第8話 あの子との出会い Ⅴ
「ってこともあったよね〜」
「だいぶ昔の話を唐突に持ち出さないでください」
あれから70年。
あの日、竜王を保護して帰った後、ルカは私の弟子になりたいと言い出した。
特に拒否する理由もなかったので受け入れた。
「ちょうど100番目だね!」っと言ったら他の弟子から「それ、何回目の100番目ですか」とツッコまれた。
100じゃなかったらしい。
「というか、本当変わりませんよね、外も中も」
と呆れたように言うルカ。
「まあね〜」
というルーナは、ルカに出会った頃と変わらない容姿でいう。
ルカは一瞬だけ黙って、それから小さく息を吐いた。
「……普通は老いるんですよ、人間って」
「私って天才美魔女だからね〜」
「褒めてません」
軽口のやり取りが、当たり前みたいに続く。
いつまでも、続けばいいのに。
ルカは、ベルグの後を継ぎ魔剣士団の団長になり、今はベルグのひ孫に団長の座を譲り師範として今も剣を見習いたちに教えている。
「老けたねぇ〜」
ルカは白髪も増えた。
「普通に老いただけです」
「そっか……ねえ、ルカは今幸せ?」
「はい」
「ははっ、よかったね……ルカってさ〜、イケオジだよね〜。勿体無いよ。結局、結婚どころか恋愛すらしなかったんだから」
「…興味、なかったので」
と少し拗ねたようにルカはいう。
ルーナはきょとんとした顔をして、それから肩をすくめた。
「そっか」
それだけだった。
昔と同じように、軽い返事。
窓の外では、時間だけがちゃんと流れている。
ルカは小さく息を吐いた。
「あなたが変わらないから、余計にそう感じるんですよ」
「え、褒めてる?」
「褒めてません」
即答。
ルーナは楽しそうに笑った。
次の話は現在(現代)に戻ります




