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異世界無双血風録  作者: 大五郎
第11章 セラス攻防編
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42 戦場Ⅸ

更に風呂敷を広げてみました。

城塞都市の城壁の守備兵達が歓声を上げている。

潮が引くように撤退していくクーイアン帝国軍に、何よりそれを為さしめた巨大ゴーレムを称えていた。

女勇者にセラス国王が助けを求めたという噂が広まっており絶望的な戦いの中で唯一の希望だったのだ。

巨大ゴーレムを城門近くで止めそのまま魔力で硬化し固定した紗耶香が頭部の黒騎士の横に出てくると歓声は一層大きくなった。

「どうかな?英雄として称えられる気持ちは?」

「別に・・・」

この国のために犠牲になったクラスメート達、特に加奈の顔が浮かんできて素直に喜べる訳がない。

しかし城塞都市内で帝国軍の撤退の報が伝わり喜び合う市民や避難民と思しき人々を見ていると見殺しにしなくてよかったとも思っていた。

助けた親子を抱きかかえて飛行した時必死にしがみつくその重みは命の重みだった。

戦場で兵士が命を落とすのは仕方のない事だとしてもあの親子のような一般人が死ぬのは理不尽以外のなにものでもない。

「・・・ただ罪のない人々が犠牲にならなくてよかったとは思うよ」

「そうか・・・」

何故か黒騎士も感慨深げに応える。

暫く二人は黙って城塞都市を見下ろしていた。

「危ない!」

急に黒騎士が紗耶香に覆い被さった。

「エッ!?」

黒騎士に後ろから抱き竦められた形になった紗耶香はとっさに身動きが取れなかった。

何かが弾ける音がして周囲を爆炎が覆った。

火弾(ファイヤーボール)が直撃したのだ。

本来なら二人とも焼死するところだが紗耶香は黒騎士の巨体に守られ無事だった。

しかし黒騎士は・・・。

「何者だ!」

・・・平然と後方を誰何した。

「あら、信じられないほど頑丈な鎧ですこと。一体何で出来ているのやら」

そこに赤い髪の女が宙に浮いていた。

その両腕両脚には金属製の円筒が装着されていた。

「飛行ユニット!」

「これは中々便利なものですね。千里を僅かな時間で天駆ける事が出来るのですもの」

紗耶香の声に言葉を返してくる。

きつめの目が印象的な美女である。

スレンダーな紗耶香と較べて出るとこが出た色っぽい身体つきをしている。

歳の頃は二十歳前後といったところだ。

「貴様、何者だ!私と同じ世界の者か!」

「私は神聖法国アルナスの勇者セレン。生憎この世界の生まれですわ」

「アルナス?この超大陸で二番目の大国の勇者が何の用かな?」

「セラスに現れたという新勇者に御挨拶と・・・あわよくば魔力をいただきに来たのですわ」

その声と共に再び火弾(ファイヤーボール)を放ってくる。

黒騎士は剣でそれを斬り裂く。

弾けた火の子が舞うがその巨体で受け止め紗耶香を守る。

「ほんと頑丈。貴方のような守護者が付いているとは聞いていなかったわ」

「過去に迂闊に種をばら撒いた勇者がいたようだな」

「あら気付かれました?察しのいいこと。その兜の下の顔に興味が湧きましたわ」

「なんなら剥がしてみるかな?高い代金をいただく事になるが」

「止めておきますわ。女性の方から殿方の着けているものを剥ぐなんてはしたないですもの」

「で?このまま遣り合うのかな?」

「今回はご挨拶だけのつもりですからここまでとしておきますわ。次回は十分準備を整えてから伺います。楽しみにしておいてくださいね」

言いたいことだけ言ってセレンは急加速を掛け立ち去った。

紗耶香と黒騎士は黙ってその軌跡を見ていた。

ああッ視える。

風呂敷を畳めなくなって放り出す未来が・・・。






冗談です。

物語りが終わるのは作者が作品に愛を失った時だけです(笑)

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