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第二十一章 眠り神子

「・・・・・こちらでよろしいでしょうか。」


 いつも通り神官の恰好をした女性が丁寧にお皿に盛られたチョコレートボンボンを持ってきた。


「これでいいの?プミラ。」

「うん。」


 可愛らしくて繊細な造形、これは間違いなくウコギのチョコレートだ。


「ありがと。帰っていいよ。」


 ボンボンを受け取り、いつも帰っていいといわない限り部屋から出て行ってくれないその女性に早々に帰ってもらう。

 ・・・・・夜だからカロリーが気になるけど・・・まぁ、背に腹は代えられない。


「じゃあ、いただ

「まって。」


 ミコに止められる。


「・・・・・・・・・。」


 ミコが無言でぱくりと一つボンボンをつまむ。


「・・・・だいじょうぶだ。・・いいよ。食べて。」


 ミコはいつも毒見をする。ウィンクルを殺そうとするあたしを抹殺しようと目論むものがいるかもしれないから・・・・と言って、何度断ってもやめてくれなかったので最近諦めた。ミコはちっとやそっとのことじゃあ死なないらしい・・・つまり、毒もきかないらしいしまぁいいかなって・・・・。


「じゃあ、いっただきまーす!!」


 ミコをちらちらと観察しながらボンボンを口に放り込む。


「・・・ミコも食べなよ。」

「でも・・・・

「一人じゃ味気ないからさ。」

「わかった。」


 ミコがボンボンを手に取るのを見てからまた口の中にボンボンを放り込む。


「このチョコレイト、不思議だね。」

「ん?」

「かじると、中からなにかとろっとしたものがでてくる。」

「ああ。」


 まぁ、そうだよな。そういうお菓子だから。


「でも、おいしいね・・・。」


 そりゃあよかった。


「もっと食べてもいいんだよ。」

「ありがとう。」


 ミコは気に入ったのかパクパクとボンボンを食べていく。


「・・・・なんか・・・


 ボンボンを食べ始めてからニ十分ほどたったころ、普段はほぼといっていいぐらい瞬きをしないミコがパチパチと瞬きを何度も繰り返す。


「どうしたの?」

「その・・・・

「ん?」

「頭が・・・


 ・・・・もしかして、


「ふわふわする・・・。」


 ミコは目をとろんとさせながら瞼をこする。


「寝てもいいよ。」

「でも、でも・・・

「大丈夫。」


 ミコは眠気に逆らえなかったのか、ソファに体を沈ませた。


「・・・どこにもいっちゃだめだよ。」

「・・・・・・。」

「かみよ・・・・


 神をおろそうと天井にのばされたミコの白い腕はくたんと落ちた。


「・・・・ごめんね。」


 まえ、お酒につけた果物を食べた時に頬が赤くなっていたからミコは酒に弱いのではと思ったのだ。


「よし、」


 ボンボンを口に含むと、とろっと濃いウィスキーの味が舌の上でとけた。


「行こう。」


 最大の壁であるミコを突破すれば、あとは窓から飛び出すのみ。もちろん、窓の下にも騎士はいるが数はかなり少ない。この高さから飛び下りるわけがないと思っているのだろう。まぁ、ともかくあの人数に負けるプミラ様ではないのだ。

 ・・・・・ウィンクル、待ってろよ。




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