表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「RPGパラレル・パラドックス」  作者: しんTAKA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/86

RPGセカンドストーリー 第七話

【フェーズCollege3】


年が明けて、また大学に戻った。

そして3月のある日、俺の部屋に中山先輩がやってきた。


「フォークライブするぞ」

「いつですか?」

「今度の土曜日。KAHOちゃんも出るぞ」

「え、ほんとですか?わかりました。赤田先輩と相談してなにやるか決めますね」

「モラトリアムはもちろん出てもらうけど、KA HO ちゃんと一緒にやらないのか?」

「いや、だって彼女、松永先輩と……」

「そうか、でもそんなの関係ないと思うけどなぁ。気が向いたら一緒にやってくれると助かる」

「わかりました」

「じゃあ、土曜日にな」


KAHOちゃんとはあの雪の夜以来、会っていない。

もう一緒にはできないと思った。


マイクロフォークライブの当日。

控えの教室に行くと、なおこちゃんとKAHOちゃん、それに中山先輩がいた。

なおこちゃんが中山先輩とギターを弾いていた。


(あのふたり、別れたのに一緒にギター弾いている……)


びっくりしているとKAHOちゃんが僕に、


「安岡氏、一緒に弾こうよ」


と声をかけてきた。


「え、いいの?練習ぜんぜんしていないよ」

「いいよ。今、ここで一回練習すれば大丈夫だよ」

「……わかった」


同時に、このLIVE の意味に気づいた。

つきあっていても別れても音楽は一緒にできるはずだという意味だったのだ。


(中山先輩、それでフォークライブするって決めたのか……。やっぱり、先輩には敵わないな)


やがてKAHOちゃんのLIVE がはじまった。

最後の1曲だけ、俺が出て行って一緒にギターを弾くことになった。

彼女がステージから

「じゃあ、最後の曲なので、久しぶりに安岡氏とやります。安岡君、どうぞ」

俺が出てゆくと会場から、少しざわめきが起こった。

俺とKAHOちゃん、松永先輩、早田先輩とのことを知っているやつが多かったからだ。

でも、そんなことは、もうどうでもよかった。

マイクロフォークでの最後のセッション。

一緒にギターを弾けることがうれしかった。

もちろん、曲は『あなたと愛の丘で』。

これでほんとに最後になるとふたりともわかっていた。

だからこそ、それをかみしめるように一音ずつ丁寧にふたりで演奏をはじめた。

彼女と話すようになってまだ一年も経っていない。

でもほんとにそれは人生の中で一番すてきな一年だったと思った。

彼女のギターと歌声がとなりから聴こえてくる。

それにあわせてリードギターを弾く。


♪・・・ずっと待っている 愛しいあなた・・・

・・・ この丘で永遠に あなたを~



ハモりのときは、こころが通じあう何かを感じた気がした。

でもそれは、真夏のライブのときとは違う、ひとつ時間がすぎたふたりにしかわからないものだった。

大人の関係とでもいうのだろうか。

冷めているのではなくやさしい気持ちが湧き上がるように、穏やかな気持ちになるのを感じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ