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異世界オーバーキル! 〜オーバー・ザ・オリジン〜  作者: フェフオウフコポォ


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1話 見知らぬ空港

「んお?」


唐突に意識が覚醒する。

始めに感じたのは頬に感じるひんやりとした床の冷たさだった。


視界に入ったのは自分が広い建物の中にいるということだけ。

記憶を辿っても今いる場所に、どうやって辿り着いたのか見当もつかない。


半身を起こして周囲を見回してみると真後ろにはオレンジ色の椅子が4つ連なったようなベンチ。

同じようなベンチが並んでいる。かなりの人数が施設を利用するだろうことが伺い知れるが、人の気配はない。というよりも、照明が灯っておらず閉鎖中の場所のようにも思える。


自分の姿勢が、まるでベンチで寝ていて転げ落ちたような姿勢だなと思い、とりあえずベンチに座りなおす。


「……えっと?」


俺は……中村大輔? だよな。


何もかもがもやの中のような気分で、とりあえず自分自身を思い返してみる。

考える意識を切り替える少しの空白を感じつつも、徐々に記憶ははっきりと思い出せるようになっていく。


「そうだ。天哭てんこくの塔……ダンジョンで水晶に触れて……」


日本でサラリーマンしてたけど、とんでも能力に目覚め、それなりにお金も手に入る様になって、仕事辞めて、美女や美少女たちといい生活ができるようになった俺。中村大輔。


「中村大輔の……偽物として生まれたのが俺……だったよな?」


難関の1級ダンジョンに挑んだ時に『ダンジョンが生み出した試練』として生み出されたのが、本人と同じ記憶、能力を持つ『俺』


そこまで思い出した瞬間、最も大事なことが頭を過る。


「セリフィア!?」


見回した時、人影がなかった。

自分の周りに人がいなかったのだ。


「セリフィアっ!」


いない。

セリフィアが。


初めて感じる焦り。焦燥。


『いない』と感じて初めて、自分の中で、どれほど大きい存在だったのかを感じ始めたその時、胸辺りで何かが動いている振動を感じスーツの上から触れてみると、スーツの内ポケットで四角い何かが動いているようだ。

スマホのバイブが動いているような感覚に内ポケットから取り出す。


「……え?」


本だった。

手帳サイズの。


「えっ?」


まったく見覚えのない手帳のような気がしつつも、どこかで見たような気がしないでもない。

いや自分で動く手帳など知るはずもない。


「うぉっ!」


手帳が一人でにパラパラとページをめくり始め、白紙のページが開くと、そこに字が記されていく


『マスター。ご無事で何よりです。』


記された文字は女性が手書きしたような雰囲気、だが教養のある女性が書いたような綺麗な文字。見覚えのある文字。

そして俺のことを『マスター』と呼ぶのは一人しかいない。


「……セリフィア?」


我ながら変な声が出たと思わずにはいられない。


俺のブレーンのような、頼もしい相棒のような、むしろ恋人のような存在は……

いつから手帳に? というかなぜ手帳?


文字が浮かんでいく


『イレギュラーはありましたが、私たちが無事。結果は上々ですね。』


上々……か?

手帳になってね?


『ご心配なくマスター、自我はありますので今後どうとでもなります。』


……セリフィアがそういうなら……せやな!

俺は考えるのをやめた。


『考えるのは止めないでください。』


あれ!? 意識伝わってるっ?


『はい。しっかり伝わっています。今、『それ……まずくない? 変なこと考えられないじゃん』とか思ったこともしっかり伝わっていますが、マスターが考えそうなことの範囲内なので、私がマスターの思考で失望するということはあり得ませんので、どうぞご安心ください。』


…………………………


……………


……ほなええか!


なか自暴自棄ヤケクソで自分自身を納得させる。


『それよりもスマホはありますか?』

「あっ!」


俺のチートじみた能力の起点はスマホゲームなのだ。

逆に言うとスマホがないと、チートではない。



最初は様子見の手探り。

スマホは、ない。


少し気持ちが焦りつつの手探り。

スマホは、ない。


上着を脱ぎ、触れてないところはないくらい探し、周囲を見回す。

スマホは、ない。


「ないっ!!」


しばらくポッケナイナイダンスを繰り広げまくり、焦りのままベンチに置いておいた手帳に手を伸ばす。


『そうですか。マスター落ち着いてください。まずは現状を把握するなど、一つ一つ進めていきましょう。』


セリフィアのしっかりとした文字を見て少しだけ落ち着く。

スマホが無いのは大問題だ。

死活問題だ。


大問題で、死活問題でもあるが……世の中『ないものは仕方ない』と腹を括ることも必要だ。


少し落ち着いて考えれば、スマホがないのであれば、なぜセリフィアが存在できているか? ということも思い浮かんでくる。


『そうですね。マスターの能力は失われたワケではないと思います。』


そう。能力は大事だ。

だが、なによりセリフィアがいる。

セリフィアが存在していることこそが俺には大きな意味を持つ。


『ありがとうございますマスター…私が把握できる現状で一つ言えることは『魔力が足りません』

私がこの手帳のような形に変化しているのは『省エネ』モードになっているというのが大きいと考えられます。』


魔力…か。


『視界もマスターを通じて見れているのですが…今いる場所について想像が及びません。』


あ。


そう。

それはそう。


どこよここ。

ここどこよ?


ダンジョンの不思議パワーでぶっ飛ばされたんだろうけど、どこにいるのよ俺らは。


改めて見回すと、レトロモダンな待合所のようにも見える。

窓の外を見れば、幻想的にも見える夜の滑走路。


滑走路?


『滑走路が見えるということは、ここは空港なのでしょうか?』


セリフィアの文字で腑に落ちる。

国際線とかで使われていない時のゲートなんかの乗客の待機場所。この印象がとてもしっくり来る場所だった。


一人納得して窓から外を眺めていると手帳セリフィアが震える。


『足音がしました。誰か来ます……おそらく警備員ではないかと――』


文字を見てすぐに耳を澄ませると、一定の間隔の足音。

『どうしよう』と内心で焦りながらも、空港であればどうにかなるか……むしろ保護をお願いした方がいいんじゃ? などと思っている内に、隠れる機会を失っていた。


当然、警備員と顔を合わせることになったのだが――


「っ!?」

「えっ!?」


お互いに目を見開いて驚く。


警備員は不審者の存在に。

そして俺は、警備員の顔が――


犬だったことに。





お待ちいただいていた方がいらっしゃったら……大変お待たせいたしました。

カクヨムの方でプロローグ書いてから、いつの間にやら4か月も……


ようやく筆をもちますた(`・ω・´)


そしてゴメンね!

まったく書き溜めてないの!

(。-`ω-) 基本まったり書いてまいります

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宮崎ホームズきた!
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