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「おはようございます、マサキ様」
「ああ、お早う……」
カバンを持って固まる俺。
「どうなされたのです!? その真っ青なお顔! まだ何処か具合が悪いのですか!」
「あ、いや、昨日、その、頑張りすぎっちゃって疲れたんだよ。 ハハハ……」
何言ってんだよ、俺の莫迦っ! 自分で墓穴掘ってどうするよ!
ユティーファは俺のその言葉に耳まで真っ赤にして俯く。
俺はすかさず華麗にフライング土下座を決めてユティーファに謝罪する。
「すんませんでした! 調子に乗りました! お願いですから殺さないで! どうか許して下さい!」
「え? え? 殺す? 何を言ってらしゃるんですか?」
「あ? じゃ、じゃあ、許してくれるの?」
ユティーファの言葉に一筋の光明を見た。
しかし、ユティーファの次の言葉で油が煮え滾る地獄の釜の中に突き落とされる。
「許すも何も私達は既に夫婦ですから」
「はい?」
「昨日、オーグ御爺様からマサキ様に嫁ぐよう頼まれたので私はそれを了承しました。 それから母方の従姉妹の妖精王ロミナ=シェラザード様も立候補しておられましたよ? ですのでマサキ様、三人で力を合わせて明く楽しく幸せな家庭を築きましょう」
「はいぃぃぃ!?」
俺の与り知らぬ所でいつの間にか嫁が出来ました。
と、言う訳で朝食を終えた俺とユティーファはオーグ様に直接事情を聞きに行った。
ちなみにユテーィファは俺の三歩下がって離れて付いて来る。
昔の奥ゆかしい女性を想像するが、現代日本では後ろから男を操る為にする行為と元カノの麗夜さんは言ってた。
女怖えよ……。
そんなこんなで今俺の目の前にはオーグ様が居らっしゃる。
「おお、マサキよ。 昨日は良く休めた様じゃな。 心が落ち着いておる」
いえ、オーグ様。 俺の心は乱れまくってます。
「丁度良い。 儂もお主と話さねばならぬ事が色々あっての。 儂の部屋でゆっくり話そう」
オーグ様自ら俺達を自分の部屋に案内してくれた。
オーグ様の部屋は何と言うか質素だった。
主神というから此の世のありとあらゆる贅を凝らした調度品が置かれているものと思っていただけに凄く緊張していた。
この部屋は俺の想像とは真逆で落ち着いた感じで俺の緊張の糸も解れた。
ソファーに腰掛け先ずは昨夜の出来事を包み隠さず話す。
「何と!? 邪神アシャールめ、まーだその様な隠し玉を持っておったとは!! 危うく奴の復活を許す処であったわ!!」
俺はオーグ様に身体に異常が無いか念の為に調べて貰った。
そしたら身体から透明な石が出てきた。
「此れがあ奴が仕込んだ最後の仕掛けじゃ。 綺麗に浄化されておる。 他にも色々と調べてみたが大丈夫じゃ。 安心せい」
「良かった……」
これで一安心だ。
「すまぬの。 儂の落ち度じゃた……。 そうじゃ! お主に嫁子をもっと沢山紹介しよう!」
「待ったあぁぁぁーーー!! それです!! その事を聞きに来たんです!! 何で嫁さんが出来てんですか!!!!」
「いやあ~、我々神々を散々苦しめた邪神アシャールを倒してくれたんじゃ。 当然じゃろ? それに結婚を強制するつもりは儂等には無い。 飽くまでもお主と相性の良い者を運命の女神と相談して紹介するだけじゃ。 只のう……儂等の同胞となったのじゃ。 神の世界に馴染む為にも伴侶は得た方が良かろうて」
行き成り見ず知らずの相手が伴侶って重いわ!!
「……じゃがな、マサキよ。 ユティーファは必ず、絶対、確実に娶れよ? 何せ儂の愛する可愛い孫娘に手を出したんじゃからな。 男神として責任は果たせよ」
微笑みを湛えた顔して不穏なオーラを纏ったオーグ様が穏やかな声音でもって俺を脅す。
ですよねぇ~。 一瞬、有耶無耶に出来ると期待した俺が心の中に居ました……。
「わっ、分かりました……。 ――そう言えば俺ってホントに神様に成ったんですか?」
「成ったぞ。 此れでもかという程、絶対完全完璧に」
「其れじゃあ俺って、何の神様に成ったんですか?」
「マシンスミス――絡繰りを司る神じゃ」




