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ある神官の成長日誌 〜ジュール編〜  作者: くらま
2.分割ヒールを、ものにしろ。
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ある神官の成長日誌 〜ジュール編〜 12

「???」

 ジュールはキョトトンとしていた。

「ガロン様。それは、当たり前のことでは? お茶は美味しく淹れたいですから」

 ガロンは苦笑を浮かべた。

「当たり前では……無いぞ。現に、ワシやレイブンが茶を淹れると、毎回味が違うからの」

「茶って、そういうモンじゃねえのか?」

 レイブンが混ぜっ返す。

「レイブン。そういうものでは、無いようですよ?」

 バルナスだ。

「ジュールのお茶が、安定しているのは、僕も気がついていました。彼女の技術と思っていましたが、器用さも影響しているのですね」

「おそらく……な。この娘の場合、技術を器用さで増幅しているようにしか、見えんの」


「なんつう力技だよ……」

 レイブンのボヤキが、夜の静寂に溶けていく。


「無自覚な力技じゃ」

 ガロンの呟きを引き連れて。




 そんなジュールを見ていたバルナスは、こう思った。

“少し、視野狭窄になっていますね。これは……荒療治が必要ですか、ね?”

 バルナスがジュールを抱き寄せ、頭を撫でた。


「ジュールは、頑張り屋さんですね」

「バ、バルナス様っ?!」

 ジュールは、突然の主人の行動に、ひっくり返った声をあげた。彼女の耳が、赤くなって行く。

「ジュール。よく聞いて下さい」

 バルナスは、ジュールの目を見ながら、続けた。

「頑張りすぎては、いけませんよ」

「は、はひ……」

 ジュールの目は、グルグルしていた。

「特に、魔法の練習をするときは、頑張りすぎては絶対にダメです。神に力を借りる神官の魔法も、制御するのは術者ですからね?」

「わ、わかりました! わかりましたから、離して下さい! 恥ずかしいです……」




「相変わらず、偏愛じゃのう」

「あれが噂の、ラブラブってヤツだな」

 ガロンとレイブンは、バカップルのいちゃいちゃを、覚めた目で見ていた。


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