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「RPGパラレル・パラドックス」  作者: しんTAKA


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78/86

RPG FINAL STORY BONUS TRACK(ボツ!)

― ボツになったシーンより ―


※以下は制作途中で没になったシーンです。本編とは異なる展開を含みます。読後のおまけとしてお楽しみください。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第四〜五話 のボツネタ



「何を言ってるんだ。君の夢に俺が出たって? 俺は君のこと、何も知らないのに」

「そう、直接的には知らない。でも、あなたは知っています。よく私の顔を見てください。きっと気づくはずです」


俺は彼女の顔をよく見た。

確かに以前、どこかで会ったことがある気がした。

しかし、思い出せない。


「シーさん、ダメ。考えないで」


不意に恵理が遮った。

しかし、歌蓮は恵理を無視して、喋り続けた。


「崇さん、私の最後の歌、聴いてくれました?」

「いや、恵理が具合悪くなって、外に出たんで聴いてはないけど、『Alternate Reaなんとか』って曲?」

「いいえ、『Alternate Reality』は最後から二曲目。最後は『Witch』という曲です」

「『Witch』? へぇ、そうなんだ。で、それがどうしたの?」

「気づきませんか? 『Witch』、こんな曲ですよ」

「ダメ、シーさん、聴かないで」


急に恵理が叫んだ。

しかし、歌蓮は無視して歌い始めた。


♪魔法の鏡を覗いたら 

あなたの心は映るかしら……


「え、『魔女』?……どうして君がこの歌を?」


俺がびっくりしてると、


「私の母の名は『水澤佳穂』」

「ミズサワ……カホ……?」

「旧姓、端本佳穂」

「え、KAHOちゃんの娘?」


(いや、それはあり得ない。KAHOちゃんは俺と同じ歳だ。九月三日、そう今日で二十七歳。十九歳の娘がいるはずがない)


「君は何を言ってるんだ? KAHOちゃんは今日で二十七歳だ。君みたいな子がいるはずがない。それに彼女はまだ結婚していないはずだ」

「覚えてくれてたんですね。母の誕生日」

「そりゃ、KAHOちゃんの誕生日は忘れてない。でも、君がKAHOちゃんの娘であるわけがないだろ」

「ふふふ、それがあるんですよ。お父さん」

「え、お父さん?」

「ダメよ、シーさん。これ以上、彼女の話を聞いたらダメ。歌蓮、やめて。こんなことすれば、あなただってタダでは済まないわ」


恵理は必死に止めた。

しかし、歌蓮はやめなかった。


「恵理さん、注告ありがとう。でも私も逃げるわけにはいかないの。ここで崇さんと話すのが私の運命なのだから」

「運命?」


と、その時、ガチャッと扉が開いて、マスターが顔を出した。


「歌蓮、ここにいたのか。みんなが君の話を聞きたいって。中に入っておいで」

「わかった。すぐ行く」

「恵理ちゃん、大丈夫かい? まだ苦しい? 病院行くかい?」

「いいえ、大丈夫です、マスター。もうだいぶ落ち着きましたから。もう少しここで休ませてください」

「そうかい。休むのは全然、構わないよ。何かあったら言ってくれ。歌蓮、恋人同士の邪魔しちゃダメじゃないか。さあ、お入り」

「……わかったわ、マスター。じゃ、崇さん、今度は約束守ってね」


そう言って、歌蓮は店の中へ入っていった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第九話のボツネタ



目覚めると、ギターの音が聴こえた。

俺は寝ぼけ眼で辺りを見渡した。

……どうやらHere Afterのテーブルに突っ伏して寝込んでいたらしい。

ステージでは大学生の男性が二人、デュオで演奏をしていた。


と、マスターが声をかけてきた。


「安岡氏、疲れてるの?」

「あ、マスター、ごめんなさい。このところ忙しくて、ついうとうとしちゃったみたい」

「まぁ、仕事も大事だからね。ここに来た時はゆっくりしてよ。それと、KAHOちゃんとのライブもまた頼むよ」

「え、KAHOちゃん?」

「そうだよ。先週も一緒にここで歌ってじゃない。みんな感動してたよ」

「いや、俺が一緒に演奏していたのは恵理で」

「エリ? 誰、それ? 何、寝ぼけてんの? あー、そうか。安岡氏、モテるからねぇ」


マスターはニヤニヤした。


「いや、そんなんじゃなくて、俺はここでずっと恵理とライブしてたでしょ? ほら、『パラドックス・プレイス』とか……」

「ん? そんな曲、聴いたことないなぁ。君とKAHOちゃんの曲なら、やっぱり『あなたと愛の丘で』がいいよ」

「『あなたと愛の丘で』?」

「そうそう。あれが心に染みるんだぁ。来週あたり、また頼むよ」

「……あ、ああ、わかりました」


俺は曖昧に答えた。


わからないが、恵理の存在が消えている。


こういう世界線もあったんですよね。

何故、ボツになったのか、本編と比べてみても面白いかもしれませんね。



あと……、


「恵理、なんでここに?」

「何言ってるの? シーさん、寝ぼけてる?」


と、恵理は少し照れた顔になった。


「ふふ、シーさん。しちゃったね」

「え?」

「やっと私たち、そうなれた。ちょっと恥ずかしい。でも、うれしい」  


なんていう世界線もボツ。笑

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