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変態の日常的生活  作者: 荒崎 藁
変態たちの休日!
46/66

やりすぎは禁物

だいぶ、いやかなり遅くの投稿になりました。

「久々にたくさん英語喋った! ん? どーしたのみんな?」

 俺を含めた五人は、驚愕という言葉が顔、いや全身に出ていた。そのせいか誰も喋ろうとしない。夕真が平然としているのも驚きだが。知っていたのか? 阿部がこんなに英語が喋れることを。

「阿部って天才だったんだな……」

 俺が切り出すとみんな続いて言葉が出る。

「阿部が眩しすぎて直視できないぜ…………」

「阿部が男だったら完全に胸キュンよ」

「クしゅんっ!!」

「明美お姉ちゃんすごい……」

 個人の感想が俺と悠奈以外酷いな。かっこよく決めたつもりなのか境は……。前澤の場合、一応男女で成立してるからいいんじゃね? 田仲はくしゃみのみだし。でも田仲の海の瞳が輝いていた。阿部がかっこよく見えるのだろう。

「そんなことないよ~。それより今日は帰れって言ってたよさっきの黒人」

――――

 今度はまた違う沈黙が出来ていた。第一声はきっと、

「何故だ!?」

 境がそれを務めた。

「はしゃぎすぎたのかな? じゃあどこかでお昼ご飯食べて帰ろ!」

 おかしい。何かがおかしいぞ。阿部ってこんなあっさりしてたっけ? いつもなら『気にしない! このまま買い物続けよ!』みたいなノリのはずだが……。

しかもあの清々しい笑顔。今の間に何が起きたんだ。

「えぇっ! まだ動物と全然触れ合ってないのに!」

 高校生とは思えないほど駄々をこねまくる境は、自分の膝を叩いたりブリッジしたりと、荒ぶっていた。仕舞いには逆立ちしながら飛び跳ねている。どんな運動神経してんだよ。

「家に帰ればいくらでも触れ合えるでしょ」

 なだめるように前澤が説得に入る。果たしてその思惑おもわくに裏があるのか。

「でもこの子たちはここでしか触れ合えんじゃん!」

 逆立ちで顔を上げながら前澤に抗議する様がアホすぎる。自分は真剣なつもりでも、逆立ちのせいでその想いが台無しになっているのを境は気付いているのだろうか。

 とりあえず境を止めなければ……。

「境! 一旦静かにしろって、また黒人来るかもしれんだろ!」

「うおおおおおおお!」

 俺のことなんか無視して雄叫びを上げていた。どうやら俺の声は今の境に届かないようだな。

さて、どうしようか。

「……しゅんっ…………」

 ん? 今のは? 音が小さすぎてどの方向から聞こえたか分からんな。

「クしゅんっ」

 今度ははっきり聞こえたぞって、田仲のくしゃみか。でもなんかいつものくしゃみとは何かが違うような……まるで怒気が含まれたくしゃみだな。

 気になったので田仲の方を見てみると、俯きながら俺の横に佇んでいた。何やらぶつぶつつぶやいている。よく聞き取れないから内容は分からなかった。

 今でも前澤が必死に境を静めようとしているが全然歯ごたえがないように見える。

阿部なんか俺の弟たちにセクハラしとるし。くっそ何か無いのか!


「――――境!! 黙って」

 

 強く張った怒声は、藍髪あおがみの少女のモノだった。


読んでくださりありがとうございます。


境は空気読めてないです。ええ、完璧に。

というわけで第3話完結しました。

第4話からはまたいつもの5人が、今度は学校生活で変態っぷりを隅々まで発揮します。

お楽しみに。


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