ある神官の成長日誌 〜ジュール編〜 34
ジュールは、胸の前で手を組んだ。目を閉じる。
心のなかで、大地母神に祈った。
“大地母神様、御力をお貸しください。気合弾の魔法 1発分の御力を、右拳に半分、左拳に半分、お貸しください”
《さっきと同じね?》
大地母神の声には、隠しきれないワクワク感があった。
“ここまでは……同じです”
ジュールは、あくまでもフラットだった。
“左右の拳の、発動トリガーを……変えたいです。
お願いできますか?”
《!!!》
大地母神は、吃驚した様子だった。
《やってあげます》
ジュールの脳裏には、ニヤリと笑う大地母神のイメージが流れ込んできた。
《発動トリガーは?》
一転して、真面目な口調。
“右拳が……C。左拳が……Db。これで、お願い致します”
《1発分を、右拳と左拳に、半分ずつ。右拳が、C。左拳が、Db》
大地母神は、心配そうな口調で続けた。
《あまり長時間……待機させては、なりません。貴女の負担が、大きすぎます》
“ご心配、ありがとうございます”
ジュールは、あくまでもフラットだった。
《ジュール。いっしょに……当てよう》
大地母神が、拳を突き出すイメージを送ってきた。
“はい! 当てましょう!!”
ジュールは、コツンと拳を当てるイメージを送った。
笑い合うイメージの中、ジュールの祈りが完成する。
ジュールはゆっくりと目を開けた。組んでいた手を開く。
“今度も……両手の拳が、淡く光っています”
両手を握る。




