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紅い侍  作者: 柴崎龍
第一章 父の教えを胸に
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第八話 謁見



大坂城・本丸御殿



秀頼は軍議で幸村が言っていた、「淀を黙らせる策」を聞くため、幸村を本丸御殿に呼び出していた。



「面を上げよ。」



「はっ。」



「まず左衛門佐、幸村に改名したそうじゃな。」



「はい。今後は真田左衛門佐幸村になります。」



「そうか。備前も直秀と改名したそうじゃが、お主が付けたのじゃろう?」



「はい。軍議の後、真田殿、福島殿と話をし、その中で改名に至り、某が提案いたしました。」



もちろん、主君である秀頼とはいえ昨日の密談の内容は言えない。



「左様か。早速本題じゃが、お主が申しておった我が母を黙らせる策を聞かせて欲しい。」



「上様、ここで話す内容は某と上様だけの秘密にしてくだされ。」



「分かった。」



「それではこれをお読みください。」



秀頼の出生について書かれた書状を秀頼に手渡した。



「それは、父の遺品でございます。」



「こ、これは…」



「これは真なのか!」



「二枚目の書状をご覧ください。」



一枚目の書状の説明が書かれた書状を秀頼に手渡した。



「のう、左衛門佐…」



「はっ。」



「儂は昔から太閤殿下を知る者に『殿下には似ておらぬ』と言われておった。お主はわしと会った時、そう思わなかったか?正直に答えてくれ。」



「はっきり申し上げますと、そう思った節がございました。」



「そうよな…左衛門佐、このことを誰かに話したか。」



「宇喜多殿と福島殿にお話しいたしました。」



「そうか、左衛門佐、儂は母に失望した。殿下は儂が幼い時無くなったから親として全ての信頼を置いていた。だが何故…」



「ただ、これが本当なのでしょうか。」



「どういうことだ?」



「もし上様が殿下の実子では無かったとしても、殿下の指示とは限りませぬ。その証拠に『これらを全て豊臣秀吉の指示であると認める』の部分の筆跡だけ、少し違うのが見受けられます。」



「言われてみれば、お主の申すとおりじゃな。よし、わかった。母の近辺を捜索せよ。そして同時に軍議で決定した作戦を遂行しろ。もう一つ、この事を淀にも言う。今度の軍議で言え。」



「はっ。」



「それとな、今お主の話を聞いて決心した。儂は母、いや、淀の意見には屈しない。その為に『七大老』を作ろうと思う。その為にお主にもその一員となって欲しい。」



「謹んでお受けいたします。序列としては宇喜多備前殿、長宗我部右衛門殿、福島市兵衛殿、毛利豊前殿、明石掃部殿、某でよろしいかと。」



「それでよいのか?」



「はい。その様にいたしてください。」



「わかった。」



豊臣家は本格的に動き始めた。

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