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ある神官の成長日誌 〜ジュール編〜  作者: くらま
3.ヒール、魔改造プラン?!
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ある神官の成長日誌 〜ジュール編〜 24

「最初の仮定で、治療時間が半分になる。その状態で、次の仮定を実行したとしたら?」

「もしかして……」

 レイブンが続けた。

「脳が焼き切れる前に、治療が完了する?」

「何も問題が発生しなければ……の」

「それって……何かトラブルが発生したら、術者が死ぬじゃねぇか……」

 レイブンは嫌そうな顔をしていた。


「いいか、ジュールよ」

 ガロンが真剣な表情でジュールを見た。

「はい」

 ジュールも真剣だ。

「この2つの仮定。ワシら以外に話してはならんぞ。特に、最初の仮定に関しては、絶対にならん。よいな?」

「肝に銘じます」


「この仮定のなにが危険度が高い(ヤバイ)か、補足しますね……」

 バルナスが会話に入ってきた。


「まずは、最初の仮定。神への祈りの言葉の簡略化……。これが公表されると、神殿からの反発が、ものすごく高くなります」

「なんでだよ? 治療時間が半分になるんだろ?」

 レイブンの疑問も最もだ。バルナスが説明を続ける。

「多くの神官(プリースト)にとって、祈りの言葉は絶対ですから。改変なんて、誰も考えません」


「世の中には、狂信者もいるでの。狂信者にとって、祈りの言葉の改変は……神への冒涜、そのものじゃ」

 ガロンは大きくため息をついた。

「特に、至高神(ヴェリスラー)様の信徒には……狂信者が多い」


「神殿の経営的には、この仮定は喉から手が出るほど欲しいはずです。でも、信徒の反発を考えると、表立っては受け入れられない」

 バルナスは、ため息をついた。

「経営よりも、権威とか前例とかを取る神殿が多くなるでしょうから……ジュールは間違いなく排斥されます」

「馬鹿じゃないのか(ばかじゃねぇの)? 利益よりも面子をとるのかよ?!」

 レイブンの言葉は、彼らの内心を反映していた。


「で、2番目の仮定。患部を切り開かなくても、見えるようにする方法。神聖魔法を使いながら、脳内で患部の詳細を想像する……方法ですね。これが公表されると、神官(プリースト)が摺りつぶされます」

「!!!」

 レイブンは絶句していた。

「絶対に後遺症を残したくない貴族とか、大金持ちとかの治療に、駆け出しの神官(プリースト)が繰り出される未来しか……浮かびません」

「若い神官(プリースト)なら、死んでも惜しくないってか?」

 レイブンは憤っていた。


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