RPG FINAL STORY BONUS TRACK(ボツ!)
― ボツになったシーンより ―
※以下は制作途中で没になったシーンです。本編とは異なる展開を含みます。読後のおまけとしてお楽しみください。
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第四〜五話 のボツネタ
「何を言ってるんだ。君の夢に俺が出たって? 俺は君のこと、何も知らないのに」
「そう、直接的には知らない。でも、あなたは知っています。よく私の顔を見てください。きっと気づくはずです」
俺は彼女の顔をよく見た。
確かに以前、どこかで会ったことがある気がした。
しかし、思い出せない。
「シーさん、ダメ。考えないで」
不意に恵理が遮った。
しかし、歌蓮は恵理を無視して、喋り続けた。
「崇さん、私の最後の歌、聴いてくれました?」
「いや、恵理が具合悪くなって、外に出たんで聴いてはないけど、『Alternate Reaなんとか』って曲?」
「いいえ、『Alternate Reality』は最後から二曲目。最後は『Witch』という曲です」
「『Witch』? へぇ、そうなんだ。で、それがどうしたの?」
「気づきませんか? 『Witch』、こんな曲ですよ」
「ダメ、シーさん、聴かないで」
急に恵理が叫んだ。
しかし、歌蓮は無視して歌い始めた。
♪魔法の鏡を覗いたら
あなたの心は映るかしら……
「え、『魔女』?……どうして君がこの歌を?」
俺がびっくりしてると、
「私の母の名は『水澤佳穂』」
「ミズサワ……カホ……?」
「旧姓、端本佳穂」
「え、KAHOちゃんの娘?」
(いや、それはあり得ない。KAHOちゃんは俺と同じ歳だ。九月三日、そう今日で二十七歳。十九歳の娘がいるはずがない)
「君は何を言ってるんだ? KAHOちゃんは今日で二十七歳だ。君みたいな子がいるはずがない。それに彼女はまだ結婚していないはずだ」
「覚えてくれてたんですね。母の誕生日」
「そりゃ、KAHOちゃんの誕生日は忘れてない。でも、君がKAHOちゃんの娘であるわけがないだろ」
「ふふふ、それがあるんですよ。お父さん」
「え、お父さん?」
「ダメよ、シーさん。これ以上、彼女の話を聞いたらダメ。歌蓮、やめて。こんなことすれば、あなただってタダでは済まないわ」
恵理は必死に止めた。
しかし、歌蓮はやめなかった。
「恵理さん、注告ありがとう。でも私も逃げるわけにはいかないの。ここで崇さんと話すのが私の運命なのだから」
「運命?」
と、その時、ガチャッと扉が開いて、マスターが顔を出した。
「歌蓮、ここにいたのか。みんなが君の話を聞きたいって。中に入っておいで」
「わかった。すぐ行く」
「恵理ちゃん、大丈夫かい? まだ苦しい? 病院行くかい?」
「いいえ、大丈夫です、マスター。もうだいぶ落ち着きましたから。もう少しここで休ませてください」
「そうかい。休むのは全然、構わないよ。何かあったら言ってくれ。歌蓮、恋人同士の邪魔しちゃダメじゃないか。さあ、お入り」
「……わかったわ、マスター。じゃ、崇さん、今度は約束守ってね」
そう言って、歌蓮は店の中へ入っていった。
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第九話のボツネタ
目覚めると、ギターの音が聴こえた。
俺は寝ぼけ眼で辺りを見渡した。
……どうやらHere Afterのテーブルに突っ伏して寝込んでいたらしい。
ステージでは大学生の男性が二人、デュオで演奏をしていた。
と、マスターが声をかけてきた。
「安岡氏、疲れてるの?」
「あ、マスター、ごめんなさい。このところ忙しくて、ついうとうとしちゃったみたい」
「まぁ、仕事も大事だからね。ここに来た時はゆっくりしてよ。それと、KAHOちゃんとのライブもまた頼むよ」
「え、KAHOちゃん?」
「そうだよ。先週も一緒にここで歌ってじゃない。みんな感動してたよ」
「いや、俺が一緒に演奏していたのは恵理で」
「エリ? 誰、それ? 何、寝ぼけてんの? あー、そうか。安岡氏、モテるからねぇ」
マスターはニヤニヤした。
「いや、そんなんじゃなくて、俺はここでずっと恵理とライブしてたでしょ? ほら、『パラドックス・プレイス』とか……」
「ん? そんな曲、聴いたことないなぁ。君とKAHOちゃんの曲なら、やっぱり『あなたと愛の丘で』がいいよ」
「『あなたと愛の丘で』?」
「そうそう。あれが心に染みるんだぁ。来週あたり、また頼むよ」
「……あ、ああ、わかりました」
俺は曖昧に答えた。
わからないが、恵理の存在が消えている。
こういう世界線もあったんですよね。
何故、ボツになったのか、本編と比べてみても面白いかもしれませんね。
あと……、
「恵理、なんでここに?」
「何言ってるの? シーさん、寝ぼけてる?」
と、恵理は少し照れた顔になった。
「ふふ、シーさん。しちゃったね」
「え?」
「やっと私たち、そうなれた。ちょっと恥ずかしい。でも、うれしい」
なんていう世界線もボツ。笑




