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異世界無双血風録  作者: 大五郎
第11章 セラス攻防編
64/119

30 復讐

内容的にすっきりしないので迷っていましたが取り敢えずUPします。

セラス王の座する王城はかなり古ぼけている。

闘技場もありそれなりに大きいが長年の風雨に耐え度々補修改装を加えたような形跡が多く全体としての老朽化は誤魔化せていない。

城内の調度品や内装も見た目は豪華だがどこか安っぽく元の世界の百円ショップの一見豪華でも直ぐ壊れる使い捨てのような安物に感じられた。

文官はそれなりに出入りしていたが近衛騎士の数は少なく信じられないことに最初にこの世界で目覚めた時に抜剣して立ち会っていた人数しかいなかった。

侍女にしても私を介抱した一人しかいなかった。

幾らなんでも少な過ぎると思ったものだ。

私を召喚し魔法を伝授した魔導師も高齢の枯れ木のような老婆で一人しかいなかった。

上空から見る限りセラス王国は自ら小国と述べていた割には広大で街や村も多くて大きく活動も活発で農地も豊かな作物を実らせ大きく広がっていた。

とても貧乏国には見えないのにセラス王は恐ろしく質素で安上がりな生活をしており出入りしている文官以外は人員も異常に少なかった。

そして今日はその文官の出入りすらなく城内は閑散としていた。

出撃から戻ってきた私を出迎えた近衛騎士達は隷属の首輪がないのを見ると顔色を変え斬り掛かってきた。

私はそれらを容赦なく斬り捨て王の執務室に向かった。

私が見る限りセラス王はずっと執務室に籠って仕事を片付けていた。

全く無人の城内を進み最初の近衛騎士達以外の抵抗もなく執務室に辿り着いた。

何かの罠かと油断なく扉を開き中を伺うが室内には椅子に座ってこちらを見ている王以外誰もいなかった。

私は抜刀したまま部屋に入った。

「そうか、隷属の首輪が外されたか。帝国の勇者はそれ程の者だったのか・・・」

王は私の首元を見て静かに呟いた。

「ああ強いな。全力で殺そうとしていた私をいなして首輪を無効化するぐらいにな」

王は目を瞑り背もたれに背を預けた。

「選択を誤ったか。手に入れた情報からは女好きの無能な愚か者にしか思えなかったが。それ程の強者なら大人しく帝国の傘下となり耐え忍ぶ方がマシだったかもしれぬ。しかし今となっては遅いか。帝国の権威の象徴を襲撃したからにはただでは済むまい。この国の命運も尽きたか」

「今から死ぬ貴様にこの国の未来を憂える必要はない」

私は刃を王の目前に突き付けた。

「殺すがよい。儂はお前達にそれだけの事をした」

王は目を開き私を見た。

その目は目前の刃も怖れず迫った死に怯えた様子も見えない。

「・・・何故だ。それだけの覚悟を決められる者が何故あんな非道なことをした」

私は憤りの声を漏らした。

「王の責務だからな。例え他国の者を害しても我が国と民を守るのはな。他国に降るのは侵略され蹂躙されるよりほんの少しだけマシな悪手だ。相手の都合で自国の民の生活や生死が左右されるのだからな。そうならないためにはなんでもする」

「勝手なことを」

「だがそのために犠牲にしたお前達には本当にすまないことをした。せめてもの手向けだ。儂と魔導師を殺した後元の世界に帰りたければ他の勇者と協力して世界を危機から救え。侵略戦争に加担する必要はない。元々勇者召喚魔法は世界の危機が具現化した時それに対応するためのもので務めを果たしたならば元の世界に戻る事が出来るとのことだ」

「・・・分かった」

「話すことは話した。さあ殺せ。切り刻みたければ好きにしろ。抵抗はしない」

私は暫し逡巡したが一太刀で心臓を貫いた。

セラス王は小さく呻き息を引き取った。

老魔導師も抵抗せず私に殺され復讐は終わった。

しかし気が晴れる事はない。

加奈やクラスメートを殺した私には今更殺人が重い負担になる事はない。

セラス王や老魔導師が生き足掻かなかったことが原因だろう。

もっと無様に生き足掻いて泣き叫びながら死んでくれれば復讐心も少しは満足しただろうに。

今は後味の悪さしか感じなかった。

私は思いを振り切るように城に火を掛け空に旅立った。

すっきりしないのはヒロインも一緒です。

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