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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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古民家再生

ある井戸があった


そこは既に水が出なくなって使われていない古井戸だ


ある日、古民家再生ということで、誰も住まなくなった古い建物をリフォームし、外見は古いままで中身は最新の建物として売りに出された


その際、庭にあった古井戸は放置されていたそうだ


東京で定年を迎え、余生は田舎で暮らしたいと思っていたある男性がその建物を購入した


中身は揃っているのですぐに居住可能であった


住んでいたアパートを引き払い、さっそくそこに住むことにした


夜、ベッドで寝ていると、床下からカサコソという音がする


まあ、田舎だしそういうこともあるだろうと気にしていなかった


しかし、数日たち、さすがに気になってきたので床下を調べてみた


特段おかしなところはなかったが、床板にひっかいたような傷がついていた


「ハクビシンか何かが住み着いているなら嫌だな……」


そう思った彼は床下に防犯カメラを仕掛けた


もし、そういう動物が映っていればすぐに罠を仕掛けるつもりだった


その日もカサコソと音がしたので、次の日にビデオを再生してみた


すると、夜になると白い何かが床下に入ってくるのが見えた


「まさか……骨か?」


白い何かは匍匐前進をする骨に見えたが、よくよく見ると違っていた


それは白い虫のようだった。それが塊となっていたので骨に見えていたようだ


それが床下につくと、カサコソと床板をこすり始めるようだった


すぐに虫が来た方向を調べると、そこには古い井戸があった


はしごを使って下に降りてみると、白い虫が見えた


「さっさと駆除するか……」


何の虫かは分からなかったが、ここに殺虫剤でも放り込めばいいだろう


そう思っていたのだが、何かを察したのか、虫たちはカサコソと逃げ始めた


虫たちが居なくなった場所にまだ白い何かが残っていた


一瞬、フンか何かだと思ったけれど、よく見ると小動物の骨のようであった


あとで聞いた話では、この家で飼っていた猫が、いつの間にかいなくなった事件があったそうだ


その猫は、家主に餌をねだる時、床板をこする癖があったそうだ


それと虫が関係あるかどうかは分からないが、床下におもちゃの餌を置くと音はしなくなった

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