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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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都会で

俺の左目は見えすぎる


だから、左目は常に眼帯をしている。別に高校生にもなって中2病を引きずっている訳ではない


そして、見えるというのは別に動体視力が良いという訳ではない


いや、動体視力自体はいい方だとは思うが、そういう意味では無いという事だ


そして、眼帯を外すと見得るのだ……霊が


「あそこ、壊れたバイクにまたがる頭のつぶれた男性が見える」


「あそこ、電柱に車がぶつかって、運転席でぺちゃんこになっている女性が見える」


「あそこ、歩道で腸がはみでた子供が見える」


という具合に、日常生活を送るうえで障害になるのだ


俺一人、歩道でふらふらとあっちへいったりこっちへいったりしていたんじゃ目立つだろ?


だから眼帯で目を塞いでいる。眼帯の裏にはお札が貼ってあるのだ


人に危害を加えようとする霊はほとんどいない


たいていが、自分が死んだことに気が付かないやつ。死んだ状態から変わらず、他人を襲う事なんて考えられない奴


まれに、恨みを持ってるやつがいる。こいつが人を襲う


土地に執着するやつ、物に執着するやつ、殺されたやつ


土地に執着するやつは、そこに近づくと襲ってくる


物に執着するやつは所有者に呪いをかける


殺されたやつは、殺したやつを恨む


だが、たまに無差別に人を恨むやつが居る。妬みと言った方が良いだろうか


不幸なまま死んだと思ってるやつがそうだ。自殺者がそれだな


自覚がある分だけ悪霊になりやすい


はぁ……だから都会は嫌なんだ


どこもかしこも霊ばかり。人が多いから当たり前なんだが……


だけど都会人が街で霊に襲われることは少ないだろう


良くも悪くも無関心だからな


……塀からこちらをジッと見ている霊が居るな


殺されて庭に埋められたってところか……


はぁ、どこかに霊の居ない場所は無いのだろうか

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