魔獣退治
ここは東京のとある場所にあるコンビニ、そこのバックヤードで俺はとある文を受け取っていた。
(全く……めんどくせぇ……)
俺はいない間のカモフラージュにゴーレム「アルファ」を作り、そして魔術で着替えた。
紺色を基調とした和式の服を重ねた服装の上に薄く、フードのついた長い上着を着ている魔術師の伝統的な道着だ。
そして黒い手袋をした。
「行こうか……」
俺は空間魔術を使ってゲートを作り、それを通るとさっきまであったコンビニのバックヤードの景色は消え、巨大な異形の生物と魔術師が殺し合う凄惨な戦場に変わった。
「ウオォォォォォォォォオ!!」
魔獣は狼のような姿だが明らかにデカすぎる。
(体高50メートル……突然変異じゃなさそうだな)
するとその魔獣が咆哮と共に高エネルギーの砲撃を頭上に放った。
その瞬間、どんよりとした雲しかなかったはずの空にヒビが入ったのだ。
「ま、まずい!」「結界が破られるぞ!」
周りの魔術師達が動揺し、なんとか結界の補修を試みている。
「はぁ……全く……」
俺は印を結ぶと地面に手を置いた。その瞬間、地面から魔獣を縛り上げる鎖が出現し、魔獣の動きを止めた。
「こ、これは……」「グランドマスターだ!」「グランドマスター殿が来てくれたぞ!」
グランドマスター。それがこの場にいる時の、俺の名だ。
「グランドマスター殿、よくぞ応援に来ていただきまし……え?」
俺は駆け寄ってきた男の言葉を遮った。
「今そんなこと言ってる暇はないだろう? マスター・ラクロス殿。あなたも結界の補修に向かってください」
そして彼を補修に向かわせた。
「さぁて……やりますかね……」
そうして魔獣に向かって歩き始めると3人の魔術師が駆け寄ってきた。
「グランドマスター殿!」「私たちに!」「何かお手伝いさせてください!」
赤、黄、青のローブを身につけた3人の少年たちだ。
「君達は……確かローズ家の者だったね。お父様には世話になったよ」
ローズ家。白魔術を扱う伝統的な家系であり、かの大魔法使いマーリンの親族だともされている。
「はい! 是非とも貴方様に助力したく思い……どうかお願いします!」
彼らが頭を下げるが、あいにく手を借りる気はない。
「ならば一つ問おう。魔術師の掟三つ、それぞれ聴こえるように誦じたまえ」
そう言った瞬間、魔獣の拘束が解け、その爪が大地を穿った。
「早めにな」
俺はそれだけ言うと魔術の足場を出現させて魔獣の注意を引く。
「掟その一は?」
俺が聞いた瞬間、魔獣が大量の光弾を放ち俺を狙ってくる!
「ひ、一つ! 常に高潔であれ! 高潔な心なき者は魔術師にあらず!」
俺はそれを聞きながら魔獣の前足に降りた。
「良し、次!」
「グォォォオ!!」
魔獣は反対の前足を振り上げ、俺を叩き潰そうとしてくる!
「甘い」
俺はそれを躱し、また奴の足を拘束した。
「ふ、二つ! 歴史を守る影となれ! 自我を出す事は世界に楯突くと同じ愚行なり!」
「良い感じだ。最後!」
その瞬間、魔獣があの砲撃を俺に放とうとしてくる。
「あ、危ない!」
その時、3人が俺を助けようと動き出すが俺はそれを止めた。
「ちょっと待てよ、良いところなんだ」
俺は透明な魔術障壁でそれを簡単に防ぐ。
「最後は?」
「三つ! 悪の道に堕ちてはならぬ! 堕ちた者、魔術界より永久追放とす!」
「……正解……」
その瞬間! 魔獣の拘束が全て解け、俺に猛然と飛びかかってきた!
「そこでオマケに、俺から四つ目の掟を教えよう……」
奴の牙と爪が俺に届く寸前……。
―カッ!―
俺の指が鳴る。そして奴の四肢が捻り潰れる!
「なっ……」「え?」「嘘……」
3人はただ茫然としていた。
「いかなる時も、強くあれ。弱き者には、虫一匹も守る資格なし……」
そして低い声でそう言い放った。
「大人しくしてな」
尚も暴れようとする魔獣の口を鎖でガッチリ固定する。
そうして魔獣は無事に退治された。
さて、いかがでしたでしょうか?
今回は魔獣退治! グランドマスターともなれば楽勝でしたね。
それにしてもこの魔獣、一体どこから出てきたのでしょうかね……気になります。
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次回も楽しみに。




