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「RPGパラレル・パラドックス」  作者: しんTAKA


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RPG FINAL STORY EXTRA

【フェーズ 安岡家の未来の日常】


「ただいま」

「遙、おかえり。ヨウコ、来てるわよ」

「え、ヨウコちゃんが?」

「ヨウコ“おばさん”でしょ?」

「だって、おばさんって言うとヨウコちゃん、怒るんだもの」

「しょうがないわね。ヨウコは」

「どこにいるの?」

「遙の部屋で待ってるわよ」

「わかった」

「後で紅茶でも持ってくね」

「ありがと」


遙は急いで自分の部屋に入った。


「ヨウコちゃん、いらっしゃい」

「遙、おかえり。部屋で待たせてもらったよ」

「うん、ヨウコちゃんならいいよ。お母さんはダメだけど」

「あら、反抗期ですか?」

「そんなんじゃないけど、なんか腹立つんだよね」

「ふふ、それを反抗期って言うの」

「ヨウコちゃん、お母さんに何か言われたの?」

「うん、『最近、遙が私の手に負えないから、ちょっと話を聞いてやって』って」

「もう、そういうのが腹立つのよ!」

「ふふ、でも、お母さんが嫌いなんじゃないでしょ」

「うん、そんなことはない」

「じゃ、いい」

「あ〜あ。でもお母さん、なんであんなに厳しいのかなぁ。お父さん、お母さんのどこがよかったんだろ?」


ヨウコは笑いながら、

「お母さん、お父さんのことめっちゃ好きだったのよ」

「へぇ、そうなんだ」


と、ヨウコは、スマホのフォトにあった、崇とユキノ、それに自分と佐藤がオアシスのカウンターに座って撮った写真を見せた。


「えー、これがお父さんとお母さん? あ、ヨウコちゃん若〜い。隣の男性は誰?」

「その時、付き合ってた人」

「別れたの?」

「まぁね」

「はぁ、ヨウコちゃんは恋多き女性だからねぇ」


遙は少し呆れたように言った。

ヨウコは笑いながらフォトを閉じた。

その時、遙は、スマホの画面に見慣れないアプリがあるのに気づいた。


「ねぇ、ヨウコちゃん。これ、何?」

「え? ああ、これ? ふふ、これはねぇ、恋愛ゲームアプリ」

「へぇ、そんなのあるんだ」

「まぁ、特注アプリだから一般には知られてない」

「なんで、そんなの持ってるの?」

「まぁ、『恋多き女の戦利品』とでも、言っておくわ」

「怪しいなぁ。女としての『妖しい』が正しいのかな?」

「ふふ、どっちも正しい。……やってみる?」

「え、できるの? やってみたい」

「そっか、じゃあねぇ、ちょっと待ってよ。久しぶりだから、うまく動くかな……? あ、」

「どうしたの?」

「いや、昔のログが残ってた。ちょっと待って。もしかしたら前回の経過を映像で再生できるかもしれない」

「え、ほんと? 見たい見たい」


ヨウコはスマホを器用にいじると、


「これでよし、と。せっかくだから、そこの壁に投影して大きくしてみましょ」

「え、そんなことできるの? さすがヨウコちゃん。なんでもできるね」

「褒めてくれても何も出ないぞ。あ、映像は出るか。じゃあ流すね」


そこに映し出されたのは、どこかの街の夕暮れの景色の中、交差点付近に駐車した車の中で話している男女の姿だった。


「何? 何が始まるの」

「まぁ、見てなさいよ」

「……この男の人は?」

「崇さん」

「え、お父さん?」

「そう、お父さんのアバターね」

「あ、そういうことか」

「じゃあ、この女の人は……」

「お母さんの使ってたアバターの『彩乃』ちゃん」


遙は興味津々といった感じで映像をずっと見ていた。


「あ、キスした、お父さん積極的〜」

「おう、崇さんやるねぇ」

「なんかちょっと恥ずかしいな」

「まぁ、そうだろうね。お母さんには内緒よ」

「うん、わかってる」

「それより、あんたもこれ、やってみる?」

「え、できるの?」

「うん、自分でキャラクター決めてプレイすればいいの」

「わかった。詳しい設定教えて」


と、部屋をトントンとノックする音が聞こえた。

二人は慌てて、映写を消し、何事もなかったように別々に座った。


扉が開いて、紅茶をトレイに入れたユキノが入ってきた。


「はい、紅茶……って、なんか変ね?」

「何が?何も変じゃないわよ。ねぇ〜、ヨウコちゃん」

「ええ、何も変じゃない。普通に話してただけよねぇ」

「もう、相変わらず私だけ除け者なんだから。まぁ、いいわ。ヨウコ、遙のこと、よろしくね。遙、ヨウコの言うこと、ちゃんと聞くのよ」

「聞いてるもんねぇ、ヨウコちゃん」

「ねぇ〜」


二人はふざけるようにそう言った。

ユキノは、


「はいはい、お邪魔さま」


と言って、部屋を出ようとした。

その時、パッと素早い動きでヨウコのスマホを取り上げた。


「あ、なにするのよ」


ユキノはスマホに映った画面を見ると、みるみるうちに顔が紅潮してきた。

が、そこはユキノ。冷静を装って、


「遙」

「はい」

「あなた、どこまで見たの?」

「え?」

「どこまで見たの?」

「えっと……」

「答えなさい」

「……キスしたところまで」

「それ以上、見てないよね?」

「見てないよ」


と、ヨウコが遙に何かささやいた。


「ヨウコ?」

「いや、別に何も」

「遙、何言われたの?」

「いや、まだ続きがあるって」

「ヨウコォォォォ!!」

「いいじゃない。遙が大人になるための勉強なんだから」

「私のじゃなくていいでしょ。あなたの見せなさいよ」

「えー、やだ」

「なんで?」

「だって、ユキノ、完璧なんだもん」

「え、お母さん、完璧なの?」


ユキノは真っ赤な顔になった。


「ヨウコ、いい加減にしなさいよ。全く」

「ヨウコちゃん、早く続き見せて」

「遙もいい加減にしなさい!」

「いいじゃん。面白そう」

「遙ァァァァ!!」



RPG FINAL STORY

~ Infinite Worlds ~


CAST


安岡崇

立山恵理=三井彩乃


歌蓮(水澤華蓮=端本玲奈)

安岡遙


水澤誠治(Here Afterマスター)

水澤佳穂(KAHO)


栗山みゆき


吉田陽子ヨウコ

安岡ユキノ


主題歌

『メタバースの中の真実』


たとえこの世界が虚構いつわり構造せかいでも

ここでしか存在いきられない私には

たった一つの紛れもない

生きるための真実


あなたにめぐりあった奇跡

あなたと愛し合う奇跡


時間 空間 すべては

並行となりに流れる景色


信じられるものは 抱きしめられた温もり

このままの虚構げんじつを受け止めて

たった一つの構造せかいの中

私はあなたと生きてゆく



制作・著作

しんTAKA倫理委員会2026

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