第20話ー2
しばらくしてソフィアの修正が終わると、二人の女性はようやく満足したようだった。
「これでいいわ。やれば綺麗にできるじゃない!!」
「もう、これからはこんなに私たちを待たせるようなことはやめるのよ」
「本当に、あなたは、いつまで経っても半人前なんだから」
それでもまた嫌味を言いながらも品物を丁寧に布で包んで箱にしまった。
二人は荷造りを終えると、立ち上がって扉の方へ向かった。
そして部屋を出る直前に、ふと思い出したようにソフィアを振り返る。
「そうそう。では、今日の分はこのパンを食べなさい」
「ありがとうございます!!!二つもいただけるんですか?とても嬉しいです!」
ソフィアの顔がぱっと明るくなった。
「あなたが頑張った分、こちらの干し肉もつけて差し上げるわ」
「本当にありがとうございます!どうか、どうか聖女様にもよろしくお伝えください!」
「ええ。表の宿へ移ったら、お伝えしてあげるわ」
ソフィアは心から嬉しそうな表情で、二人にもう一度深々と頭を下げた。女性たちはそれを当然のことのように受け止め、優雅に煌びやかなドレスを揺らしながら、部屋から出た。ソフィアも一緒に、二人を外まで見送るために追いかけていったようだった。
扉が閉まると、室内には再び静けさが戻った。
オクトは誰もいなくなった部屋を確認して、棚の外へ出た。
同じように、ミルコも向かいの扉を開けて出てきた。
「……なんてひどい状況だ」
オクトは怒りで声を上げそうになるのを、どうにかこらえてつぶやいた。
ラーナもその言葉に深く頷いていた。
「あの方が、女神像を掘ってらっしゃるのですね」
「ええ、そのようです」
「……」
「十体もの彫刻を作って、報酬はパン二つと干し肉だけだと?あの女神像は、一つ千クラウンもするのに!!?彼女は、自分の作品がいくらで売られているのか、知らないのか……?」
あまりの理不尽さに、ミルコは大きな身振りで頷き、怒りを抑えきれない様子だった。
「しかも!あの女たちの豪華なドレスを見たか?いったい、どれだけ彼女の財産を貪っているんだ?!本当の彫り師をこんなところに閉じ込めて、自分たちだけが莫大な財を築いているなんて……許せない!」
彼女と教団の二人の様子を見て、オクトとミルコは、やっと不思議に思っていたことのパズルのピースがつながった。本当に素晴らしい彫刻を作り上げているソフィアに対し、教団は足枷をして、言葉で貶め、外部から隠し、奴隷にして従わせることで金儲けをしているのだーーと。




