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ある神官の成長日誌 〜ジュール編〜  作者: くらま
1.知識を蓄えろ。
5/6

ある神官の成長日誌 〜ジュール編〜 05

「で、筋肉と神経の修復に移行する。外からは見えませんでしたが、神経の修復は、繊細な作業なのでしょうね?」

「あれは、ワシでも緊張する作業じゃ」

 ガロンは、自らの指先を見ながら、しみじみと呟いた。

「細工師として、腕を上げていて、本当に良かったと思うぞ」

「細工師? どういうことです?」

 ガロンは苦笑しながら、続けた。

「理屈はわからんが、あの分割回復魔法(ヒール)、種族差のみならず、器用さにも左右されるでな。同じドワーフでも、癒やしの光の太さには、驚くほど差がある」

 ガロンの発言に、バルナスは目をむいた。

「神聖魔法を研究して記された書物のどこにも、ガロン師の証言は、載っていませんでしたよ?!」


「見せたほうが早いかの?」

 ガロンが答えた。


「その前に、おさらいじゃ。ジュール、創世神話は知っておるか?」

「創世神話ですか?」

 ジュールは答えた。

「“偉大なるひとつ”もしくは“万物の始祖”と呼ばれた巨人が死に、この世界が始まった……」

「そう。それじゃ。ワシら神官(プリースト)は、神様から御力を借りられなければ、ただの人じゃからの? そもそも、神様というのはだな……」

 ガロンの長い話が始まった。

 ジュールは、両手を太ももの上に置き、真剣な表情で聞いている。


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