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第十五話 「それって恋の病?」

英語の時間も過ぎ去り、3時の太陽が見える放課後の校舎。

掃除も終われば部活へ行く者、次のテストへ向けてさらに勉学に励む者。

俺はこれといって部活に入ってはいないので。

生徒会の集会が無い限り特に放課後は残らない。

というわけで鞄を持ったら即座に帰宅が普通なんだが。

今回は俺にはよらなければいけないところが一つだけ存在する。

それは学園のここ七大スゲェぞの1つ【保健棟】である。

この学校は設立当初から中高一貫校であるため、それなりに怪我人も絶えない。

主な理由は【喧嘩】【事故】【藤宮】な為、それ以外にも【風邪】になった者。

治療患者も時には絶えない為、いっぺんに多くの人達を見なければならない。

そんな時作られたのがこの棟である。

見た目はまるで小さな病院程度なのだが設備はしっかりしている為問題は無し。

この保健室としてはでかい建物に大体いつも数名の職員がいる。

そして中でも保険室管理者。

あるいは責任者ともいえる人物こそ。

早乙女(さおとめ) 明日香(あすか)】先生である。

髪は地毛の茶色からグラデーションがかかっており、ロングヘアー並の髪形。

白いセーターの様な服に上から灰色のショールを羽織る。

黒いロングスカートで確実に露出を避けている。

目はなんだかいつも半開きの様な感じしかしない。

にっこりと笑い微笑んではいるのだが、なんだかのほほんとしすぎていて感じ取りにくい。

しかし話して見れば普通の人なので大してかしこまる必要はない。

いつぞやの英語の時間のマリア先生の様に普通に接していればいいんだ。


特に意気込む事も無くふと気づけばもう明日香先生のいる部屋だ。

意外と早くついてしまった。


「失礼します、明日香先生いますか?」


「あら!柳原君いらっしゃい!」


部屋には椅子に座って机で熱心に何かを書いていた様な様子の明日香先生がいた。

こちらに気づくと手を合わせていつも通りニッコリとこちらを向いて。

元気な声で返事をくれた。


「明日香先生、今よろしいでしょうか?」


「ええ!ちょうど検査調査終わったところだから相談でも診断でもなんでも言ってちょうだい!」


「ではお言葉に甘えて・・」


明日香先生は頼りになるいい先生だ。

医学なら不安なことは一切ない、元一流の医師とも言われていたらしい。

そんな先生が何故いまここにいるのかは不思議だが。

何はともあれはみんなその腕を当てにしてこの保健棟を訪れる者は後を絶たない。

俺もそのうちの1人だ。


だが、ある一点だけ欠点が存在する。

今から会話するからよく聞いてほしいと思う。


「実は悩みがありまして・・この前から頭痛が痛くて・・」


「うんうん・・恋に悩みがあるのね!」


「鼓動がとても激しくなる事もあって・・」


「ええ・・分かるわよ・・恋の相談ね!」


「そして胃がとても痛くなる事も・・」


「やっぱり恋の病じゃない!誰が好きなの!?先生なら力になるわよ!」


「先生、最後のはどう考えてもストレス性の胃腸だと僕は思います!!」


それはこの保健室の担当が恋に関して馬鹿みたいに興味がある事である。


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