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キドアイラク  作者: 虚虎 冬
プロローグ
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5/26

魔女には狂気しかなくて

 女の子は魔女に腕をつかまれました。

 逃げ出そうとしても、魔女の力が強くて、

 腕を振り払えません。

「あんたも殺してやろうか?

 そこに転がってる奴みたいに。

 ああ、いいことを思いついた」

 魔女は目を輝かせて、

 恐ろしいことを言います。

「あんたから、

 感情も、

 記憶も、

 全部、消してやろう。

 自分が何者かも、

 なんで生きているかも、

 分からないまま、

 だんだん、弱って、

 死んで行くのを見るのは、」

 楽しそうだねえ……。


 魔女の甲高い声を聞きながら、

 女の子の視界は黒く染まっていきました。

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