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第十七話 「分かった口を聞かないで」

愛川お前・・お前がまさかそんな威勢よくケンカを売った藤宮をかばうなんて・・。

いや、凄い言い過ぎなところもあるとはいえ、あの愛川が・・。


「おいおい嬢ちゃん、俺の目の前に立たれると邪魔なんだがなぁ?」


「ええ、邪魔しているんです、貴方が集団で罪も無い女の子によってたかってイジメる様に私もそれ相応の対応をしているまでです」


「罪も無い?!そいつは俺達に向かって理解力の無い馬鹿だの、この学校に相応しくないだの言いたい事言いまくってたんだぞッ!」


あいも変わらずやっぱりそういう余計な指摘を・・。

藤宮らしいトラブルの巻き込まれ方だ。

愛川はこれに対して感情の揺らぎは特には感じられないが。

さて、どう対処する気だ?


「そうなんですか?藤宮先輩」


「えっ?・・まあ、確かに誹謗中傷的な言葉を述べたかもしれませんわね・・けれども・・けれどもですよ・・生徒会は無意味だとか・・事実頑張って学校の為に努力をして・・支えている人間に対してあまりにも失礼だと思うんですッ!」


「事実なんの役にも立ててねぇからそういってんだろうがよ・・この前なんかなんつってたかな・・『イジメは皆様のおかげで着実に減っておりますぅ?』だったか?実に無能らしい無能なお言葉で全く反吐が出るぜッ!」


「な、なんでっすてぇぇッ!?」


今、この少し離れた距離からでもそのあざ笑い馬鹿にする態度は見えた。

その口から出て来たあの時の事も俺は良く知っている。

山田が生徒会議で校長に言われた【生徒を敵に回さない言葉】の事だ。

あの学年集会での生徒会の言葉がそのような言葉になったのか俺は知っている。

山田は校長の威圧で本当に言いたい事を言えなかった。

山田自身もそれに逆らう事を恐れていた。

色々考えた結果があの様な言葉を山田の口から出してしまった。

そうだ、確かに俺ら生徒会は無能の集りだろう。

イジメを無くせても無いと言うのに減ったとデマを言う。

何も力になれてやれないのに生徒会に任せろと強く出てしまう。

結局は自分達もこの学園に残りたいが為に上にこびへつらう犬かもしれない。

それでも、俺はあの場所を・・生徒会を・・誇りある組織だと思っている。

出来る限りの範囲で生徒をバックアップし、困った時には誰かの力になってやる。

間違っていると思った行為に指摘をし改善していく。

そうやって山田と俺はこの三年間で本当に本当に数少ない生徒だが。

イジメは確実に減らしてきた、小さな悪事を働く者も踏みとどまらせた。

だからこそだ。

それを馬鹿にする奴もそれを信じて応援してくれる人間に対して馬鹿にする奴も。


俺は・・。


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