表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「RPGパラレル・パラドックス」  作者: しんTAKA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/86

RPGセカンドストーリー 第九話

(前回からの振り返り)


俺は咄嗟に、


「待って、忘れ物」

「え?」


振り返ったみゆきに俺は今度こそ、口づけをした。

みゆきは、驚いたように目を大きくしたまま、俺を振り解いた。


「何するのよ」

「わからない。でも、勝手に体が動いた」

「バカ。崇のバカ。こんなことしたら崇を忘れられなくなるじゃない」

「そうだよな。でも、お前だって、このまま終われないだろ?」

「……うん。本当は終われない。わかってる。崇、……ごめんね」


そう言うと、みゆきは目を閉じた。

俺は、彼女にもう一度、キスをした……。

【フェーズAYANO→YOKO】


と、目の前が急に真っ暗になった。



・・・・・・・・・・stop system 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

>フェーズAYANOへの移行を中止します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

>フェーズYOKO起動。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


気づくと、俺は見知らぬ部屋にいた。

部屋は夕焼けみたいな琥珀色の光に包まれている。

席は三つだけ。

半透明のレースカーテンの向こうに、 誰かが座っている気がするのに、 顔は見えない。

壁の時計は動いていないのか? 

やけにゆっくりしているように見える。

部屋の奥では、 古いジュークボックスが、 ノイズ混じりのラブソングを流している。

その曲に合わせるみたいに、笑い声が聞こえてきた。


「ダメじゃない、あそこでキスしちゃ」


その声に聞き覚えがあった。


「ヨウコ?」

「ほら、あそこでキスするから彩乃に会えなくなったでしょ。ここでGAME OVERね」

「GAME OVER?」

「でも、さすが、みゆき。魔性の女の本領発揮ね。あれに耐えられる男はなかなかいないわ」

「どういうことだ?」

「のっこちゃんが『彩乃を泣かせるようなことしたら承知しないから』ってあれだけ忠告したのに。あと一日、我慢すれば、彩乃が帰ってきたのに。……残念ね」


俺はわけがわからなかった。


「せっかく私がこの物語を乗っ取って、あなたにもう一度、チャンスをあげたのに。崇、ダメね」

「何言ってるんだ? 俺はただ、みゆきと——」

「みゆきと何? 恋人同士になるとでも言うの?」

「いや、そんなことは思ってない。ただ、これで終わりにできると思ったんだ」

「言い訳ね。自分の性欲に負けただけじゃない」

「違うって!」

「ムキにならなくていいわよ」


と、そこへ一人の女が現れた。

みゆきだった。


「あ、みゆき。……そうだ、みゆきからもなんとか言ってくれよ」

「何を? 崇は結局、私に堕ちたんでしょ」

「みゆき……。お前、わざと……」

「そうよ。あなたの意思が本物かどうか確かめたの。ねえ、ヨウコさん」

「ふふ、みゆきはやっぱりすごいわ。私でも敵わない」

「崇を彩乃に渡すわけにはいかない。私のプライドが許さない」

「ですって。どうする?崇君」

「ヨウコ、お前、彩乃をどこにやった? 何かしたのか?」

「何もしないわよ。あなたが勝手にドロップアウトしただけ」

「俺は、ほんとに彩乃のことを」

「ウソウソ。まぁ、いいわ。そんなに言うんなら、今のあなたの姿、彩乃に見てもらう? さっきのみゆきとのやりとり、しっかり記録されてるから、いつでもリプレイできるわよ」

「それは……」

「ふふ、ちょっとかわいそうか。崇は何も知らないんだものね。いいわ。もう一回だけ、チャンスをあげる」

「チャンス?」

「このまま、彩乃と会ってらっしゃい。今度は失敗したらダメよ」


と、ヨウコは俺にキスをした。

……ヨウコの顔がぼやける。

……みゆきの声も遠ざかっていく。

俺は何か大切なものを忘れていく気がした。

まるでスローモーションのように、俺はだんだん深い眠りに堕ちて行った。

……遠くでヨウコの声がした。


「いい? 今度は失敗しないでね。もちろん、この空間での記憶はなくなるから…… ふふふ……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ