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ある神官の成長日誌 〜ジュール編〜  作者: くらま
3.ヒール、魔改造プラン?!
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ある神官の成長日誌 〜ジュール編〜 26

「次に、お主が神殿で回復魔法(ヒール)を実践しているという……宣伝効果じゃ。治療を頼みにくる患者が、右肩上がりに跳ね上がるぞ」

「診てもらうなら、おっさんよりも、若くて美人の聖女様の方がいいもんな……」

 レイブンの言葉は、世の男性の声を代弁していた。


「で、ここまでくるとな。いくら呑気な大地母神(ニスシャ)様の使徒達も、お主の価値に気づいて、囲い込みに入るぞ」

「それは……困ります」

 ジュールの眉が、へにょんと落ちた。


「私(わたくし)は、バルナス様のメイドですから」

 胸をはって言い切る姿が、愛らしい。バルナスは、思わずジュールの頭を撫でていた。

「いつも、ありがとう」

 ジュールは、恥ずかしそうに笑った。

「勿体ないお言葉です」




「回復魔法(ヒール)……分割版の教導ってことで、押し切るってことだな?」

 レイブンが尋ねた。

「そうじゃ」

 ガロンが答える。ガロンは悪い顔をしてみせた。

「仮定の検証は、どさくさに紛れて行うつもりじゃ」

「うっわー。ガロンのおっさん、めちゃくちゃ悪い顔してるぞ」

 レイブンは嬉しそうだ。


 次の瞬間、表情を引き締めた。

「どさくさ紛れは、良いけどさ。秘密の漏洩は、大丈夫なのか?」

 レイブンはさらに真剣な表情になった。

「口にしない……つもりなんだろうけど、目の前で見せるんだろ? 若い神官(プリースト)に、盗まれないか?」

 ガロンは慌てず、騒がず、こう答えた。

「秘密の漏洩については、問題なかろ」


「そう言い切る根拠は?」

「戦神の神官(プリースト・ノドレイ)は、ワシも含めて考え方が戦士に近いからの。目的のためには、手段は選ばん。また、脳筋がそろっておる」

「まあ、それはなんとなく分かる。それと、秘密の漏洩が、どう繋がるんだ?」


「ワシやジュールが、神への祈りの言葉の簡略化や、患部を切り開かなくても、見えるようにする方法を使っておったとする」

「仮定の検証だからな」


「まずは、ジュールの場合じゃな。神への祈りの言葉の簡略化は、出自という免罪符がある。教義をよく知らないから、祈りの言葉をよく知らない……と誤魔化せる」

「誤魔化されて……くれるのか?」

「間違いなくの」


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