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”本郷 正輝”こと絡繰りを司る神である俺は召喚師が使う召喚門とやらで何処かに移動したらしい。 召喚には契約が必要だとか。 俺、そんな事した覚えないんだけど。 もしかしたら俺が知らないだけで、ひょっとしたら誰かに知らないうちにコソッと契約を結ばされたのかもしれない。 クーリングオフは可能だろうか?
それにしても 此処は何処だ?
直ぐに強化外骨格に以上がないか各部チェックする。
ホッ、どうやら異常はない。
周りを確認するため辺りを見回す。 古めかしいが何処か荘厳な空気を感じる石造りの広い建物内。 視線を落とすと俺の足元には魔法陣。 そして魔法陣を囲むように俺の周りには縁取りに金野刺繍が施された黒いローブのフード目深に被った数人がしきりに何か話し合っている。
「お、おい! あれ、なんだよ!?」
「お、俺が知るか!」
「な、なあ、俺達、……を召喚してたんだよなあ?」
「そのはずだけど……」
「アレも……なのか?」
「多分……そうじゃない…かしら……?」
皆、ざわめき不安そうに俺を見ている。 中には俺に指差している奴も居た。 オイ、そこのお前。 人を指差すな。 失礼だろう。
どうやらこいつらが俺を召喚?した張本人のようだ。
何故、どういう目的で俺を召喚したのかわからない。 下手に動いて相手を刺激して攻撃されたらたまらない。
そうして逡巡していると後ろから豪華な金の刺繍が施された白いローブを纏い、黒ローブ達と同じく目深にフードを被った随分と小柄な人物が俺の目の前に現れた。
偉く豪華なローブだ。 多分、いや確実にお高いであろうローブを身に纏っている人物。 十中八九こいつら黒ローブのボス的な存在だろう。
「教皇様危険です!」
「無用な心配じゃ。 この陣は我等が崇める神より救い主が召喚されるよう賜った秘技。 ならば我等に危害など加えようはずもない」
「し、しかし、これは他の召喚された者達に比べて異質過ぎます! 万が一教皇様に何か在れば――」
「くどいぞ。 この召喚を疑うのは我等が神を疑う事。 お前は我等が神を疑うのか?」
「滅相もない!?」
我等が崇める神? 救い主? 何のこっちゃわけワカメだ。
だが、分かった事がある。 教皇――それは宗教を束ねる人物に使われる称号。 つまるところ、今目の前に居る白ローブは何かの神を信仰している宗教の一番偉い人である。
そして気になる事が。
教皇は女性のようだが彼女が喋る声が二重に重なって聞こえてくる。 一つは老婆のしわがれた声。 もう一つはとても澄んだ鈴の音のように響く女性の声。
どういう事だろ?
「……お主、我等の言葉は分かるか? 儂は”フェリシア=ロス=アラモス” アシャール教の教皇なぞやっておる」
俺に向かって問う白ローブ――アシャール教の教皇フェリシアが名を名乗る。
はて? アシャール? 何か不吉な名前が出てきたぞ。
まあ、いまそれは置いておこう。 さて、どうしたものか。 声を出して喋った方が良いか? それとも強化外骨格を脱いで姿を表した方が――いや、それは辞めておこう。 万が一、襲われたらたまったものではない。 一応ウェントリヒは手に嵌めているが相手がどんな攻撃手段を持っているかのか分からない。
相手は強化外骨格を初めて見た所為で俺を人外のモノと勘違いしている。 言葉で説明するのも面倒だ。 様子を見るためにも喋らず仕草だけで誤魔化そう。
俺は教皇の言葉に身体を斜めにして答える。
「おお! そうかそうか! どうやら言葉は通じるようだの! ……少々ナリはデカイが神殿の通路ならば通れるじゃろ。 では我等にの後に続いて付いて来ては貰えぬか? お主の他にも召喚した者達がおる。 その者達が居る場所で共に事情を説明したいのじゃ」
先程と同じく身体を斜めにして頷く仕草をする。
取り敢えず彼等が何処の何者で何が目的かを詳しく知るため、俺は一時的にではあるが教皇と呼ばれている人物の言葉に従う事にした。
もう二度とスクエニのゲームなどしない!そう心に強く誓いました。




