するのが嫌だから他人に押し付けようとしてやがる。いいけどさ……。
そんなわけでブサメンはなんと王冠を脱衣所の外に持ち出すことに成功した。
人気のないところで王冠を綺麗にしていると、ロゼちゃんがものすごい勢いで走ってきた。
「このうんこ野郎! どれだけヤバいことしてるかわかってるんですか!? バレたらぶっ殺されますよ!?」
「うんこ野郎は国王の方だろう。というか、仕方ないだろう。あいつが中々風呂に行かんのだ。のんびり待っていたら日が暮れる」
「ぐ、ぬ……そうかもしれませんけど! 普通偉い人の頭に鳥のフン落とします!?」
「ええい、うるさい! こうして宝玉が手に入ったんだ! もういいだろう! あまり文句を言うようなら貴様の頭の上にも落とすぞ! うんこ女になりたいのか!?」
「お口チャック!」
「よし!」
ロゼちゃんを黙らせたブサメンは、綺麗になった王冠から宝玉を抜き取ろうとした。
だが王冠には宝石がいっぱいついている。どれが件の宝玉だ?
「たぶん、この一番大きい奴だと思います」
「これか」
ブサメンは一際大きいエメラルドグリーンの宝石を抜き取ると、あらかじめ用意していた代わりの宝石を、魔法で加工して埋め込んだ。
「これでよし。あとはこの王冠を返して、こことはおさらばだ」
「あと一息ですね。じゃあ、私は別ルートで出口に向かいます。宿屋で落ち合いましょう」
「ああ」
ブサメンは宝玉を懐にしまい、王冠を持って脱衣所へ戻った。そこで待機していた侍従に王冠を返し、そそくさと脱衣所を出る。今のところバレた様子はない。
あとは帰るだけ。こんなところ早くおさらばだ。
その時のブサメンは、気が逸って無意識に早歩きになっていたのか、あるいは周囲の様子を伺いすぎたのか。少し、挙動不審だったのかもしれない。
「そこのお前、何をしている?」
後ろから声をかけられた。
ひえ! おい、なんだよ。急に声をかけるなよ。驚くだろうが!
声をかけるときは、「今から声を掛けますが、大丈夫ですか?」って訊いてからにしろよ!
(でもそれって、結局その声でビビるわけだから意味ないんじゃ?)
じゃあ、その前にさらに「今あなたの後ろにいます」って自分の存在を主張しろよ!
(それ無限ループするやつじゃん)
「聞いているのか、そこのお前」
男の声だった。随分と低く、なんというか、迫力のある声だ。
「……何か?」
「こちらを向け。顔を見せろ」
どうしよう。身元照会とかされたら、一発で不法侵入者だとバレる。絶対に振り向きたくない。
「……どうした。こちらを向けと、私は言ったぞ」
男の声に、威圧感が混じる。
じっとりと、嫌な汗が浮かぶ。
これは……たぶん、もう駄目だな。
クロロ、今のうちに詠唱しとけ。
(はぁ、まったく……了解)
「もう一度だけ言う。こちらを向け。ゆっくりとな」
「遠慮しておこう。シャイなものでな」
その物言いに、相手がイラっとしたのが、なんとなく気配でわかった。
「では、仕方がない。お前は今から不審者とみなす」
キィン、と澄み渡った音がした。
たぶん、剣を抜いたな。
背後にいる男が刃物を抜くというホラー映画ばりの恐怖感。
最高だな、まったく。
しゃーなしだ、クロロ!
ブサメンが合図を出すと同時、ボフ、と白い煙が発生した。
クロロが用意していた煙幕魔法を発動させ、廊下に白い煙を充満させたのだ。
このままおさらばしようと煙の中を走り始める。
だが。
「我が剣の錆にしてやる」
男が呟くと同時、ゴウ、と音がして炎が巻き起こり、その熱風で煙がまき散らされてしまった。
なんなんだ一体!?
ブサメンは、熱風に軽く体をあぶられながら、廊下に飾ってあった騎士甲冑の兜をもぎ取って自分の頭に被せた。これで顔は隠せる。
と、そこで振り返り、初めて男の顔を確認した。
野性味のある大男だ。鎧は身に着けておらず、白い騎士服に赤いマントという、先程見た近衛騎士の出で立ち。その軍服のような騎士の制服の胸元には、たくさんの勲章のバッジが縫い付けられており、こちらを威圧するように輝いていた。それ等の勲章は踏んできた場数の多さであり、斬り倒してきた強敵の首の数でもある。
そして、右手には炎を纏う片刃の大剣が握られていた。
炎を生み出す魔剣を持った近衛騎士。
知っている。ブサメンでさえ、この出で立ちの騎士の名を知っている。
この国で最も重要な存在を守る騎士団の長。この国の軍事力の頂点であり、その戦闘力は異常の一言。
数年前にあった魔獣の大侵攻において、たった一人で何百という魔獣を屠った豪傑。その名は、カルナ・シャディク。シェヘラザード王国近衛騎士団長である。
Tips カルナ・シャディク
シェヘラザード王国の近衛騎士団、団長。
十年ほど前に起こった魔獣の大侵攻を食い止めた人物。幾百もの魔獣を一人で討った豪傑。当時の彼は騎士団長でもなんでもない一介の騎士であった。彼の所属する騎士団に魔獣大侵攻を阻止する命令が下ったことがすべての始まり。騎士団は大量の魔獣が蠢く砂漠に突入し、激戦を繰り広げた。一匹一匹が強力なうえ、魔獣すべてを討伐するまで帰ってくるなと命令されていた騎士団は、一匹倒せばまた次の魔獣を倒し、それを倒せば次の魔獣を戦い、と連戦を重ねていた。騎士団員が次々と倒れる中、ついには当時の騎士団長が戦死し、生き残りはカルナのみとなった。彼は騎士団長が使っていた『不死鳥の大剣』を手に取り、一人で魔獣と戦い続けた。そしてすべての魔獣を、一人で、途中、一度も町に帰ることなく、殲滅してみせた。




