256 リ・オルタイシ 11日目 血風
朝、前日に決めていた通りリクスとロイを連れて昨日襲撃してきたオーガ・ゴブリンの集団とは別に山の中にいる親分討伐に二手に分かれる。砦かしたところを後ろ背にアドソンが叫ぶ。
「わかーーーーぁ!! わかーーーーぁぁぁぁぁ!!!!」
悲しみの籠り泣きながら俺を見送るおっさん。それに後ろ背でドン引きしながら、速度を上げた。
当時の俺は、あの涙を『わかー、無事に戻ってきてください。私の主はあなただけです。命を懸けて守りますので必ずですよー!! 泣く泣くついていくのを我慢したんですからーーー!!』だと思っていたて感想は、気持ち悪る。
実際は、『なぜ毎回私はお留守番なんですか!! ここには十分な戦力がおり、私の後釜構えられる人員もいるじゃないですかーーーー!!』で泣いていたことを後日わかって、まぁ、当時のことだから、とか思いつつも、当時は懐刀はアドソンだけだったため任せられる場所が違ったんだよ。といまさらになって無言で突っ込んでおく。
皆さんお忘れかもしれないが俺は一度実験でアドソンの記憶を奪い廃人に仕掛けたことのある人員だぜ、なので人生二人分の視点が見れるんだぜ! どのみち気持ち悪る!
と、話は戻して。
現在、ロイとリクスを引き連れ抜刀して、森の中にいる勿論右を見てもオーガやゴブリン、左を見てもゴブリンとオーガがいて二つに切り開きながら、村からここまでの距離2km強。敵の気配が強いところまで後5kmほど、砦に行く魔物の間引きとかく乱をしながら突撃をかけている。
本当はやる必要あったのかといえば隠密で行くにはなかったが、数が結構森の中にいた。
数的(感知的には)にオーガ800前後・ゴブリン3000前後、敵本陣に近づくにつれその密度を増えていく。しかも、マンイーターやウルフまでも居やがった。
これが全部向こうに行くと騎士や村人の戦死者が増えると予測ができた。
ゆえに、間引きとこいつらのボスの方に誘導することを目的としている。
ちな俺の魔力量は8割ほど、相手の親分の前に6割切った状態で飛び出したくなかったため、あまり、魔力消費しないように切り込む方法をとっている。
正直走るだけではのろまなオーガたちに負けることはないからだ。(リクスとロイが)
それに二人には走りながら伝えたが、俺の方で魔力の防御と装備の強化をロイの方だけしている。リクスはトレントの加工鎧をくれてやっているので防御方面には俺と同列で強い。
まぁ、それでも魔力の守りは少し入れている。中で、リクスの剣が炎を吹いて、オーガやゴブリン、マンイーターを焼死させている。喉や心臓を付き焼けば、心臓は血液を取り込む能力を減らし、首は気管支なら呼吸官を狭め窒息死や頸動脈からの脳へ酸素不足を狙うには流石のところだし、何よりほかの部位に比べればはるかにやわらかいときている。ただ切るだけだと回復力の強いオーガは少し苦しんで回復し切れる。俺は首を刎ねる。リクスは焼き切ると二つのパターンになる。オーガが死ぬか回復して切れて追いかけてくる。そして、俺とリクスは警戒対象、ロイは的という囮。その囮にリクスがフォローし俺が二人を魔法でフォローする。
それに、ぐへへ、強い二足歩行の魔物は自分がやられるなんて考えないから首元は結構おろそかにしているからやられてしまうのだよ精力剤の元どもめ! 後で拾いに来てやるからな! 睾丸と魔石置いて逝きな!
で、俺もオーガ・ゴブリン・ウルフなんかの首を相手の懐に入る瞬間加速してリクスとロイの3倍は早くで切り落とし、ロイのフォローを少し入れて進んで行った。
ざっと、二人と俺の敵を殺した数おおよそ1200ほどかな。
こちらに引き連れてきた数1000ほど、にぃっと笑みを浮かべ、俺を中心に暴風と真空切りを合わせた魔法。名前的には真空嵐とでも呼ぶものを想像して360度一帯に打ち放つ。
高密度の魔力の刃が周囲に下から上に幾種類の魔力刃がカーブするように飛び上空に打ち上げられる肉体と血が瞬きの間浮かび上がるが浮力がなくなると雨の方に音を立てて地面に落ちた。
その際、魔法でリクス・ロイは伏せておけと命令しているために被害はない。この二人の殺す気のない囮は得難い。オーガも馬鹿じゃないからな、一番強くて速いと俺を諦めるが、あからさまに俺の行動が鈍っている原因があると程よく知性のあるオーガなんかはついてきてくれる。それにつられてゴブリンも来る。
何匹かうち漏らしがいるがそいつらは伏せた時のリクスたちと同じ背丈の連中のみと相手の親玉飲みだった。
「なかなか、やるではないか子供」
人間のような発音で、人間が出せるとは思えない複雑な声音で俺の目の前に現れたのは胴体が人間だが、下半身が蜘蛛よりも蟻に近く上半身にもあるのだが虫の体の方にある足は筋骨隆々の鍛えられた人間の腕が足となっていたカールドや俺とは違ったベクトルの化け物がそこに立ち、上空よりいつの間にか発動させていた土の魔法を俺たちに降らせていた。
話しかけておいて会話する気がないように思える不意打ちであるが、バンッ! バンッ! バン! と音を立てて砕けるニードルは俺の無詠唱で張ったシールドにあたり砕け散っていた。
「あはは、これは参った。とんでもない化け物がこんなところにいるなんて」
「おほめの言葉ありがとう。でも姿かたち的にはそっちの方が化け物だけどね」
抑揚のないアラクネもどきに言葉に無表情で切り捨てる俺との間にわずかな沈黙が流れる。
「ふん、私を逃がす気があるか?」
「あると思っているのか? お前みたいな人工的に作られたような生き物を」
よくわかっている力量の差を、無理な願いとはわかっていながら魔力を練るなよ。
「聡い子供だな」
「とりあえず、答えろ。こいつは人為的な要因があるスタンピードか、それともお前の復讐か?」*1
「まったく、本当に化け物め!」
嘆息をつきつつ、忌々しそうにねめつけてくる化け物。その間もアラクネもどきは俺と同様に無詠唱で魔法を発動しようとしたが、俺の魔力干渉で打ち消されての発言でもあった。
わずかに空気が震えたと思った瞬間周囲の周囲にいるオーガたちが一斉に咆哮を上げる。
リクスとロイはそれに反応し剣を敵に向け互いの背を守る姿勢に移る。
「ロイ、リクス。思う存分暴れろ! こいつら(オーガたち)は俺より弱い。攻撃を受けることを気にするな、それよりも攻撃の当たった数と打ち取った数を数えて置け。そして、お前」
胸を張り堂々と部下に伝え、目に屈託のない笑顔でアラクネもどきに、
「ありんこの右足の真ん中の心臓と左の一番後ろの足の先の心臓を、命を懸けて守れよ」
奴の表情が引きつっていた。
(カールドとほかの学者)
「初代様、質問が」
「はい、なんでしょう?」
「きもっ、(ドス!)ぐぼっ、うぇぇぇぇ」
小さくそれでいて周りの者には聞こえるくらいの大きさでカールド君が俺の前で失態を犯すのでたまには真面目にみぞおちを殴った。
腹を押さえて屈んでいるカールドの頭つかんで持ち上げて、メンチ切りながら「あ”!」と見て、小さな声で謝罪が来たので手を離した。たまにはね、厳しくしないと立場がないからねぇ。と、にっこりと学者たちを見たら、全員4歩近く下がった。
ちなみに学者の何人かが唐突に訳知り顔でしゃべりだした俺の言葉に理解が追い付ていないのでの質問であった。
「で、このアラクネもどきとの会話の意味を知りたいでいいんだよね?」
と、問うと、ドン引きしながら「はい」とうなずくので、どういうことなのか話す。
簡単に言って、対峙しているアラクネもどきはどこかの国の工作員モンスターなのか、捕まって世界に復讐しようとしている進化もとい合成モンスターなのかを尋ねたのだ。
だってこの類は自然的には無理だし、神が想像した生き物ならもう少しパーツの配慮があるだろう。それがないということは人為的なものという断定となり、さらに言うとあの段階*1の段階での俺の頭の最悪は他国の大規模軍事急襲の可能性を示唆する頭があったことを話した。
皆、この俺の即決の判断にそれぞれの頭の中でなぜそこに即決で考えられるかがわからないのとそれを言語化するために質問を構成しているけど俺は、
「お前らの答えに対する答えになるかはわからないが、俺のこの世界での知識がある生き物でないことを君らは忘れていないかい? 可能性というのは想像からも計算できる。元の世界はそこまで危険じゃなかったが危険じゃない世界だからこそ、暇を持て余してそのたぐいの娯楽の本が入り乱れている。そのために、その娯楽本の中身の内容を参考に現在の判断を手繰り寄せ敵と認定した。要するに娯楽だからで無視せず柔軟に考えた行動だったということだ」
と、それぽいことを言っていたが、ぶっちゃけ嫌がる精霊『え~、やだー、なんか魔力が汚い』と言うライチに相手に魔力のパスつないで、ライチ経由で情報をいただいた。が正解。ついでにいうと、ライチという別の魔力に気が付き、俺の魔力をパス経由で気が付いた可能性があった気が今はする。まぁ、俺が勝ったからどうでもいいが。
「「「…………」」」
にしても、全員無言だった。
彼らの頭の中事実かどうかを試算し、はたから見たらフリーズしているのだったが、カールドが、
「この爺さんが普通じゃないのはいまさらだから、とりあえず続きを読もう、それになんか本音言っているとお思えないし」
そう、日に日に本能が育ち始めているカールドはダメージから回復して口にしていた。
にしても、学者どもはいつ不毛なことに気が付くのか。俺が言っていることは俺としては本当のことだけど、他の世界なんて、この世界(地上)で生きている限り、真偽の確認なんてできないのに考えて、フリーズは無意味なのにな。まぁ、俺の人生じゃないし考えることは悪くないから放っておこう。
にしても、本当によく効くぜ俺の作った薬、内臓を強化すると本当に回復が早くなる。ぐへへ。魔力も高くなってきてるし、そのうち場を設けて英雄にでもするかねぇ。にやり。
「! (ぞくり)」カールドは悪寒を覚えた。
俺はそれを感じ見てとって、笑みを深めニチャリと彼に見えない角度で見つめると、また、驚くようにしてカールドは首を左右に振って怯えていた。
俺の笑みが深くなったころ、カールドは立ち上がった。
「俺の…ちょっと旅でに出る!」
唐突に言い出した。
大公が「えっ? いきなり、どうした」と小声でつぶやいていると、足早に駆け出し始めていたが部屋を出る瞬間くらいに地面から俺の分身がカールドの目の前に出現して短く悲鳴を上げて、もう一人の俺がカールドの肩をつかみ、そいつと俺が一緒に「第二フェーズ」にやっと笑った瞬間。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ(足が! あしがぁぁ)ああああああああああああぁぁぁぁあああぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!! ・・・・・・・・・・ 」
悲鳴を上げ、足から地面にめり込みだし、恐怖におびえるカールドは学者たちに助けを求める必死の形相を向けて図書館の地面の中に消えていったのだった。
学者たちは戦々恐々としてこちらを見ている。
俺は一言、優しい声音で笑顔でドスを響かせる。
「見せもんじゃねーよ! お前らもおんなじとこ行くか? なぁボラ~ン…」
ぶんぶんと首を振って全員あらぬ方向を見て、死(視)線をそらした。ボランも必至だ!
そう俺と今目を合わせれば、死ぬ可能性があるからだ。カールドだから、耐えられるが訓練もない、ボランでは死んでしまう。ただ、それだけである。
その一週間後、益荒男カールドが帰ってきた。
筋肉の増強は1.5倍である。
その顔には精悍さがにじみ出ていた。
見ていた者たちが思ったのは、『あっ、たぶん、もう奇襲で何人襲い掛かってもカールドにはかなわないだろう』と、思う見た目と雰囲気だったという。
俺は無詠唱と剣技そこそこと短槍(銃剣道で得意になる)が得意ゆえに、構えるは…
「さあかかってこい我が剣技受けてみるがいい!」
斜立ちで、両手で武器を等間隔に握り立つ。隙はほぼない。銃剣道は糧になっている!
鋭利で鋭い殺気が密度を上げる。淀みのない魔力がわずかな隙にも見えるものには見える。
ゆえに、アラクネもどきが牙で口をガードし、肉薄し力押しをしあう。
複数の腕で、刃をどかし、アラクネもどきは口を開く。
「すがすがしい嘘つきで私は今困惑している。しかも、土から武器の精製するとはますます、恐ろしっグハッ!」
俺の槍の立ち振る舞いなのに、土からの太めのアースニードルが6本死角からもで、それを打ちつぶす反応を見せるが、壊した瞬間網状にアラクネを土の網で絡めとっている。
身動きを拘束しネットリとした笑みを俺は浮かべて、槍を構えアラクネの視線は槍に向く。
奴の魔力の動きを俺の感知は察知している。瞬間土の中から高度の高い先ほどの半分の太さのニードルが飛び出してきて、アラクネもどきの心臓を破壊した。
「お前さん、俺が魔法使いということを一瞬忘れていたなぁ。よくないぜ、そういうの!」
何重にもブラフを立てていた俺の捨て台詞であるが、うん、ここまでしなくていい相手であったのは終わってから気が付いた。俺だけ頭使って何重にも捻って戦っていた。
覚悟を持って指揮官型人工合成獣になり攻めてきたと思ってたから、幾重にもブラフを立てて殺気もわざと込め嵌めたけど、なんだか哀れだ。
見方を変えれば自分をこんな姿にしたやつのそばでしかこの姿の生き物は生きるところがないのだろう。他で生きることを考えても一発で自分を認めてくれる住処なんて見つからず見つかる前に人間性は擦れて人の討伐対象か、哀れであり、虚しいな。まっ、事実かは気絶してるふりしているこいつから聞き出せばいいや。
(学者の数人が)
「「「えっ!? 殺したんじゃないんですか?」」」
「いやぁ、二つの心臓を刺したけど、本体の方の心臓は生きてるよ」
「??? さっき心臓が足と腕とか言っていましたよね?」
「言ったけど、予備の心臓の場所を当てただけで、ベースは人間だから普通に胸に心臓こいつあるよ」
「! まじで???」
「ああ、だからあの段階では、まだ殺してないよ。絞らないとさぁ、どういう計画で動いているか絞らないとだめじゃない? ただ殺すだけなら、村から濃縮な魔力で作った攻撃をすれば殺せるよ! ただ、地形変えるより原因の確認大事じゃない。ただの上位個体のスタンピードなのか、何かに追われてのスタンピードなのか、調査は大事じゃん!」
「おうっつ!」
私の冷静で明るいコメントに目を白黒させてていやがった。
舐められてんのかなぁ、俺。こいつら絞ったほうがいいのかなぁ。と、思って目を細めて学者たちを見る。
「「「なっ、何ですか」」」
学者たちの恐怖心が反応されている。
「一応、確認で聞くけど、俺のこと・・・舐めてるの・・・?」
「「「・・・・・・・・・」」」
数秒の沈黙の後、おそらく脳で考えるより体が反応したんだろう。
口を開いていたやつが何かを口にするより先に体が外に逃げ出していった。
少なくとも、ほんのりと入ってくる魔力が舐めていないことだけはわかったから無視してやることにした。
残っていたやつらを見たら、目が合った瞬間から全員目を瞑って首を必死に振っていた。
魔物たちの王は倒れた。
身動きをしないアラクネもどきを見たオーガやゴブリンの戦意は下がるがゴブリンは逃走しない。
なぜか…オーガが逃げていないからである。
戦力比率は単純に見ればオーガたちが上である。
それを魔物の常識でもある。それが当たり前である。
だからこそ、逃げるタイミングをオーガですら見失おう。
俺は槍を8線振るい、腕と足を切り飛ばしアラクネの腹に深く突き刺した。
「うがぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁ!!!!」
悲鳴を上げるアラクネもどきを無視して、部下たちに告げる。
「オーガ並びにゴブリン、少量のマンイーターは、まだ戦意を失ってはいない! こいつらをこのまま生かしておいてもオーガなんかは1匹で村を壊滅くらいはする。
ここで逃す意味はない、削れるだけ削り切れ!!」
怒声を二人の騎士に浴びせて、俺は剣を抜きざまに魔法で特定の距離を土壁で囲んだ!
一匹も逃さない。
俺の行動に、アラクネもどきもオーガもゴブリンも騎士たちも理解し乱戦が始まった。
ちなみにアラクネさんは必死に地面に縫い付けられていたのから逃げるためにもがいていただけ、あはは、俺が逃がすわけないだろ。




