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ドライブ2

「御室の八十八カ所霊場廻り」

「ハァ、何それ?」

「四国八十八カ所を写した札所を二時間ぐらいでお遍路が出来て一番高い所は二百三十六メートルあり市内が一望できる場所」

「四国の八十八カ所を一日でお遍路出来るなんて、えらいズボラなお遍路さんね」

「そこが石塚にはピッタリだと思う、それにハイキングで登る人もいるから丁度いいんじゃない」

「それを澤村さんが勧めたの?」

 石塚は芦生の原生林の森を歩いて、自分の足で踏み締めて巡る楽しみを味わえたと告白した。そこで御室の八十八カ所巡りは、澤村さんが思いついて提案した。しかし御室は花見で行く所だと言われて、じゃあ箕面《みのう》の森を勧めた。阪急箕面駅から四百四十メートルの箕面山に登るコース。このコースはなんせ箕面大滝まで売店やお手洗いが充実して登山をしない人でも快適に行ける。登山道で急な所は階段になって登り易い。駅まで往復三時間ほどだ。しかし標高差二百メートルの差で御室に決まった。ハイキングコースの難易度に関係なく山の高さで決めるところが滑稽だ。これには沙苗さんも、祐司らしいと思わず笑ってしまった。

「じゃあ今頃は登っているのかしら?」

「まだだろう。多分、京都駅で待ち合わせてバスで御室へ向かってる頃でしょう」

 そこまで決まってるのに、あたしには黙ってるのが気に食わないようだ。

 車は市内から左に曲がった。どうやら滋賀県に向かっている。

「二人は電車とバスで行くか、それも良いわね」

 沙苗さんの運転振りを見ると中々板に付いてる。家族は弟を除けばみんな直ぐに免許を取った。母までうちに来てから車の免許を取った。弟だけはご覧の通り免許処か車を運転するのがそもそも性に合わない。窓からこのスピードに浸るのは好いが、自らハンドルを握って車窓を眺める余裕はもちあわせてない。沙苗さんに云われてみれば日頃の石塚を見れば十分納得できる。


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