第二十八章 卒業
前の話から五年飛びます。
時は巡り、あたしたちは花園高校を卒業した。ユリちゃんが号泣している姿を見て、苦笑いしたのはいい思い出だ。
…そのあと、あたしも泣いたけどそれはなかったことにする。そして、ミコとあたしで神殿に帰る途中にミコも突然泣き出した。なぜ、と驚いてたずねたらプミラと離れることが寂しい、というので確かに学校は一緒じゃないけど、住んでいるところが一緒だからいつでも会えるよ、とこれまた私は苦笑いをした。
そして、もっともっと時は巡り、あたしたちは大学を卒業した。
「おめでとう。プミラ。」
「ミコこそおめでとう。」
ミコはそもそも大学は義務ではないので行く予定はなかったらしいが、自分のことを見つめなおすためにもと神学のことを学べる学校に進むことを決めて見事合格した。あたしは、もちろん先生になるための勉強ができる学校を選んだ。そして、ギリギリだがなんとか合格した。
そして、お互い留年せずになんとか今年で卒業だ。
「大変だったけど、楽しかったよ。」
「僕も。」
「…ミコはこれからどうするの?」
「……大神官になるための勉強をする。このまま、神子のままでいるのもいいけど…それだと、おとなたちの思うがままだから。」
「…そっか。」
………。
「プミラは…これからどうするの?」
…どうしよう。あのことを、私は…
「……先生になるよ。」
「どこで教えるの?」
「…まだ決めてない。」
…まだ、じゃなくて一生それは決まらないだろう。
「…そうなんだ。」
……やっぱり、
「僕から…離れたりしないよね?」
…いえない。
「…どうだろうね。」
「…約束して。」
「…………。」
「どうして……なにもいってくれないの?」
……。
「プミラーーーーーーー!!!!!」
突然、騒がしい声があたりに響き渡る。
「ヒメユリ!!…うっ!」
走ってきた勢いのままその人物はあたしに抱き着いた。
…下手な奴にやったら、そのまま頭をうってこの世からオサラバなんてことになるぞ、これ。
「プミラ、ミコさま、卒業おめでとうございます!」
「ありがと。」
「てことで、今日は晩御飯おごって頂きます。」
「どういう理論だそれ。」
「社会人としてお二人が忙しくなってごはんとか一緒にたべれなくなるまえに、一緒にごはんを食べときたいってことですよ。」
…たしかヒメユリは大学の寮暮らしだったはずだ。
「…金欠か?」
「はい。」
「自炊しろ。」
「無理です。」
いい笑顔だ。
「はー…卒業祝いどころかまさかたかられるなんてな。」
「べつにたかりたいだけじゃなくて、さっきのも一応本心ですからね。」
「はいはい。」
あたしたちはそのまま近くのファミレスで三人で食事をした。
ミコにも…ヒメユリにも伝えなくてはいけないはずのことは…結局、最後まで伝えることができずに終わった。




