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鉄と血の王国 ~理想と現実の王殺し~  作者: レモンティー


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第五話:裁きの黒影─戦場を喰う者たち

黒い影、三つ。

――“処刑騎士団”。

王が戦場に放つ、ただ一つの答え。

「異議は認めない」という意思そのもの。

一歩。

それだけで、戦場の鼓動が止まる。

アレンの喉が鳴る。

「……来る」

レヴァルは、笑った。

「最高だぜ」

セラの指が剣に触れたまま止まる。

「慎重にいくべき」


処刑騎士団・第一接触

消えた。

そうとしか言えなかった。

「――ッ!」

次の瞬間、右翼が崩壊する。

悲鳴すら追いつかない。

「速さじゃない!空間を飛んでる……!」

二体目。

音が遅れて届く。

金属音。

セラの剣が受けた瞬間――

押し返されたのは剣ではなく“彼女の存在”だった。

「っ……重すぎる!」

足が初めて滑る。

戦場の均衡が壊れる音がした。

三体目。

動かない。

ただ立っている。

それだけで周囲の兵が膝をつく。

「……圧だけで戦場を潰す気か」

アレンの声が震える。

アレン

「戦術が……死んでる」

地図も意味がない。

布陣も意味がない。

“読めない”のではない。

読ませる気がない。

「これが……王の処刑か」

レヴァル

笑っていた。

血が冷えていくのを楽しむように。

「いいねぇ……」

「ようやく“本物の地獄”だ」

セラ・崩れかける均衡

一撃、防御、崩壊。

「くっ……!」

押されるたびに、理解する。

これは技じゃない。

これは力でもない。

――“格”だ。

「ここまで差があるなんて……!」

唇に血。

その瞬間。

黒影の割り込み

地面が割れた。

レヴァルが間に入る。

「女を斬らせる趣味はねぇ」

衝突。

世界が揺れた。

ドンッ!!!

初めての“停止”

処刑騎士団が止まった。

ほんの一瞬。

だが、それは戦場にとって異常だった。

「……止まった?」

アレンが息を呑む。

レヴァルの腕が悲鳴を上げる。

「ぐっ……この重量、ふざけてるだろ……!」

処刑騎士団・反応

黒い鎧が、わずかに“笑った”。

押し返す。

ではない。

“潰す”

レヴァルの足が地面を削る。

血が落ちる。

それでも――離さない。

「……いいじゃねぇか」

「これだよ、俺が欲しかったのは」

覚醒

空気が変質する。

レヴァルの周囲の“重力”が反転する。

「もういい」

「こっちも遊びは終わりだ」

剣が鳴いた。

解放

「――“壊す”」

一撃。

初めて。

処刑騎士団が――後退した。

戦場が凍る。

「……押した?」

「今、あの化け物を……?」

戦場の逆転兆し

レヴァルは笑う。

血を流しながら、楽しそうに。

「やっと戦争だ」

だが。

黒い鎧はまだ終わっていない。

形が変わる。

進化ではない。

“更新”だ。

第二形態

アレンの声が低くなる。

「……まだ、終わってない」

セラが構える。

「最悪ね」

レヴァルは剣を肩に担ぐ。

「上等だろ」

再結束

アレンが言う。

「今度は戦術じゃない。連携だ」

セラが短く答える。

「時間を作る」

レヴァルが笑う。

「全部ぶっ壊す」

三人の視線が揃う。

処刑騎士団・進軍再開

黒い影が歩く。

一歩ごとに、世界が沈む。

だが――

もう誰も逃げていない。

アレンが言う。

「行くぞ」

セラが剣を構える。

「ええ」

レヴァルが笑う。

「戦争だ」

そして――

戦場は、“本当の地獄”へ踏み込んだ。


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