表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界無双血風録  作者: 大五郎
第12章 死亡遊戯編
82/119

47 地竜は潜むⅠ

この章も長く続くかもしれません。

異変は唐突に始まった。

クーイアン帝国南部の広大な穀倉地帯。

更に南方の峻険な山脈から流れくる大河の豊富な水と穏やかな温暖な気候、なだらかに広がる平地が農業に適した環境を生み出していた。

この地域には多くの農村があり南方十家と呼ばれる帝国貴族が住む十の地方都市に束ねられ治められていた。

「シャルンとホルストからの連絡が途絶えただと?」

南方十家の中でも特に広大な領地を治め十家の盟主とされるカリオス伯爵が領内騎士団の長に確認する。

「はい、一昨日からその二家領地から来る者もなくこちらから向こうに向かった者も帰らず不審に思い騎士団の小隊を調査に送り出したのですが既に夕方過ぎです。無事ならば伝令の一つも送ってくるはずなのですがこれもなく」

「ウーム、向こうで起こった何かの非常事態に巻き込まれた可能性が高いということか」

「はい、つきましては大部隊の派遣を了承いただきたく」

少数の部隊であれば騎士団長の判断で動かすことも可能だが大隊レベルの部隊を動かす場合はさすがに領主の許可がいる。

「分かった。直ぐに部隊を編成し調査に赴かせよ。何が起こっているのか突き止めるのだ!」

しかしその命令が果たされる事はなかった。

次の瞬間激震が伯爵城を襲った。

次々に調度品が倒れ窓ガラスが割れていく。

「なんだ!何が起こっているのだ!」

激震は収まる事がなくむしろ激しさを増していく。

都市全体も激しく揺れていた。

建物が次々に倒壊していく。

路上の市民達は逃げる事も出来ず路面にしがみついていた。

伯爵城も倒壊し伯爵や騎士団長も潰されていった。

路面も裂けその上の市民達も地割れに呑み込まれていく。

やがて激震は頂点に達し無数の地割れが広がっていき都市そのものを寸断し呑み込んでいく。

ぼこりぼこりと大きな穴が開き加速度的に増えていった。

最終的には都市全体が沈むように陥没していきそこには全長数kmのすり鉢状の大きな穴が残るのみであった。


全ての南方十家の連絡が途絶えてからの帝国上層部の動きは早かった。

何らかの敵対的意志を持つ脅威があると判断、直ちに千人規模の帝国騎士による調査兵団を派遣した。


調査兵団はカリオス伯領の都市に近づいていた。

調査兵団が駆る軍馬は街道沿いを猛スピードで進んでいた。

都市に近づくにつれ街道沿いや通過していく村々に全く人影が見えなくなり事態の深刻さがひしひしと感じられていった。

そして彼らは都市に到着した。

そこには全長数kmのすり鉢状の大きな穴があるのみで人どころか何の生き物の気配もなかった。

すり鉢状の穴の縁で穴の底の方を確認していた数十名の騎士達の足場がいきなり崩れ転がり落ちていった。

彼らよりほんの1m程度後方にいて落ちずに済んだ騎士達が穴の底の方で無数の鞭のような黒い触手に絡めとられて地面の下に引き摺り込まれていく騎士達の姿を見た。

彼らは警告の声を上げながらどんどん崩れていく足場から辛うじて退避した。

調査兵団の隊長が二次災害を恐れて全隊に後退を命じた。

穴の縁の崩壊は止まらず広がっていく。

最悪の事態を予想した隊長が全力後退を命じた直後周辺の地面の下から穴の底に現れたのと同じ黒い触手が無数に伸び騎士達を絡めとり地面の下に引き摺り込んでいく。

仲間を助けようとした騎士達も全て同様に絡めとられて同じ運命を辿っていった。

隊長は仲間に構わず立ち止まらず全力で逃げるよう指示した後自分も触手に絡めとられて地面の下に消えていった。

恐慌に駆られた騎士達は命じられた通り周囲に構わず全力で逃走を開始した。

しつこく触手が現れ騎士達は呑み込まれていった。

ようやく追撃を振り切った頃には千人以上いた調査兵団は数人を残すのみとなっていた。

殺戮はお約束です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ