第百七話「彷徨う答え」
時はまた変わって職員室では。
『予期せぬ発言』によって事の全てが動き出していたのだった。
「・・理事長もう一度発言してください・・空耳かもしませんが・・俺には『堕舞黒』はこのままにしておく・・なんて聞こえたんだが?」
「そのまんまの意味だ」
「ふざけるなッ!!何かの間違いだろ!?」
「理事長ッ!それでは流石にこの学園の崩壊に繋がります!!せめて説得の1つや二つッ!」
当然、こんな意味不明な回答に納得するはずのない鬼瓦とディートリッヒ。
だが、それでも内藤理事長はこの考えを曲げない。
「決定事項・・今更変える事はできない」
「ソ、ソンナノアンマリデースヨ!」
「決まった事だ、これ以上に私から言える事はない・・全員余計な真似は控えていただこう」
「あんたな・・」
「皆さん、しつこい・・ですよ?」
「ッ?!渡辺ェ・・」
マリア先生や他の先生が納得しない中。
ただ、いつものように静かに無表情を決め込む中年の顔の先生。
髪の毛は両分けのユラリユラリと揺れる髪の毛。
ダークな雰囲気の持つ黒い服の渋い顔。
血色は悪く、目つきも悪いまるで悪人の様な人。
彼の名は【渡辺 蛇道】。
スネイク先生なんてあだ名がつけられている。
「理事長は比較的名案な答えを出されました・・それに対して教員である我々が一々気にする必要はありません」
「しかしッ!俺達にはなッ!」
「俺達には・・なんです?生徒との傷の舐めあいでしたらどーぞ勝手にやってください・・」
「相変わらず舐めた口の聞き方をするなぁ?スネイク先生よぉ?」
「ええ、貴方のやり方にはいつも反吐が出る・・いつも舐めているんですよ」
「ああもう!そこで喧嘩を始めないでくださいよッ!いつも貴方達は仲が悪いんですからッ!」
これには理事長も頭を抱えて悩むのも無理はない。
こんなことではは学園の崩壊は間地かに迫る。
一体どうするのが正しいのか、彼自身にも分からないのだ。
「・・・(せめて・・妻や娘さえ守れていたらこんなことには・・ッ!!)」
事態は一刻を争う。
この学園の未来はこの職員達にもかかっている。
果たして、大人の決断は・・いかに。
◆
「さて・・私達が悪事を働いたのはこれが理由・・何か感想あるかしら?」
「特には無いが・・俺の外では最低最悪の日常が起こっていた事が分かった」
「うんうん・・予想通りの感想アリガト」
「むしろ・・これ以外思いつかねぇよ」
海王咲の世話になった施設の子らは人質に。
さらには理事長の妻と娘さえも人質に。
こんなクソの極みを果たした野郎が今まで何処にいたよ。
俺は怒りのあまりにどうにかなってしまいそうだ。
「まあ、同情してもらうのはありがたいけど・・君には同情以外にやってもらわなきゃいけない事があるのよね・・」
「えっ?・・俺に?」
「そう・・とっておきのね・・だからこそ・・いまこうして話しだしたんじゃない」
海王咲が深刻な顔からニヤリと笑い。
なにやら笑みをこぼす。
一体・・何を考えているのだろうか。
NEXT




