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Machine Smith  作者: 真田 貴弘
20/26

18

投稿がかなり遅れてしまい申し訳ありません。

――三週間後


若き戦神達が日々己の肉体と技を磨く修練の場、闘技場。 その闘技場内の中央に一枚の扉が姿を現わした。


 扉の蝶番が軋みながら徐々に開け放たれる。 開かれた扉には三週間前、此の扉に奥に姿を消したマサキ達が再び現れた。


「やっと帰ってこれたよ……」


 あのど○でもド○が死者の世界である”冥界”に繋がっていてソーダの言う通り鬼とマジで戯れてきた。


 冥界の鬼、マジ半端なく強かった。 マジ死ぬかと思た。


 更に冥界の主、冥竜王とか言うのと戦うハメになるとは。 俺、”アレ”がなきゃ無事に帰ってこれなかったよ……。


「ソロモ○よ! 俺は帰って来たぞ!!」


「何訳の分からん事言っとる?」


 呆れ顔の戦神アーダさん。


「俺、新婚なんすよ。 其れを三週間も修行させるのってどうなんですかね?」


 ジト目で強引に俺の戦技の師匠となったアーダさんを睨む。

 それに対して目を逸すアーダさん。


「……俺も悪いと思っとる。 だが、そもそも日帰りが三週間になったのはお前の所為だろが」


「そんなん言いがかりですやん! あんなのと戦って生きてられるだけでも奇跡なのに”勝つまでかえさない!”ってどんだけですか! あんなゴツイトカゲにそんなこと言われても全然嬉しくないですよ!」


 冥竜王に特訓と言う名の恐怖の戦闘鬼ゴッコを強制されてましたよ。 ソーダとコーダが協力してくれたので何とか撃退できたけど。


 アーダさん? ”此れも鍛錬だ!”と言って見てただけだよ! そのかわり助言は色々してくれたけど。 飽くまで”助言だけ”ね!


「まあまあ、マサキ。 冥竜王相手に何度も死んだがマサキの能力の御蔭で生きて戻れただけ良しとするで候!」


「ウム! 我等も冥竜王と手合わせと言う得難い貴重な体験ができた。 ――だが、決して一人で立ち向かいたくない相手で御座る! 怖すぎで御座る!」


 御分かり頂けるであろうか? 長きに渡り戦いの神として厳しい修練を積んできた武神や闘神でさえ恐怖するのだ。


 生産系の俺なんて冥竜王が山の裏側からひょっこり顔を出したのを目撃した瞬間、裸足で逃げ出したね!


「アイツ、普段は大人しいのに今回に限っては しつこかったな。 案外、お前に惚れたのかもしれん。 ――雄だけどな!」


 クックックッ、と笑いを堪えながら不吉な事をのたまうアーダさん。


「縁起でもない事言わんで下さいよ! もう俺帰りますから!」


「おうおう! ユティーファと乳繰り合いにさっさっとけぇれ!」


「アンタ、余計な一言多いよ!」


 そんなこんなで俺はアーダさんに冷やかされながら帰路に着いた。


◆

 

 俺の所有物になってまだ日も浅い自宅に帰宅すると俺の声を聞いて玄関に出て来たシナモンとユティーファに大層驚かれてしまいしたよ。


 理由を聞くとユティーファ曰く、「アーダ御父様は御父様が御母様と新婚の時に修行の旅に無理やり同道させられ百年帰って此れませんでしたから……」


 と、微苦笑しながら答えてくれた。 ひゃ、百年手て……。 しかもあのッサン、そんな前科があたんかい!


「でも、その所為で奥様である酒の女神コル様にキッチリシメられて、それ以降は控えられましたよ?」


「何故に疑問系? しかも、それ以降も度々あるんだ……」


「私の口からは何とも……」


 微苦笑しながら言い辛そうに答えるユティーファ。


『まあまあ、積もる話もあるでしょうが、まずは家の中にお入り下さい。 直ぐに昼食の準備も出来ますから』


 シナモンに指摘され俺達三人は玄関から家の中に移動した。


◆


 食事の後、リビングにてユティーファ手ずから淹れてくれたお茶を楽しみながらユティ-ファやシナモンに冥界に連れていかれた三週間の出来事を話した。


 その中でも一番食い付きが良かったのは俺の能力と神器《ヘス》の機能であった。 彼女達もその辺気になっていたらしい。


 冥界で鬼や冥竜王との戦闘で位階が上がった俺は、その影響で神器《ヘス》の本来の機能が開放された。


 冥界で鬼との特訓や冥竜王との鬼ゴッコの合間に神器《ヘス》を弄っていたら驚くべき事が判明した。 《ヘス》は”情報”を外部から取り込んだり自身で組み立てたりしたものを分別、整理整頓して記録を行う。 そして構成した”情報”を元に俺の意思で現実世界に一旦仮想空間を構築。 その中に情報を転送。 転送した情報を元に理力(マナ)を消費変換して物質の源(生物で言えば万能細胞様なもの)である量子(フォトン)を生成。 後に”現実世界に実体化”させる。


 但し、”何でも”と言う訳にはいかない。 いや、素材としてなら情報を”何でも”取り込めるのだ。 其れこそ野菜や肉、魚介類。 それらを乾燥させた乾物等の食材、不純物が混じって無い純粋な水(H2O)、木材や鉱物等々。 此れ等の情報を取り込むのには何の問題も無い。


  しかし、俺が《ヘス》で作れるのは電子、機械等の部品や工業品。 強化外骨格や各種自動機械(要するにロボット)。 各種乗り物や人工衛星、スペースコロニーに各種プラント。 各種兵器関連等。


 更に《ヘス》の機能にはショップと言うものがある。 ショップには取り込んだ素材が全て売っている。


 この辺の機能は俺が以前プレイしていたネトゲの《HES》に起因しているみたいだ。


 支払いは理力結晶(マナストーン)で行う。 オーダさんが教えてくれたのだが、理力結晶とは其の名の通り理力が結晶として物資化した物だ。


 此の世界の自然界ではある種の生命体の体内で精製されたり鉱物の一種として存在し、エネルギー資源として主に活用されている。


 ちなみに理力結晶を人工的に作り出せるのは神力を持つ神だけだ。 理力を結晶化させるには膨大な量と微細な制御が必要で神力でも持ち合わせていなければ不可能なのだそうだ。


 試しにユティーファとシナモンの前で《ヘス》を使ったデモンストレーションを行う。 製作するのは冥界で大変御世話になった医療ポッド。 此の医療ポッド、腕が折れようが足がもげようが腸が飛び出そうが血が足りなかろうが、例え死んでいても髪の毛一本、細胞の一つさえあれば最長24時間以内に完全治療してしまうとっても凄い機械なのだ!

 其の上、此の医療ポッド。 持ち運びは某国民的漫画に登場するメカに搭載されている小型の楕円形カプセルに成る似た様な機能が備わっている。


 此れの御蔭で冥竜王に挽肉にされた俺やソーダ、コーダの戦神兄弟は翌日には完全復活を遂げていた。


 但し、其の度に冥竜王に挽肉にされたけど……。


「何ですかコレ?」


「医療ポッドだよ。 死者をも生き返らせる優れものさ」


『マサキ様、ご冗談を。 宜しいですか? その様な物は此の世に存在――』


 医療ポッドを弄りながら言葉を発していたシナモンの言葉がピタリと止まる。


『……してますね。 と、言うか此れ、アーククラスの道具ですよ?』


「アーククラス?」


 首を傾げてユティーファを見ると、ユティーファは目を見開き、半開きにした口に手を当てていた。


 ユティーファの其の様子に不安になった俺にシナモンは答えてくれた。


『神器を上回る道具の事を我々はアークと呼んでいます。 アークは滅多に作れないんですが、マサキ様の神器はアークを作れるようですね。 驚きです』


 表情の良く分からないツルッとした丸顔に抑揚の少ない平坦な声音で――それでも驚きの感情がその声に強く込められていたのが俺には印象的だった。


「すっ、凄いです! 凄いですよ旦那様!」


 ユティーファは子供の様に瞳を輝かせて俺を褒め称えてくれる。


「い、いや~、それ程でも――あるかな!!」


 その後、俺を賞賛するユティーファの言葉に鼻高々となって調子に乗ってっていた俺はユティーファの口車に何時の間にか載せられ、気づいたらベッドの中でユティーファトと行為に及んでいた。


 ユティーファ、なんて恐ろしい娘!

 

 因みに医療ポッドはそのまま医療を司るユテーイファに預けた。 平和な日常の中で俺が持っていても仕方ないしね。


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