RPGセカンドストーリー 第十七話
【フェーズ Love Romance?2】
車を降りると、彩乃は慣れた感じで、部屋のタイプが映った写真から一つを選んで押した。
すると、矢印のライトがついて、部屋までのルートが示された。
彩乃はスタスタ歩いて先に部屋に入り、ドアを持ったまま、俺が中に入ったのを確認してドアを閉めた。
「なんか慣れてるね」
「まあね」
「誰かと来たことあるの?」
「まあね」
「え、ってことは……」
と、彩乃はふかふかのダブルベッドにドンと座って、
「まぁ、ここに座って」
と、自分の隣を指差した。
俺は、言われるまま、彩乃の横に座った。
「えっと、さっきの『誰かと来たことある』って話だけど……」
「そうよ、私、初めてじゃないの」
「あ、……そうなんだ」
「って、こんなところに来るのが初めてじゃないってことよ」
「え?」
「前に、のっこと入ったことあるの。こんな感じのところに」
「え、それって、彩乃はのっこちゃんと……」
「そう」
「……そうなんだ」
「一緒に泊まったの。『いつか、こんなとこに来ることがあるだろうから、慣れとこう』って、のっこが」
「へ?」
「ふふ、崇君、変な想像したでしょ?」
「え、あ、いや、してません。そんな、彩乃とのっこちゃんが、そんな……」
「あー。めっちゃ、想像してるなぁ」
「はい、ちょっと想像しました」
「あのね、去年の夏休み、崇と会った次の日に、のっこの家に遊びに行ったの。報告も兼ねて」
「報告?」
「そう、無事、崇君と付き合うことになりましたって」
「え、のっこちゃんに、何でそんな報告を?」
「私、崇君に高三の時、キスしたでしょ。でも、あれから何も進展なかったから、だんだん不安になって、のっこにキスのこと、打ち明けたんだ」
「あ、じゃあ、あのキスのこと、のっこちゃんは知ってたんだ」
「そうよ。で、卒業してからも時々、連絡くれて。私が他の人から付き合ってほしいって言われた時も真剣に話を聞いてくれて、『自分の気持ちをきちんと整理してからにしなさい』って言われた。それで去年の花火の時に勇気出して、崇君に『明日、話せる?』って聞いたの」
「そうだったんだ」
「あの時だって、のっこが、『今、安岡君、一人になってるから行っといで』って背中を押してくれたの」
「そうかぁ、じゃあ、のっこちゃんがいなかったら、今頃、彩乃は他の人と付き合ってたかもしれないんだ」
「そうよ。でも、それは崇君もおんなじでしょ?」
「KAHOさんだけじゃなくて、なおこさんも、みゆきも、みんな、あなたに惹かれてる」
「いや、そんなことは……」
「やっぱり、気づいてないのは崇君だけね。ま、それが崇君なんだけど」
「それで?」
「うん、『無事、キスのお返しもらいました』って報告した」
俺は真っ赤になって、
「お前、そんなこと人に言うなよ。恥ずかしいだろ」
「やっぱり、怒った」
「お前、そうやって、俺の反応見て、楽しんでるな? まさか、これものっこちゃんに言うんじゃないだろうな?」
「どうしよっかなぁ」
「おい、彩乃!」
「ふふ、言わないわよ」
「あ、ああ、それならいいんだ」
「でね、きっと近いうちにこういうこともあるかもしれないから、二人で下見しよって、のっこの車で入ったことがあるの。こういうところに」
「ああ、そういうことか」
「『そういうことか』って言うけど、私がリードしなかったら、崇君、ちゃんとここに入れた?」
「あ、いや、それは……」
「ね、女の子はそうやって、前もって準備しておくものなのです」
「そうなんだ……ってことは、つまり……」
「そう、男の人とこんなところに来るのは初めてよ」
俺は急にドキドキした。
隣にいる彩乃の匂いが少し妖しい気分を誘っている。
彩乃の目を見ると吸い込まれそうな気持ちになった。




