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街路樹は知っていた-16

ハイ、いつものいきますね?


ぜんかいのあらすじ~!

小原一馬が意外な姿で登場しました。

おしまいっ!

◇     ◇     ◇     ◇


施設の外では混沌とした光景が繰り広げられていた。ゲデヒトニスを中心に、既に到着した彩花機は旋回しつつ間合いを詰めて攻撃を仕掛けている。一方の野村機と司馬はその彩花機のあとへ続いて展開していた。

『こちら舞衣、もうすぐそちらに到着するわ。簡潔に状況説明をお願い!』

『見ての通りですわ。乗っ取られたゲデヒトニスが施設を壊そうとこちらの方を指向していますの。先程から彩花さんが奮戦していますけれど、足一本を奪っただけで何も変化なし。暴走したゲデヒトニスの侵攻はなおも継続中、本当に恥ずかしい限りですわ!』

『こちら司馬。野村機とともに対象領域へ侵入できた。今よりこのデカブツの陽動に出る。聞こえたかい、彩花お嬢ちゃん』

『聞こえました! くれぐれも無茶をしないでくださいね。そうでなくても一番装甲が薄いんですから!』

『確かに装甲服は着てないがね、ウロチョロするくらいなら十分なプロテクタは着ているつもりだぜ』

『こちら野村。司馬さんとともにガッツリ陽動を行う。…残念だが俺の実力じゃ、それで手一杯だ』

『上等! 司馬クンも野村クンも、ムチャだけは避けるのよ。いい?』

舞衣姉さんの声に、男達は威勢を上げる。

『『異議なーし!』』

『聞いてのとおりよ、俊樹クン。アタシたちも援護に向かうわ。あなたは特に突っ込みがちだから、そこんとこ気をつけて。いい? 今度こそカッコイイとこ見せてちょうだい!』

「了解、舞衣姉さん!」

俺は深い前傾姿勢を取って、なおも加速を続けた。左腕のM72A3は後2発、残っている。パイルバンカーこそないものの、アームパンチは有効だ。コイルガンの残弾数は0。先程の弾幕で替えのマガジンも使い切った。弾のない銃ほど荷物になるものはない。これは排除しよう。


ドォ… ム!

野村が上手くLAMを命中させたようだ。

『俺も足一本、貰ってやったぜ!』

得意げな声がレシーバーに響き渡った。

「やりましたね! これで足は後、4本ですか?」

『……』

「野村さん?」

『野村機がデカブツの一撃をマトモに食らった! 気をつけろ、奴は意外とすばしっこいぞ!』

司馬の悲痛な声がレシーバーから聞こえてきた。


『おやめなさい、ゲデヒトニス!』

秋帆の絶叫が聞こえてくる

「秋帆! そいつはもう放棄するべきだ! これから俺も加わる。その場所を放棄して、とにかく逃げろ!」

俺は倒れている野村機の前に陣取った。

『いや、俊樹も逃げろ! お前にもこいつは止められねぇ…! …ぐは…ッ!?』

司馬もまた、ゲデヒトニスの一撃を食らったようだ。

『Nuts!』

彩花は叫び、超信地旋回を繰り返しながらバンカーショットの一撃を食らわそうとその瞬間を伺っていた。


『村川機、一成機共に動けねぇ! 繰り返す、村川、一成両機は破壊された! 戦線に復帰できず。オーバー!』

通信が回復したのか? ならば、もうそこには敵はいない…?

「村川さん、そっちに敵の姿は見えますか?」

『いいや、俺と一成の強化装甲服の配線だけ切断して行っちまったようだ。さっき周辺の確認をして、超電磁投射砲(EML)の電源繋いで話している。連中、ご丁寧にもバッテリーパックまで壊しやがった。俺達の命に別状はない。安心してくれ、オーバー!』

なるほど、もうここには敵さんはいない可能性が高い?

と、なるとだ。


「秋帆、そっちに異常はないか!?」

『先ほど爆発音がありましたわ。今右京に行って貰ってますの。もしかすると、もう…』

『こちら右京! 大変だ! スパコン部屋の奥で、爆発があった模様。金庫みたいな扉が壊されている!』

「わかった、こっちも急いで片付ける!」


『こちら舞衣、今ゲデヒトニスの正面にいる。オーバー!』

ローラーダッシュが大地を削る甲高い音。強化装甲服のアームパンチやパイルバンカーがゲデヒトニスの外装を叩き、火花を散らせる。それらが混在となって、地下空洞内に響き渡っていた。


俺は彩花機とは反対側に回り込み、装甲の薄い下部を狙おうと試みていた。しかし…。

ゲデヒトニスの()が俺を指向し、攻撃を仕掛けてきた。

「がは…ッ!?」

俺はそれをまともに喰らい、岩に叩きつけられてしまった。俺の身体はそのままバウンドし、大地を転げた。この強化装甲服は前面にこそ防御が固められているが、背面は全くと言っていいほど装甲が薄い仕様である。この前の古傷がズキズキと痛む。見上げれば、ゲデヒトニスの”目”が俺を指向していた。


ヤられる…!

俺は瞬時に身構えてしまった。


その時である。


「お待ちなさいッ!」

ゲデヒトニスが振り返った。

俺達も、その声の方向に目を奪われてしまった。

施設の屋上、そこには…!


青いオーラを纏ったメイが立っていた。


「戦いを好まない(メイドさん)に武器はありません!」

…メイ… 目覚めたのか?


メイ… メイ…、本当に、お前…。


「でもッ!」


目覚めてくれたのか… メイ…!


「この光景を放っておけるほど、私の”心”は穏やかではありません!」

その腕に光を集めて、メイは言い放った…!


「レーザー… ブレード…ッ!」

『『『ソレ、立派な武器じゃね?』』』

メイの姿を見た安心感からか、その場にいた誰もがツッコんだと思う。


その掌に集められた光は一本の光の筋となり、まるで刀を思わせる形状をなしていた。

施設の屋上から飛び降りたメイは着地するや否や、旋回を繰り返しながらゲデヒトニスの足を・腕を切断し、いともあっけなく無力化する。その光の軌跡はまるで蒼き流星とも言うべき、光の渦に見えた。そして、青い光を纏ったままメイはゆっくりと俺の前にやって来た。

「無事でよかった、マスター…」

「メイこそ… よく無事で蘇ってくれたな!」

「くふふ… オンナのクソ力も大したものでしょ?」

…メイ…?


メイを纏っていた青いオーラが薄れていく。

「…よかった、またマスターの力になることができました…」

メイを構成している”何か”が崩れていく。俺は倒れていくメイの体を支えた。

「…メイ…、一体…?」

光とともに失われていくメイの重みに、俺はただ驚愕するしかなかった。

「ちょっとムチャ… しすぎたみたい… ごめんなさい、マスター…」

『こちら矢野! 緊急回線を使用している。…そのユニットは …虚像だ。()えるのが早すぎたんだ…。この計画そのもの… 実験は、失敗だ…』

ハイ。蘇ったかと思えば、実験は失敗。

崩れ落ちるメイちゃんの運命やいかに。

本当にどうなるんでしょうね~?

起死回生はなるのでしょうか?果たして!?

それでは今日もお時間です。

さよなら、さよなら、さよなら~♪

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