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女の子は何も思わなくて
――可愛い娘よ。お前だけは……
声が、響きます。
ふと気がつくと。
女の子は不思議な世界にいました。
虹色のしずくが、
どこからか降ってきます。
生えている木は、
よく見ると淡い水色の珊瑚のようでした。
足を動かしたら、
ひたり、と、
透き通った水が静かに撥ねました。
空は曇り、
地上のものに照らされて
雲が青く光っていました。
美しくも哀しい景色でした。
しかし女の子は何も思いません。
女の子は道を見つけました。
道があるから、
そこを歩き始めました。
女の子が歩くたび、
水がピシャリと撥ね、
道となっている貝殻が、
カリカリと音をたてます。




