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「RPGパラレル・パラドックス」  作者: しんTAKA


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RPG FINAL STORY 第二十話

【フェーズ Thank you for finding me】


「……さん、シーさん。シーさんってば」

「ん? ……恵理?」

「こんなところで寝てたら風邪ひくよ」

「あ、いつの間にか寝ちゃったのか」

「もう大丈夫か?」

「うん、シーさんの味がする卵がゆ食べたから、もう元気」

「何言ってんだよ。まぁ、そんなことが言えるならもう大丈夫だな」

「うん。シーさん、ありがとね」

「そんなお粥くらいで大袈裟だよ」

「ううん、そうじゃない」

「え?」

「ちゃんと私のこと、覚えててくれた。そして私を見つけ出してくれたってこと」

「……なんのこと?」

「そっか、忘れちゃったのか。それならいい」

「よくわからんな。今日の恵理はわからないことばっかりだ」

「ふふ、そうね。でも私だけじゃない。高校時代に好きだった子のこと、覚えてる?」

「ああ、みゆき?」

「ううん、もう一人いるでしょ?」

「いや、いない。付き合った子はいない」

「そうね。でも大学時代に付き合うことになった子」

「え、それって……」


と、恵理は俺にキスをした。


「ん? なに……」


急に頭の中に彩乃との初めての夜のことが浮かんだ。

まるでついさっきのことのように鮮明に。

俺は急に恥ずかしくなり、恵理の唇から離れた。


「ね、シーさん、思い出した?」

「……ああ、思いだした。そうか、お前が……」

「ええ、そう」

「彩乃、か。そうか、俺は彩乃のこと……え、まさか、お前は……」

「……そうよ。私よ、崇君」


そう言うと目の前の恵理が、スーッと懐かしい顔に変わった。


「彩乃……」

「やっと気づいてくれた。私からは言えなかったからね」

「なぜ、こんな……?」


俺は理解が追いつかなかった。


「そういう宿命とでも言っておくわ」

「彩乃、お前は一体……」

「でもね、今回、私は、あなたに対して誠実じゃなかったから、謝らなきゃ。ごめんなさい」

「いや、謝らなくていい。こうして俺の元に戻ってきてくれたんだから」

「そうかなぁ? 私、ずいぶんズルしたんだよ」

「ズル?」

「ストロー捻じ曲げたり、ノートに花火書いたり、崇の『シ』って書いたり」

「え、あれはお前が書いたのか?」

「そう。でも、それでも恵理の元へ帰って来るとは思ってなかった」

「ん、どうして?」

「だってKAHOさんに会ったら、崇君、あっという間にあの人のことしか考えなくなったじゃない。あ、もう永遠に帰って来ないって思った」

「何言ってるんだ。俺が元に戻れたのはお前がたくさんヒントをくれたからじゃないか。やっぱりお前は俺にとって大切な人なんだよ」

「……彩乃のことは思い出せなかったのに?」

「それはお前が俺の記憶を操作したからだろ?」

「バレたか」

「バレたか、じゃない。なんでそんなことしたんだ?」

「仕方なかったのよ。この世界のルールに沿って行動するしかなかったから」

「この世界のルール?」

「あー、知らなくていい。知ったら、あなた、それこそ死ぬわよ」

「……そう、なのか……彩乃がそう言うなら聞かないことにする。でもお前が俺の記憶を操作したんなら、俺もお前のこれからの記憶を操作してやる」

「バカ。そんなことできるわけな……」

俺はそう言う彩乃の口を塞ぐようにキスをした。

彩乃は戸惑った目をしたが、やがで俺に身をまかせるようになった。


そして、そのまま、俺は彩乃との関係を取り戻した。


明け方。

彩乃が眠っている。


俺は寝ている彩乃をおいて机の椅子に座った。

そこには長い間使っていた作詞ノートがあった。

何気なくページを開く。


ノートをめくりながら、思い出せないことがたくさんある気がした。

しかし、それでも、真実と呼べるものだけは手元に残った確信があった。


と、


『君をさがしてる』


自分で書いた文字があった。

その下に、自分の字ではない、でも見覚えのある筆跡があった。


『見つけてくれて ありがとう』


RPG FINAL STORY

~ Infinite Worlds ~


FIN

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