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よだかの星

深夜3時。

亜里沙は夜鷹を伴って都内のラブホテルへ。

酔いもあるだろうが⸺その頬は期待で紅潮している。

部屋につくなり亜里沙は夜鷹の首に手を回しキスをせがむ。

舌と舌が絡み淫らな水音を立てる。

ようやく唇が離れた頃夜鷹は極めて事務的に一言。

「さっさとシャワーあびてこい。いつものやるんだろ?」


亜里沙がシャワーから出ると夜鷹はベッドに横になり亜里沙を誘う。そして少々強引に亜里沙のガウンを剥ぎ取ると、

「…いくぞ。」

と一言だけ言って、そのあらわになった豊かな胸に口づけを落としてゆく。

「あぅ…!夜鷹…そこじゃなくて…」

切なげに亜里沙は身をよじるが、夜鷹はその2つのピンク色には決して触れない。ギリギリ、際のところを唇で愛撫してゆく。

亜里沙の吐息が荒くなり、爪先に力が入る。

「頃合いだな」

夜鷹は短くそう言うと。先程から切なく腫れているそこに一気にむしゃぶりついた。


「⸺あッ…!んんッ…!夜鷹ぁ…!!」

亜里沙の背が弓なりに反り、絶頂を示す。

まだ荒い呼吸の中、亜里沙は夜鷹のズボンを脱がそうとするがその手は哀れにも払いのけられた。

「ウチは本番禁止。何回言えば理解する?」

冷たく言い放つ夜鷹に亜里沙は涙目で縋りつく。

「だってぇ…こんなの生殺しじゃない…もっと深いところまで来てほしいのに…」

そんな亜里沙を夜鷹はチラリと見るとイミテーションのピアスを外した耳元で囁く。

「そんなに男が欲しいなら女風にでも行くんだな。」

そしてそのままその耳に舌を入れていく。

つぷり、と音を立てて侵入してきた舌がグジュグジュという淫靡な音を立てる。それが亜里沙の脳髄にまで響き渡り頭の中まで犯されているような感覚に陥る。

「んんん…ッ!!」

亜里沙はそのまま失神するように2度目の絶頂を迎えた。


亜里沙が眠りについたのを確認すると夜鷹はスマートフォンを取り出し顧客リストを眺める。そして亜里沙の欄をタップするとそこには⸺丸い鼻に重たい一重まぶた。そしてなによりも今のスレンダーさからは想像もつかないほどに肥えた地味な女が映されていた。

夜鷹は目の縁に涙を湛えたまま眠る亜里沙を見やる。

ぱっちりとした二重。スッと通った鼻先。そして極限まで肉を削ぎ落とした顎。

「見た目がどうであれ依頼はこなすのに…どれだけ金を注ぎ込んだんだか…」

夜鷹が呆れたようにひとりごちる。


そういえばあの遊美とか言う女⸺鵺とメスの香りがした女はまだ垢抜けない感じはあるものの、美醜で言えば美しい部類に入る。そんなことを考えながら再び夜鷹は眠る亜里沙を見つめた。

「商売とはいえ、心は痛むんだよ…。出会った頃のお前はただ純粋に眠りと愛を必要としていたのに…。」

そう呟きながら夜鷹は亜里沙の涙を拭う。

と、夢と現実の間にいた亜里沙がその指を軽く食む。

「夜鷹…抱いてよ…。アタシ…なんのために…」

ホテルの薄暗い照明が亜里沙の顔を照らす。

渇望の余り堕ちて行った女。

夜鷹はしばらくその指を亜里沙に食まれるままにして、その寝顔を見つめていた。

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