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公爵家の長男坊は皆から愛されている。  作者: 雪将
第四章     後編
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258 リ・オルタイシ 12日目 朝と昼の間くらい

(学者たち)

「朝と昼の間くらいって…」

「しょーがねーだろ、時計なんてない時代なんだから」

「…」



 俺たちは走っていた。

 もと来た道を走り、わずかな迷子のゴブリンの首を刎ねながら村に走っている。その途中厄介なモノがいる小川と川の間くらいの川(中小河川)を見つけるが現状後回しで先を急ぐ。

 ちなみに睾丸と魔石は回収済みである。必要のないくさい肉付きで魔石がある。後で洗い直しが必要である。

 魔法で強引に引き寄せことでブチリと音を立てたのは睾丸である。

 学者たちは想像して股間を押さえた(一部胸を押さえる)。

 行きはよいよい、帰りは早い。

 ほぼまっすぐに一夜城の元へ駆けつけると壁はわずかに崩れ、結界が作動している。

 近場の木に睾丸と魔石の入った袋を吊るして、息を整えさせる。

 ガンガンと拳やぼろぼろの剣にこん棒で結界を叩き続ける魔物ども。

 こちらには気づいておらず、こちらは呼応する。

 この距離なら、魔法で秘密裏に壁の中にいる騎士たちに声を飛ばすくらい造作もないわ!

 城壁から顔を出す騎士たちに魔物たちはぎゃぁぁぁぁぁ! ぐぁぁぁぁぁぁ!! と雄叫びを上げて騒いでいる。

 おそらく、肉が出てきたぞーー!! 食わせろーー!! と叫んでいるのだろう。

 残り、数にして4分の3残っている。

 まぁ、この時間あの数が残っているなら、善戦している。

 城壁から「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」と声が聞こえる。

 俺らのところまでの距離が400mほど。近くには絶命した魔物しかいない。

 アドソンの声である。

 威圧と歓喜の声であり、続いてほかの騎士たちから咆哮も聞こえる。

 まるで勝鬨である

 まったく敵のせん滅をしていないのに、馬鹿どもが勝った気になりやがって、俺は口の端をニヤリと上げて、城に意識を集中させるあいつらに報いるためにも遠慮なく真空嵐を敵の集まっているところに投げ込んでやる。

 城の上の連中がそれを見て「うおぉぉぉおおぉぉ…」と細切れになるオーガたちを見て狼狽えている。逆に魔物たちは唐突の魔法攻撃で混乱し狼狽えている。

 俺は無言で2発打ち込みながら突撃し、指示を出す。

「佳境だ! 人族とは相容れぬ敵である!! せん滅せよっ!! 」

 一呼吸遅れて、

「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」

 城からアドソン強者組が飛び降りざまにオーガすら一刀両断にし、今日二回目の乱戦となり、切り結ぶ。

 誰しもが咆哮を上げ、防御無視で切り込んでいく騎士たち。

 無視できるのは俺が騎士たち全員の耳に「魔法で全部敵の攻撃をはじく、後は斬れ。今後も戦うなら相手の攻撃スピードを学習しながら今日を経験の場とせよ」と伝えている。

 戦いの収束は早かった。

 途中から騎士たちは無敵の状態で本来圧倒される敵を圧倒していたため討伐が加速して、ルオルで最後のオーガの首を刎ねて、俺は口を開く。

「周囲2km敵影なし! 勝ったぞぉぉぉ!!」

 己が武器を天に掲げ、勝鬨を上げる。

 騎士・戦士たちは一拍開けて、

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」」」」」

 天を裂くような野太い男たちの声が山間部をこだました。

 だが言わせてもらおう、勝てたのは何せ俺が居たからね! さすがに半径300m内なら、味方を守りながら戦うことに遅れは取らねーよ!

 俺の魔力が4割まで切っていて、正直眠すぎる。でも俺は指揮官だからまだ休めねぇ、すげー嫌な予感もあるし、とりあえずアラクネもどきさんのことを村に残った奴らに伝えるのと、一応でオルタイシとエルハルムに伝令を出すこと、森の中を走って村に帰ってくる最中に見た川の魚ピラルーの討伐とまだやらないといけないことを目白押しで気絶するわけにはいかなかったのだった


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