ある神官の成長日誌 〜ジュール編〜 06 幕間:1.神話の時代
1.神話の時代
世界には最初、巨人がただ独りで存在していた。“偉大なるひとつ”もしくは“万物の始祖”と呼ばれた巨人が死に、この世界が始まった。
その肉体は大地となり、最後に吐いた息は風となり、そして全身から流れ出た血は海となった。
そして巨人が孤独を悲しみ、憤る心は炎となって世界 に熱と生命をもたらした。
この炎の中から神々が生まれ、巨人の体毛からは植物が、鱗からはドラゴンたちが生まれ出た。
神々は世界を3つに分けた。
世界にあふれていた力を分化して創った“精霊界”。
肉体を持つ者たちが住む“物質界”。
2つの異質な世界を結ぶ“妖精界”。
そして、精霊、妖精、動物、植物といった生命体をそれぞれの世界に創造し、これらの助けを借りてそれぞれの世界を完成させていった。
神の手によって生み出されたものたちを古代種族と呼び、現在の世界に存在している種族よりも、遥かに優れた能力を持っていた。古代種族の殆どは現在では滅んでいる。
創世の時代の後に訪れたのは、争いの時代。
些細な相違に端を発した争いの火種が大きく燃え上がり、ついには光と闇の勢力に別れて、すべての古代種族が参加した最終戦争が起こった。
神々の大戦と呼ばれる最終戦争により、神々は肉体を失った。
物質界に直接介入する手段を失い、精神的な存在と成り果てたのだ。
かくして、神々の時代は幕を下ろした。
ジュールの脳内メモ。
“神様は、炎から生まれた。熱く……なかったのでしょうか?”
“戦いは……悲しいことです”




