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Machine Smith  作者: 真田 貴弘
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23

 俺達の後ろ、大広間にあるたった一つある出入り口。 その扉が再び開かれ、現れたのは見るも見苦しい一人の裸身の老婆であった。


 その姿は長い白髪を振り乱し、上半身は裸で若い頃は巨乳であった痕跡であろうか長く萎んだ乳房を垂れさせていた。 下半身は布面積が少ないパンツを身に着け、足は何も佩いておらず裸足のようだ。


 ……訂正、殆ど全裸の痴女、もとい、痴老女だ。


 その痴老女はあろう事か自分がアシャール教の教皇”フェリシア=ロス=アラモス”と名乗っていた。


 この場に居る全員がその姿と言動に眉を顰めている。 あからさまに目を逸した者も居るが、中には顔を朱に染め興奮している若い男も居た。 その男の股間がズボンの上から僅かに盛り上がっているのは多分、気の所為だろう。


 俺に至っては口直しにユティーファの姿を見たいと心の底から思った。 ……別にユティーファの裸体を見たいとは言ってないぞ。 いや、見たくない訳ではない。 ユティーファなら頼めばその美しい裸体を見せてくれるだろう。 いや、違う。 話が逸れた。 目の前の見るも悍ましい痴老女の姿より、女神であるユティーファの微笑みだけでこの目に焼き付いて離れない不浄のものが洗い流されるからだ。


 ゼイゼイと息を切らせた痴老女。 その痴老女に、お付きの者と思われる女性達が後からやって来て、慌てて大きい布を痴老女の醜い裸体に羽織らせている。


 痴老女は自分のあられもない姿を顧みず、それどころか壇上に居るフェリシア教皇に向かって罵声を浴びせ続けていた。


 罵声を浴びせられている当のフェリシア教皇は眉を顰め痴老女に向かって大きな声で諭すように話しかける。


「お主、せめて服を着ると言う知恵は無いのか? 此処には各国の御歴々が居られるというに。 そのような見苦しい姿を晒して良いのか? ”フェリシア=ロス=アラモス”よ」


『へ?』


 俺を含め、周りに居たお歴々もマヌケな声を上げる。


 え? 認めちゃうの? 自分が偽物だって。 じゃあ、あの痴老女、本物の教皇”フェリシア=ロス=アラモス”って事になるんだけど。 そうなるとアンタ一体何処の誰? 


「このようなことをしてタダで済むと思うなよ! 邪悪なる邪神の眷属よ! 此処には世界中のお歴々と共に最精鋭の騎士も来ておる! お前を滅ぼすなぞ容易い事よ! 妖精族の女王”ロミナ=シェラザード”!」


「はあぁぁぁ!?」


『!?』


 俺は思わず叫んでしまった。 その叫びに周りに居た召喚者達とお偉いさん達はビックリお目々で俺を見る。


 だって、仕方ないだろう。 その名前はオーグ様から聞かされていたのだ。


 そう、それは俺のもう一人の婚約者候補の名前であったのだから。


「!? お主、喋れたのか! それなら最初から喋れ! コミュニケーションが面倒じゃろうが!」


「いやいや! 今、そんな事言ってる場合じゃないから!」


「むう、確かにそうじゃのう」


 言っるそばから入り口で控えていた全身鎧を纏った騎士達が妖精族の女王ロミナに対し持っている槍の切っ先を向け、その身を貫かんと襲い掛かる。


「よっ、と!」


 ロミナは軽い調子で飛び上がり槍の襲撃を回避、次いでとばかりに纏っていた豪華な金の刺繍が施された純白のローブを脱ぎ捨てる。


 ローブの中から姿を現したのはとても小さな美女だった。


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