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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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助けてあげない

僕達は公園で遊んでいました


その公園には池があって、僕は泳げないからそこへは近寄らないようにしていました


けれども、僕が蹴ったサッカーボールが運悪くベンチに座っていた女の人に当たってしまいました


その女の人は、僕を睨むと、ボールを拾いました


「ごめんなさい。拾ってくれてありがとうございます」


僕はすぐに謝ったけれど、女の人は僕を睨むのを止めず、さらには後ろを向きました


どうするのかと思っていたら、池に向かってボールを投げました


「あっ!」


僕は驚いて声をあげたけれど、女の人は僕を無視してベンチに座りました


「おまえが蹴ったんだから、お前がとって来いよ!」


友達は僕に取りに行かせたいようです。確かに僕が蹴ったんだけど、池に入れたのは女の人なのに……


しかし、ボールを無くすとお母さんに怒られます。僕は泳げないから、長い棒でボールを引き寄せることにしました


幸い、棒が届く程度の距離だったのです


「おい、後ろ!」


友達が叫びました


いつの間にか、僕の後ろに女の人が立っていました


「な、なにか……」


僕がそう言いかけた時、女の人はドンッと僕を池に突き落としました


「た、助けて、泳げないんだ!」


「来世まで助けてあげない」


女の人はそう言ってベンチに戻っていきました


近くに居た友達が、僕の持っていた棒を差し出してくれたので、それに掴まって何とか岸に戻れました


女の人はすでにどこにも居なくなっていました


不思議なことに、サッカーボールも濡れていない状態で岸に置いてありました


僕は、怖くなってエーン、エーンと泣き続けました


友達もつられてエーン、エーンと泣きました


大人たちが事情を聞いてくれて、付近を探したようですが、女の人は見つかりませんでした


僕はもう、公園で遊ぶことができそうにありません

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