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鉄と血の王国 ~理想と現実の王殺し~  作者: レモンティー


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18/21

第十八話:核へ

赤黒い光が戦場を覆う。

黒影の身体は限界まで膨れ上がり、鎧の隙間から禍々しい光が噴き出していた。

大地は震え続ける。

兵士たちは立っていることさえできない。

「逃げろォォ!!」

「爆発するぞ!!」

各所で叫び声が響く。

しかし――

アレンだけは走っていた。

一直線に。

黒影へ。


■最後の援護

「行かせるかァ!!」

黒影の前へ王血兵が立ちはだかる。

数百。

いや、千。

だが。

「邪魔だ!!」

レヴァルの大剣が唸る。

**ズガァァァァン!!**

王血兵が一直線に吹き飛ぶ。

黒狼式・戦域圧縮。

狭められた戦場で敵同士がぶつかり合い、前線が崩壊する。

「アレン!」

「前だけ見ろ!!」


■剣姫の道

セラも駆ける。

黒影へ近づこうとする処刑騎士団を迎え撃つ。

ガキィィィン!!

黒剣が火花を散らす。

「ここは通さない!」

一撃。

二撃。

三撃。

処刑騎士団の猛攻を受けながらも、一歩も退かない。

肩から血が流れる。

それでも剣を振るう。

「あなたは……行きなさい!」

その声は、アレンへ向けられていた。


■核

白銀剣ルミナスが静かに光る。

「核まで残り十五メートル。」

「右胸部。」

「装甲内部。」

アレンは頷く。

「分かった。」

黒影が腕を振るう。

巨大な衝撃波。

だが。

白銀領域がその衝撃を弱める。

アレンは止まらない。

十メートル。

八メートル。

五メートル。

「排除。」

黒影が拳を振り下ろす。


■黒狼の咆哮

ドォォォォン!!

拳は届かなかった。

レヴァルが受け止めていた。

腕から血が噴き出す。

骨が軋む。

それでも笑う。

「重てぇな……!」

黒影がさらに押し込む。

レヴァルの足元が割れる。

「だがよ……。」

「この程度で倒れるほど、俺は安くねぇ!」

黒狼の幻影が再び姿を現す。

「吠えろォォォ!!」

渾身の一撃。

黒影の拳が弾かれる。

「今だァ!!」


■到達

アレンが飛ぶ。

黒影の胸。

砕けた装甲の隙間。

そこには――

黒く脈打つ球体。

心臓のように鼓動している。

「これが……。」

「核。」

ルミナスが答える。

「確認。」

「破壊してください。」


■真実

その瞬間。

アレンの瞳に映像が流れ込む。

黒い玉座。

跪く騎士たち。

そして――

一人の青年。

白い鎧を身にまとった騎士。

その胸へ黒い核が埋め込まれる。

「……っ!」

アレンが息を呑む。

「あれは……人間?」

ルミナスが静かに答える。

「処刑騎士団は、人間を改造して造られた兵器です。」

「王家に忠誠を誓った騎士たちの末路です。」

アレンの手が震えた。

「そんな……。」

黒影の瞳が、一瞬だけ揺れる。

「……たす……け……。」

かすかな声。

機械のような黒影から、人の声が漏れた。


■決断

アレンは剣を握る。

「壊せば……。」

「この人も死ぬ。」

ルミナスが静かに告げる。

「はい。」

沈黙。

レヴァルが叫ぶ。

「アレン!!」

「迷うな!!」

セラも叫ぶ。

「早く!!」

黒影の身体がさらに赤く染まる。

自壊まで残りわずか。

黒影は苦しそうに呟く。

「……終わら……せ……て……。」

その言葉で。

アレンの迷いは消えた。

「……分かった。」

白銀剣を構える。

「あなたを。」

「必ず解放する。」

ルミナスが輝く。

「浄化機構、起動。」

白銀の光が刀身を包む。

「これは破壊じゃない。」

「救済だ。」

アレンは渾身の力で、

白銀剣を黒い核へ突き立てた。

ズァァァァァッ!!

白と黒、

二つの光が戦場全体を飲み込んだ。

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