RPGセカンドストーリー 第十三話 夜のドライブへ
【フェーズ Night Drive1】
俺と彩乃は車を停めてあるショッピングモールへ向かった。
あたりはもう暗くなりかけていた。
「崇君、私、お腹すいちゃった」
「ああ、昼から何も食べてないからな。ショッピングモールで何か食べてく?」
「うん、軽いものでいい」
「そうだな。ハンバーガーでも食べてくか?」
「うん」
二人はハンバーガー店で軽い夕食を取った後、車に戻った。
「さて、帰るとしますか。すっかり、遅くなってごめんね」
「崇君、このまま少しドライブしない?」
「え? いや、でも遅くなるから……」
「ね、どっか行こ。……私、このまま帰りたくない」
彩乃は助手席で正面を向いたまま、そう言った。
「そうだな。俺も、このまま帰りたくない。少し、その辺、ドライブしよっか」
「うん」
俺は車のイグニションキーを回した。
「……とは言ったものの、どこ行こっか?」
「うん、実は前から気になってたところがあるの。そこ行ってみない?」
「え、どこ?」
「うん、山峰公園」
「山峰公園って確か……」
「そう、カップルが行ったら必ず別れるって言われてるところ」
「なんで、そんなところに? まぁ、確かにあそこから見える夜景は綺麗だって言うけど……」
「だから行くの」
と、彩乃は俺の方を向いて、
「行って、私たちは別れたりしないって証明する」
まっすぐな目をして、そう言った。
「わかった。でも、かなり遅くなるよ」
「いいの。崇君と一緒に行きたいから」
「よし、じゃあ行こう」
俺はブレーキを踏んで、オートマのギアをPからDに入れ、ゆっくりとアクセルを踏み込んだ。
街の灯りが後ろへ流れていく。
俺たちを乗せた車は、夜の山へ向かって走り出した。
市街から外れて登山道へ入ると、急に車の数が少なくなった。
こんな時間に山峰公園に来るのは……、と考えて、俺はフッと笑った。
「え、何?」
彩乃が気づいて訊いてきた。
「いや、車、めっきり減ったから、こんな時間にここに来るのは、別れることを恐れない俺たちみたいなカップルか、別れたいカップルくらいかなぁって思ったら、ちょっとおかしくって」
「あは、別れたいカップル? どんなカップルよ。別れたいなら、こんなとこまで一緒に来ないでしょ?」
「そう、来ない。だから、そう思った俺がおかしかったの」
「ああ、そういうことね。わかんないわよ。公園に着いたら、そんな修羅場のカップルがいたりして」
「んなわけないだろ〜」
「だよね〜。いくら別れの名所とは言っても、流石にそれはね」
などと言ってるうちに山峰公園の駐車場に着いた。
俺たちは車を降りて、夜景のスポットといわれるところまで歩いた。
と、一組のカップルがいた。
が、どう見ても喧嘩の真っ最中だった。
俺と彩乃は、
(ほんとにいた)
という気持ちで、お互いの顔を見合わせた。
すると、カップルの男性がこっちに近づいてきた。
「あの、すみません……」




