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ある神官の成長日誌 〜ジュール編〜  作者: くらま
3.ヒール、魔改造プラン?!
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ある神官の成長日誌 〜ジュール編〜 27

「次に、患部を切り開かなくても、見えるようにする方法だが……経験不足という免罪符がある。見ないと、怖くて治せない……とでも言わせれば、完璧じゃ」

「確かに、スジは通るな……」


「で、ワシの場合じゃ。こっちはもっと簡単じゃな。ジュールへの教導……で押し切るつもりじゃ」

「………………」

 レイブンは暫し絶句していた。ややあって……。

「脳筋すぎるだろ……」


「秘密の漏洩、心配しなくて良いのじゃぞ。脳筋、万々歳であろ?」

 ガロンは満面の笑みを浮かべていた。


「現場で秘密漏洩の危険が無さそうなのは分かった。神殿の上の方は?」

「そちらは、僕がなんとかします」

 バルナスが話に入ってきた。ガロンに輪をかけて、悪い顔をしていた。


「うっわー。魔王だ。魔王がいるぞー」

 レイブンは嬉しそうだ。

「魔王様、私(わたくし)たちを、お導き下さい」

 ジュールもノリノリである。


「任せておきたまえ」

 バルナスはふんぞり返った。


「冗談はさておき……」

 レイブンが真面目にもどった。

「どういう悪だくみをするつもりだ?」

「治療件数を増やして、神殿に利益を与えます。で、利益を現場に還元します」

「バルナスらしい、解決方法だな。具体的には?」

「現場の神官(プリースト)の献身により、今までよりも多くの患者の治療ができたことにします。そのうえで、現場の神官(プリースト)に特別賞与(ボーナス)を払うように、交渉します」

「あくまで、現場が頑張った……ってことにするのか?!」

「そうです。ここで釘を刺しておきますけどね。頑張ったのは技術だけじゃなくて、根性なんだと」

「根性で頑張ってる……ってことにして、誤魔化すのか!」


 レイブンは、大きくため息をついた。

「ガロンのおっさんと、バルナス。お前らを組ませちゃいけねぇのが、良くわかった」

 表情こそ苦笑を浮かべていたが、先ほどのようなピリピリした様子は、影を潜めていた。



「そうなると、オレは治療担当じゃない戦神の神官(プリースト・ノドレイ)と、模擬戦でもやってるぞ」

「真剣を使って、ガンガン模擬戦をやってくれれば……それで良いぞ。怪我人が増えるのは、大歓迎じゃ」

 ガロンの言葉に、レイブンはニヤリと笑った。

「鍛錬としては、最上級じゃねぇか」 

 常識枠の顔をしていたが、この男も、なにかおかしい。


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