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目的
暗い。
けれど、目指す先は見えている。
この暗さの奥にあるもの。
この都市は、遺構の上に張り付いている。
崩れかけた過去の残滓の上に立っている。
――――表層は。
深部は、しっかりと生きている。
ただ——待っている。
ずっと。命令を。
外からの更新。
新しい指示。
状況の変化。
入力が来るのを、ずっと待っている。
でも、来ない。
正規の住民が、誰も届かないからだ。
表層のセーフティはおそらく独立している。
現在の住民はほぼ不法移民扱いとなっている。
閉じた構造。
中に、「市民」が入れない。
入れないから、命令も来ない。
命令が来ないから、動かない、更新もされない。
ずっと、そのまま。
地下の回路。
繋がっている。
けれど、その先は——大きな空白がある。
正確には、何もないように見えるだけで。
本当は、待っている。
誰かが触るのを。
正しく、触るのを。
外から来たもの。
内側の鍵。
その両方が揃うのを。
だから、開いた。
開きたがっていたのだ。
自分に。
数%にすぎない数字で充分であった。
深層。
中継。
核。
その先。
何があるのかは、知らない。
どうなるのかも、分からない。
ただ。
見たい。
更新されたら、どうなるのか。
止まっていたものが動いたら、何が起きるのか。
壊れるかもしれない。
全部。
都市も。
人も。
ただの、確認だ。
結果が、見たい。
それだけだ。




